サトウさんが歩き出して「コーヒーでよかったの?」とアキエさんに聞かれたら、ジュースがよかったような気がした。「あの人は何でも自分で決めちゃうから」。でも決めてくれるから楽な気もする。
自販機の前に立ったサトウさんにアキエさんは「私はミルクティーがいいわ」と言った。「僕はオレンジジュースにしてください」と僕も言った。サトウさんが意外そうな顔をしたのがわかる。
だけど、「ごめん、先にコーヒー2つ買っちゃったんだ」とサトウさんにコーヒーを渡されても、僕はジュースがいいと言えたことにも、コーヒーでもいいと思えたことにも満足だった。
アキエさんは「ありがとう」とミルクティーを受け取っておいしそうに飲んだ。アキエさんの隣りにサトウさん、その隣りに僕が座って中庭を眺めた。
「だいぶ花芽が出てきたな」とサトウさんがポツリと言った。「もうじき春ですもんね」とアキエさんが言ったけど、僕には春の気配はわからない。2人には同じ時間が流れている感じだ。
自販機の前に立ったサトウさんにアキエさんは「私はミルクティーがいいわ」と言った。「僕はオレンジジュースにしてください」と僕も言った。サトウさんが意外そうな顔をしたのがわかる。
だけど、「ごめん、先にコーヒー2つ買っちゃったんだ」とサトウさんにコーヒーを渡されても、僕はジュースがいいと言えたことにも、コーヒーでもいいと思えたことにも満足だった。
アキエさんは「ありがとう」とミルクティーを受け取っておいしそうに飲んだ。アキエさんの隣りにサトウさん、その隣りに僕が座って中庭を眺めた。
「だいぶ花芽が出てきたな」とサトウさんがポツリと言った。「もうじき春ですもんね」とアキエさんが言ったけど、僕には春の気配はわからない。2人には同じ時間が流れている感じだ。