邪気が漂っている廃車置場で、村崎はバイクを止めた。「この奥から藍原の悲鳴が聞こえてこないか?声にはならないけど、かなり悲痛な叫びだ。でも、藍原は強いよ。心で叫びながら、俺達への信頼を捨ててはいない」
「俺は村崎さんみたいに敏感じゃないけど、藍原さんはここにいる気がする。あの野郎も一緒にいるんですかね?」
赤沢はスクラップにされた車と、使えそうな部品を外された車の奥にある、まだ車の形をした廃車の辺りを見つめた。
「軽ワゴン車があるだろ?あれ、荷物が乗ってないか?」
赤沢は指差された白い軽ワゴンを見た。「ナンバーも付いてるみたいですね」
「俺、あいつがいるか見て来る。赤沢は俺が電話したら、黒木さんに連絡して、好みの重機を回してもらって」と言いながら、村崎はワゴン車に向かって走り出した。村崎は体が大きいのに、足音を立てない。まるで猫科の猛獣のようだと赤沢は思った。
村崎が停まった。ワゴン車を遠巻きに覗く。
携帯のバイブが鳴った。「重機を呼んで。俺は藍原を探す」
赤沢は黒木に電話を掛けた。「見つけました。あの男は1人です。パワーショベルを回してくれますか?」
電話を切った黒木は「パワーショベルか。赤沢の腕の見せ所だな」と呟き、LOEから紹介された工事現場に電話をした。
「俺は村崎さんみたいに敏感じゃないけど、藍原さんはここにいる気がする。あの野郎も一緒にいるんですかね?」
赤沢はスクラップにされた車と、使えそうな部品を外された車の奥にある、まだ車の形をした廃車の辺りを見つめた。
「軽ワゴン車があるだろ?あれ、荷物が乗ってないか?」
赤沢は指差された白い軽ワゴンを見た。「ナンバーも付いてるみたいですね」
「俺、あいつがいるか見て来る。赤沢は俺が電話したら、黒木さんに連絡して、好みの重機を回してもらって」と言いながら、村崎はワゴン車に向かって走り出した。村崎は体が大きいのに、足音を立てない。まるで猫科の猛獣のようだと赤沢は思った。
村崎が停まった。ワゴン車を遠巻きに覗く。
携帯のバイブが鳴った。「重機を呼んで。俺は藍原を探す」
赤沢は黒木に電話を掛けた。「見つけました。あの男は1人です。パワーショベルを回してくれますか?」
電話を切った黒木は「パワーショベルか。赤沢の腕の見せ所だな」と呟き、LOEから紹介された工事現場に電話をした。