恩師のご著書「思いの中に生きる」より
亡くなった方に対する思い方
先の続き・・・
私は四十五歳の時に家内を亡くしまして、子供を二人残されました。
下は中学一年生、上は高校でした。
その時、もう本当に忽然として亡くなりましたから途方に暮れまして、これは
一体どうしたものか思い悩み苦しんでいた時に、ある先生が私に教えて下さったのです。
これはその先生を通して神仏から教えていただいたんだと思います。
その教えが、「あなたは悲しんではいけません。しかし、その人生の中で最も
悲しいでき事であれば、耐えて、無理して耐えて我慢することもないんです。
思いっきり泣きなさい。思いっきて泣いて、そしていつまでも囚われないようにしなさい。
いつまでも囚われてはいけません。
そして本当に亡くなった奥さんのことを思うなら、どっちが悲しいか考えてみなさい。
それは亡くなられた奥さんの方が悲しいはずです。
あなたにはこうして私ら大勢の者が付いています。
亡くなって行く者は一人です。
その人を本当に思うなら、その人のためを思うてあげなさい」ということでした。
まあ、生きている時は本当に不調和な夫婦生活をしまして、顔を見たら喧嘩していました。
本当にもう夫婦としては最失格者でした。
しかし、そのような中で、そのような試練を与えていただいて、
しかもその人を本当に思うなら、
その人の幸せ、死んでから幸せにするというのは申し訳ないのですが、
せめて死んでからでも幸せになってもらわなければならないと思って、
「安心して下さい」そして、「私はこの子供たちを責任をもって育て、
責任をもって独立させますから、あなたは安心して極楽の世界へ旅しなさい」
と言い聞かせました。
まあ、お陰様で二人の子供は無事に学校も出させてもらいまして、いい所へ
お嫁にもらっていただきました。
幸せに暮らさせてもらっています。
~ 感謝・合掌 ~