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初回の体外受精治療成績について

みさなま、こんにちは

今回のラボ通信では、当院における初回の体外受精治療成績についてお話させていただきます。

今年から、1回目の体外受精の助成費用が15万円から30万円に増額されたのをご存知ですか?体外受精は治療費用が高額ですが、助成金申請制度を上手に利用することで負担が少なくなります。そこで気になるのが1回目の治療成績ではないでしょうか
今回、2013-2016年前半の初回治療成績をまとめましたので、ご紹介いたします

下のグラフは1回目の採卵を行った周期数です。年齢を29歳以下、30-34歳、35-39歳、40-42歳、43歳以上に分けています。35-39歳の方が最も多く、156周期となっています。


下のグラフは、初回採卵時における平均採卵個数と平均凍結胚数です。もちろん個人差はありますが、年齢が上がるにつれて、採卵個数は減少する傾向にあります。そのため、できる受精卵の数も減少し、40歳以上では1個凍結保存できるかどうか・・・となってしまいます。


下のグラフは、採卵数ゼロ、正常受精数ゼロ、グレード不良などの理由で胚移植がキャンセルになった割合を出しています。年齢が上がるごとに採卵しにくくなり、せっかく採れた卵子も受精しにくくなってきます。


下のグラフは、初回の胚移植の妊娠率です。新鮮胚移植、凍結胚移植(OHSS予防や内膜発育不良等の理由で移植延期)の周期が含まれています。移植個数は1個です。29歳以下は症例数が少ないため、低い妊娠率となっていますが、それ以外は年齢が高くなるにつれて妊娠率が低くなる傾向にあります。



ちなみに当院では、初回はなるべく新鮮初期胚移植を行い、1-2個の初期胚を凍結保存します。グレードが低い胚や余った胚を胚盤胞まで培養を継続し、良好な胚盤胞であれば追加で凍結保存を行っています。

以上が、当院の初回体外受精の治療成績でした
個人差はありますが、このデータを治療を始める際の目安としてご活用していただければと思います。ご質問がございましたら、いつでも胚培養士にお声かけください
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