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糖尿病性壊疽(えそ)について

2009-04-14 10:58:59 | 糖尿病とは?

<糖尿病性壊疽(えそ)について>

~糖尿病と足の意外な関係~
 

 糖尿病と足は、意外なほど強い関係があります。日常生活で足に気を使うことはほとんどありませんが、糖尿病の方は足の手入れが非常に重要になります。
糖尿病と足。この2つにいったいどのような関係があるのでしょうか。

今回は糖尿病性壊疽についてお送りいたします。

 

◆糖尿病性神経障害から壊疽へと進行
 

 糖尿病患者に併発する合併症の中で、もっとも頻度が高いといわれるのが糖尿病性神経障害です。手足、特に足の指や足の裏のしびれや痛みだけではなく、立ちくらみ(起立性低血圧)や頑固な下痢などの自律神経障害を引き起こすこともあるのです。

<糖尿病性神経障害とは?>
 糖尿病患者が手足の先、特に足底や足指のしびれを訴える場合には糖尿病性神経障害が疑われます。糖尿病性神経障害は、糖尿病という代謝障害(栄養素が十分に利用できない状態)に基づく、左右対称性に感覚の異常をもたらす神経障害なのです。自覚症状としては、左右対称性の四肢末端部のしびれ、痛み、感覚障害が主なものです。しびれや痛みはあっても筋力の低下や筋肉の萎縮はみられないのが普通です。
 また、立ちくらみや、発汗の異常、下痢や便秘、インポテンツなどの自律神経障害を併発することも多く、患者の日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
 糖尿病性神経障害が進行すると、感覚が低下し小さな傷が大きな潰瘍となってしまうことがあります。糖尿病性壊疽と呼ばれるものです。壊疽によって足を切断する人は、年間約2,000人といわれています
 一番の問題は、神経障害の要因にはさまざまな異常が関与しており、いくつかの治療が試みられていますが、医療の現場ではこれといった治療法が見つかっていないことです。


◆壊疽(えそ)の恐さ
 

 足は神経や血管の末端なので、高血糖による神経障害、血流障害が一番起こりやすく、足の感覚が全くなくなることがあります。感覚が失われるために、火傷やケガなどに気づかないことがあり、その傷口からばい菌が入って悪化させ、治りにくい潰瘍をつくったり壊疽になる危険もあります。
 壊疽というのは、ちょっとした皮膚の傷がもとでそこに細菌が繁殖し、化膿が進んで皮膚から皮膚組織までが腐ってしまい、そのままくずれて潰瘍になったり、最後には骨までが腐ってしまったりする恐ろしい病気です。
 壊疽がひどくなると、外科手術で足や足の指を切断しなければならないことさえ珍しくありません。また、最悪の場合敗血症を起こして命にかかわる事さえあります。
 ※敗血症とは・・・体の中に細菌が持続的に侵入し、これに伴って起こってくる病気をいいます。体に抵抗力がないと症状が悪化する恐れがあります。中には敗血症ショックを起こして死亡する場合もあります。
 *壊疽が起こりやすい場所は、足の甲・足の裏・かかと・足の指先・足の指間・足の爪周りなど、足のほとんどの部位です。

 

◆手入れ・対処法
 

 壊疽を起こさないために大事なのは、何より血糖コントロールを上手におこなうことです。食事・運動など糖尿病そのものの治療はもちろんですが、次のような点に日頃から気をつけましょう。
 

①毎日こまめに足のチェックを
 寝る前などに、毎日明るい場所で足をよくみましょう。足の裏側は手鏡にうつしてみたり、目の悪い方は、周りの人にみてもらいましょう。
 

②入浴時のポイント
 ●湯ぶねに入る前には、必ず手で湯加減を確かめましょう。神経障害があると足は熱さにも鈍感になっていて、熱湯に気づかずヤケドをすることもあります。
 ●やわらかいタオルやスポンジで、足の裏や指の間もていねいに洗いましょう。
 ●足がふやけるまでの長風呂はダメ。ふやけた皮膚は傷つきやすくなっています。
 ●入浴後は水分をしっかりふきとり、クリームを塗って、皮膚が乾燥しないように注意しましょう。
 

③爪の手入れも大切
 神経障害が進んでいると、爪が伸びていたり割れていたり、さらには巻き爪で食い込んでいても違和感がなく痛みを感じません。伸びた爪はケガのもとですので、こまめに手入れをしましょう。硬くて切りにくい爪は、身近な人に切ってもらいましょう。また、深爪をしないように注意が必要です。
*今後、糖尿病患者の増加、ライフスタイルの変化により、足の手入れの大切さはますます高まると考えられています。糖尿病と足の関連をよく理解し、身だしなみを整えるのと同じように、普段から足にも気を配りましょう。



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