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扇町レディースクリニック・ブログページ

WHO(世界保健機構)の精液検査マニュアルが改訂されました

みなさま、こんにちは!

当院で行っている精液検査は、WHO(世界保健機構)の精液検査マニュアルが推奨する検査方法を採用しています。2021年に10年ぶりに改訂したマニュアルが出版され、精液検査の基準値が変更になりましたので、下記の表で抜粋した数値をお知らせいたします😃 


●精液量:精液の量を測定します。精液の量が基準値以下の場合は精液減少症と診断され、極端に少ない場合は膀胱内に精液が逆流している可能性が考えられます(逆行性射精)。

●精子濃度:顕微鏡下で精液1ml中の精子の数を測定します。基準値以下の場合は乏精子症、精液を遠心処理し内容物を観察しても精子が全くみられない場合は無精子症と診断されます。

●総精子数:精液全量中に存在する精子の数を算出します(液量×精子濃度)。

●精子運動率:精液中の動いている精子の数を測定し、割合を算出します。基準値以下の場合は精子無力症と診断されます。当院では精子の運動の仕方によって、高速運動精子(速い)・直進運動精子(普通)・非直進運動精子(遅い/進んでない)に分類しています。

●精子正常形態率:精子の頭部(あたま)、中片部(くび)、尾部(しっぽ)の形や大きさを200精子観察し、正常な形の精子の割合を算出します(クルーガー検査)。詳しくはこちらをご覧ください。

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この基準値は 正常値 ではありません。
1年以内に自然妊娠したカップルの、精液検査値の最低ラインです。

そのため、この基準値以下であっても妊娠できる可能性はゼロではありませんし、この基準値以上であっても妊娠できない場合もあります。

あくまで治療方針を検討する上での目安として、お考え下さい。

また、精液所見はその日の体調や気分、過去2-3か月以内の感染症(インフルエンザなど)、採取場所や時間によって変動する場合があります。検査は複数回受けて、ご自身の変動状態を確認しても良いかもしれません。

検査に関してご不明な点がございましたら、医師・看護師・胚培養士にお尋ねください。


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