2月27日(土) 「雪の轍」
トルコの巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイランが、2014年・第67回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した重厚な人間ドラマ。日本での劇場公開作品はこれが初となった。世界遺産カッパドキアの荘厳な景色をバックに、洞窟ホテルを営む夫婦とその妹が繰り広げる愛憎や、ある一家との確執を描く。カッパドキアのホテル・オセロを経営する元舞台俳優の裕福な男アイドゥンは、若く美しい妻や出戻りの妹と平穏な暮らしを送っていた。しかし、冬の訪れと共にホテルが雪に閉ざされていくにつれ、それぞれが秘めていた思いが浮かび上がっていく。また、アイドじかんゥンは家賃を滞納する一家との関係にも頭を悩ませていた。
まさに重厚な感じの映画です。時間がちょっと長すぎます、というか疲れました。昨年の6月にこの映画のことを知ったのですが、レンタルできて良かった。
3月3日(木) 「テレーズの罪」
に
ノーベル賞作家フランソワ・モーリアックの同名小説を、オドレイ・トトゥ主演で映画化。1920年代のフランス南西部。政略結婚によってデスケルウ家の当主ベルナールの妻となったテレーズは、愛のない結婚生活や堅苦しい家族制度に息苦しさを感じはじめる。やがてテレーズは、親友でもある夫の妹アンヌが若い青年と恋に落ちたことに刺激され、現在の生活から逃れたいという思いを募らせていく。名匠クロード・ミレールの遺作となった。フランス映画祭2013で「テレーズ・デスケルウ」のタイトルで上映された。
3月6日(日) 「ふたつの名前を持つ少年」
ユダヤ人強制居住区から逃れた幼い少年がたどる壮絶な運命を、実話に基づいて描いたドラマ。自身もユダヤ人収容所に入れられた経験を持つ児童文学作家ウーリー・オルレブの「走れ、走って逃げろ」をもとに、アカデミー短編実写賞の受賞歴を持つドイツのペペ・ダンカート監督が映画化。ポーランドのユダヤ人強制居住区から脱走した8歳の少年スルリックは、森で行き倒れていたところをヤンチック夫人に救われる。スルリックの愛らしさや賢さに気づいた夫人は、彼が1人でも生きていけるよう「ポーランド人孤児ユレク」という架空の身の上を教え込む。寝床と食べ物を求めて農村の家を渡り歩くようになった少年は、生き別れた父との約束を胸に過酷な日々を生き抜いていく。
3月7日(月) 「チャップリンからの贈り物」
衝撃作『神々と男たち』で注目を集めたグザヴィエ・ボーヴォワ監督が実話を基に描くクライム・エンターテインメント。刑務所から出所した男と、入院中の妻と娘をもつ男が金を工面するため、チャールズ・チャップリンの“遺体”を盗んで身代金を得ようとするも、想像もしなかった事態に巻き込まれていく様を描く。音楽は巨匠ミシェル・ルグラン。
エディの親友オスマンは、入院中の妻と幼い娘を抱えて医療費が払えないほど貧しい生活を送っていた。そんな時、“喜劇王チャップリン死去”のニュースが飛び込んでくる。エディは身代金で生活を立て直すため、埋葬されたチャップリンの棺を盗み出そうとする。
ミシェル・ルグランの音楽は何故か郷愁をそそる。昔の映画をいろいろ思い出してしまった。
4月1日(金) 「エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)」
マンドゥを訪れた山岳カメラマンの深町誠(岡田准一)は、エヴェレスト史上最大の謎を解く可能性を秘めた古いカメラを発見する。失われたフィルムを追ううちに辿り着いたのは、孤高の天才クライマー、羽生丈二(阿部寛)の存在だった。「山をやらないなら死んだも同じだ」と語り、他人を寄せ付けない人生を送ってきた羽生が取り憑かれた史上初の挑戦とは何なのか?その目的に興味を持ち、羽生の過去を調べるうち、深町はその凄絶な生き様に飲み込まれてゆく。そして、羽生に人生を翻弄されながらも愛し続ける女性・岸涼子(尾野真千子)とも出会う。標高8848m、氷点下50℃。呼吸すら困難な極限の世界。垂直の壁が待ち受けるその場所で、これまで誰も成し得なかった過酷な登攀に単身挑む羽生。その挑戦を見届けようと後を追う深町。男たちは自然の脅威の前に命を晒しながらも、人間の限界を超えてただひたすら世界最高峰の頂を目指す。彼らは生きて帰る事が出来るのか?その先には果たして、何があるのか……?
久しぶりの邦画を映画館で見た。夢枕獏の原作も良いのだろうが私は映画で満足です。泊真に迫る阿部寛が良かった。
4月20日(水) 「ターナー、光に愛を求めて」
イギリスを代表するロマン主義の画家で、後のモネなど印象派の画家たちにも影響を与えたターナーの人生を、「秘密と嘘」「ヴェラ・ドレイク」で知られる名匠マイク・リー監督が描いたドラマ。ターナーを演じたティモシー・スポールが、2014年・第67回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。18世紀末のイギリス。若い頃から高い評価を受けながらも、自由気ままに生きるターナーは、インスピレーションの源を求めて旅を続けてきた。ある時、助手を務めていた父親の死にショックを受けたターナーは旅先で宿を経営するひとりの未亡人と出会う。
4月26日(火) 「画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に秘められた秘密」
19世紀半ばにフランスで起こった芸術運動「印象派」の誕生に大きく関わった女性画家ベルト・モリゾが巨匠エドゥアール・マネとの出会いを経て、ひとりの女性として成長していく過程を描いたフランス映画。パリ16 区のサロンに出品していたベルト・モリゾは、ルーブル美術館で姉と摸写をしている際に、すでに美術界では名をなしていたマネと出会う。マネにモデルを依頼されたモリゾは、彼のアトリエに通うことになる。女性は家庭に入るのが当たり前だった時代、画家を目指すモリゾは数々の苦悩を乗り越えていく。監督はゴダール作品などの常連の撮影監督であるカロリーヌ・シャンプティエ。
最後の2作は画家の生涯を扱った作品。父親の死→旅→未亡人との出会(ターナー)、画家モリゾとモネの出会 興味深く観た。感想をいづれ追加したいが時間がたったせいか思い出せないことも多々ある。
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