荻伏共同育成場日誌

北海道浦河町にある競走馬育成牧場・荻伏共同育成場の場長が日々の風景をお届けする徒然日誌。

育成馬の軌跡『メイショウナパワン』

2019-07-10 21:32:01 | 競馬
 育成馬はどのような育成をされ勝ち馬となったのか、その軌跡をたどる新企画です。まあ自分のための備忘録であり、これからの育成の参考になればと思って始める企画です。

 メイショウナパワンことカクテルローズ29は中間育成もうちで行い昨年の6月3日に当育成場に入厩しております。翌日から夜間放牧開始。昼の2時から翌朝の6時半まで放牧しておりました。
 とにかくやんちゃで他の馬に喧嘩を吹っかけて回るガキ大将。10月初めから提携する高昭育成センターで馴致を行い同月19日に再入厩。12月8日の屋外馬場凍結まで順調に乗り込み、この段階でハロン20秒までのキャンター2800m。馬場凍結で調教が停滞する中、屋内馬場と坂路で調教を続けていましたが、翌年1月16日に提携する高昭牧場BTCの馬房に空きができたので退厩。高昭牧場BTCは3月に退厩し本州の育成場へ。その後の経過は分かりませんが6月23日函館の新馬戦(芝1200m)で3着。そして先週日曜日函館1レースの未勝利戦(芝1200m)で見事勝利を飾りました。

 父トゥザワールド、母カクテルローズ、母の父タニノギムレット、3代母に牝馬ながらケンタッキーダービーを勝ったウイニングカラーズ Winning Colorsがいる血統。
走る度に気難しさを出す血統なので、そのような面を出さないといいですね。


1歳12月の写真

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先週の注目馬『マイラプソディ』

2019-07-10 21:00:45 | 競馬
「武豊騎手の、凱旋門賞を勝ちたいという夢を叶える」
こう公言して憚らない(株)キーファーズ代表取締役の松島正昭氏ですが、これまでは高額馬を購入しているわりには、それに見合う成績が出ていませんでした。しかし、まだ僅かではありますがその可能性を感じさせる馬が遂に出てきました。
日曜日5レースの新馬戦(芝2000m)。第3回中京開催で芝2000mが組まれるようになったのが2015年。この4年間の勝ち馬はブラックスピネル、トリコロールブルー、ワグネリアン、カテドラルと活躍馬ばかり輩出する出世レース。
単勝1.8倍の断然人気に推されたのはキーファーズ所有のマイラプソディ。当然鞍上は武豊騎手。
レースでは、前半は中団後ろから追走。1000m通過が1.05.7という緩い流れの中4コーナーでは後ろから2番手。直線大外に持ち出し追い出されると見事な脚を繰り出し快勝。勝ちタイムは2.06.0。2着ルリアンにつけた着差は3/4馬身ですが、それ以上に力の差を感じました。

父は海外競馬に強い産駒を輩出するハーツクライ、母は『ラブレアS』というアメリカ・ダート7ハロンのG1を勝ったテディーズプロミス、母の父はアパパネの母の父でもあるソルトレイク Salt Lake。近親には名種牡馬ジェネラルミーティングがいる程度で、それほど強調材料はありませんが、圧倒的な良血オーソリティをピックアップせずに取り上げた馬ですから活躍を期待したいですね。

レース未見の方はJRAのHPで見られるのでチェックしておいてくださいね。

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