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On The Road

小説『On The Road』と、作者と、読者のページです。はじめての方は、「小説の先頭へGO!」からどうぞ。

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2009-12-06 20:49:33 | OnTheRoad第1章
夜中なのにすぐ電話に出た女性は30分で迎えに行くと言い、ホントに28分で来た。
車から降りた女性は27、8歳くらい。美人ではないけど、温かい感じのする人だった。右手にさげてきたコートをおばあさんの肩に掛けて、食パンを1斤買って、僕に何度もお礼を言った。彼女も缶コーヒーを買ってくれそうになったので、僕は断った。
2人が帰った後、僕ははじめて詩を書いた。

世の中は勝ち組のためにある
二流大学出の僕は深夜のコンビニで
レジを打ったり掃除したり
優しそうなあの人も美人じゃないから
深夜のコンビニまで婆さんのお迎え

負け組が集まったコンビニの窓に
そろそろ暗い朝がくるよ

授業で書かされて以来の詩だったけど、僕はノートのページを破ってクシャクシャに丸めた。
次の日、僕はコンビニを辞めた。


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