「オレは食堂でメシを食ってくるから、あずさちゃんとお茶でも飲んでこいよ」と、同級生みたいにサトウさんが言った。昔もこんなことがあった気がする。「スズキさんは仕事中だから」と僕がしりごみしたのも卒業式のときのままだ。あのときは在校生は片付けがあるからと言ったはずだ。
「あずさちゃん、タカハシ君がもっと話したいみたいだよ」とサトウさんはスズキさんの後ろ姿に声をかけた。スズキさんは半分くらい振り返って「2時から30分休憩です」と言った。「バス停のそばに喫茶店があります」
2時まで1時間近くある。サトウさんはゆっくり食事をするタイプではない。それに会ったからって話すことはない、と僕は思った。
「2時に喫茶店な」とサトウさんが言って僕をこづいた。無言だけど口が「やったな」と動いた。こんなところまであのときの再放送みたいだ。
サトウさんは先に喫茶店に行ってお茶を飲むことにした。コーヒーは飲んだばかりだから、タバコを吸いたいにちがいない。病院の食堂に寄ってオバサンにカツ丼を残しておいてくれるように頼んでから行くから、オレンジジュースでも飲んでいてくれ、と言われた。
サトウさんは鼻歌を歌う勢いで、食堂がある地下に向かった。
「あずさちゃん、タカハシ君がもっと話したいみたいだよ」とサトウさんはスズキさんの後ろ姿に声をかけた。スズキさんは半分くらい振り返って「2時から30分休憩です」と言った。「バス停のそばに喫茶店があります」
2時まで1時間近くある。サトウさんはゆっくり食事をするタイプではない。それに会ったからって話すことはない、と僕は思った。
「2時に喫茶店な」とサトウさんが言って僕をこづいた。無言だけど口が「やったな」と動いた。こんなところまであのときの再放送みたいだ。
サトウさんは先に喫茶店に行ってお茶を飲むことにした。コーヒーは飲んだばかりだから、タバコを吸いたいにちがいない。病院の食堂に寄ってオバサンにカツ丼を残しておいてくれるように頼んでから行くから、オレンジジュースでも飲んでいてくれ、と言われた。
サトウさんは鼻歌を歌う勢いで、食堂がある地下に向かった。
●この場面でのサトウさんが素晴らしい脇役で、主人公を喰ってしまいました。映画「武士の一分」の徳べえみたいです。サトウさんを配役するなら、温水さんかなあ。いかが?
中西さんにもいろいろお世話になってます。コメントありがとうございます。