おばさんが駐輪場で待っていると、ジャケットとヘルメットを2つずつ持って黄が出てきた。
「ワタシ、車も運転できるのに。バイクって思ったより寒いヨ。村崎さんのを勝手に借りてきたネ」
おばさんはニコニコしてジャケットを羽織ってヘルメットを被った。村崎の大きいジャケットは、長さ以外おばさんにちょうどよかった。
「娘時代は不良扱いされるからできなかったけど、一度でいいからバイクの後ろに乗ってみたかったんだよ」
おばさんがジャケットのファスナーを閉めた。「用意はいいよ。汗をかいちゃうから、さっさと走り出して」
細い黄の後におばさんが乗り込んだ。
「行くヨ。しっかりつかまって」
黄がスロットルを絞る。腕と足に感じる車体の重みに、おばさんは緑川と同じぐらいの体重と黄は判断した。バイクを操れない重さではない。
おばさんは風に髪をなびかせて、「すごいねえ。男の子達が夢中になってたのが分かる気がするよ」と声を上げた。
「せっかくだけどマンカイならすぐネ。食事はどうするの?」
黄が怒鳴り返す。
「そんなのはパチンコをやってみないと分からないよ。高級料理になるか、ハンバーガーになるか。
おばちゃんみたいないい女を乗せられるんだから、文句を言わないの」
男らしさも誰の目からどう見えるかなんて関係ないんだ。ほんの5分のツーリングで喜んでくれるおばさんの体を背中に感じて、黄は思った。
「ワタシ、車も運転できるのに。バイクって思ったより寒いヨ。村崎さんのを勝手に借りてきたネ」
おばさんはニコニコしてジャケットを羽織ってヘルメットを被った。村崎の大きいジャケットは、長さ以外おばさんにちょうどよかった。
「娘時代は不良扱いされるからできなかったけど、一度でいいからバイクの後ろに乗ってみたかったんだよ」
おばさんがジャケットのファスナーを閉めた。「用意はいいよ。汗をかいちゃうから、さっさと走り出して」
細い黄の後におばさんが乗り込んだ。
「行くヨ。しっかりつかまって」
黄がスロットルを絞る。腕と足に感じる車体の重みに、おばさんは緑川と同じぐらいの体重と黄は判断した。バイクを操れない重さではない。
おばさんは風に髪をなびかせて、「すごいねえ。男の子達が夢中になってたのが分かる気がするよ」と声を上げた。
「せっかくだけどマンカイならすぐネ。食事はどうするの?」
黄が怒鳴り返す。
「そんなのはパチンコをやってみないと分からないよ。高級料理になるか、ハンバーガーになるか。
おばちゃんみたいないい女を乗せられるんだから、文句を言わないの」
男らしさも誰の目からどう見えるかなんて関係ないんだ。ほんの5分のツーリングで喜んでくれるおばさんの体を背中に感じて、黄は思った。