恩師のご著書「思いの中に生きる」より
正しく見る
先の続き・・・
それから、この五官を通して私たちは諸々の煩悩が芽生えてきます。
その煩悩はどこから芽生えてくるかといいましたら、全部自己保存・自我我欲
から出てきます。
これももう毎回のお話ですけれど、私たちがものすごく腹を立てましたら心の
中が煮えくりかえります。
煮えくりかえるのは、
ちょうど器に水を入れてガスにかけてグラグラ煮えくるかえるのと同じような状態です。
器に水を入れて、そっと置いてのぞきましたら、
自分の顔もきれいに映りますけれど、グラグラ煮えくりかえったらもうとても見えません。
心もそれと同じような状態なのです。
怒り・愚痴、これはもう不足の心から出ます。
では、不足はどこから出るのかといいますと、やっぱり自己保存からです。
その自己保存によって、怒り・妬み・謗り・愚痴あるいは貪欲、
いくらあっても欲しい欲しいという、足ることを知らない思い、
そういうものによって心がその時その時に煮えくりかえってはいけません。
水が古くなって腐って真っ青になってしまえば、これも顔が映りませんし、
水草が生えたり水ゴケが上をいっぱい覆ってしまっても顔は映りません。
心もそのように、私たちが疑心暗鬼にとらわれた時には、
もうとても正しく見られません。
「あの人、あんなん言うてんの違うか、こんなん言うてんの違うか」と、
言ってもないことを言っていると、自分で決めてしまって、
正しく見られないのです。
~ 感謝・合掌 ~