恩師のご著書「思いの中に生きる」より
死のとき
生命力の強い時は死の世界から遠く離れています。
これが生と死の境とします。
こちらからは向こうはあの世の世界、
こちらは私達の生きている世界とします。
健康に生きている時は、死の世界からずっと遠いのです。
ものすごい病気をしたり、
あるいはだんだん年を取って肉体的に衰えてきましたら、
だんだん死の世界に近づいていくのですね。
生と死の境界線に近づいていきます。
で、心悟った方はここからさっと遠い方へ遠い方へ離れて行かれます。
極楽の世界に離れて行かれるのですね。
そして、「ああ、死にとうない、わしゃ、まだ後、心残りいっぱいあるし、
死にとうないんや」と、生への執着、あるいは物とか、財産とか、名誉とか、
そんなものに思いを強くもっていましたら、肉体は死んで無いのですけれど、
その心は生と死の境をさまよっているのです。
だんだん境に近づいてきましたら、ここをウロウロしている人が、
この人と近いものですから寄って来るのです。
だから、死ぬ前になると、心のきれいな方は、
「ああ、きれいな人が迎えに来てくれはる」と言って、
心の汚い人は
「ああ、怖い奴じゃあ。もう来なー(来るな)、もう来なー」
と言いながら虚空を掻きむしって、死ぬ人があります。
あれはその人の心に応じたものが迎えに来るのです。
「おとろしよー。怖い奴が来たー。怖い奴が来たー」と、
掻きむしって死ぬとよく言うでしょう。
あれは皆、その人の心に応じた人が、迎えに近寄って来ているのですね。
だから、怖い。
心のきれいな方の中には、
ここから離れた世界から紫の雲に乗って迎えに来て下さった言って、
亡くなる方もあります。
こういう方はだんだん死の世界に近づいてポッといきましたら、
これはもうあちらの世界にサッと行かれるのですね。
~ 感謝・合掌 ~