カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

コンポートのすすめ

2011年09月04日 | Ceramics

足の付いた器を総称してコンポートと呼びます。

人数分揃えるタイプの食器よりも、デザインに遊びを加えることが出来るので、

私はとても楽しんで作らせていただく器の一つです。

キッチンの出窓には、このように色々なコンポートが並んでいて、

食べごろを待つフルーツが乗せられていたりします。

 

このコンポート。実は敷居の高い器だと仰る方も少なくない様です。

理由は、普通の器よりも出番が少なそう。どう使って良いか判らない。等々・・・

とても残念です。コンポートはとても便利で楽しい器なのですよ。

 

もしも一つだけコンポートをお求めになるのでしたら、

私は上の写真の様なボウルに足の付いたものではなく、

お皿に足が付いた小振りなものをお勧め致します。

例えばこのようなデザイン。

片手で持てる大きさで、とても軽く仕上げてあります。

そしてコンポートを使いこなすコツは、普段からこのように目に触れるところに出しておくことです。

何も乗せていなくても楽しめるように、木版画の様な削りを入れました。

私は前菜としてブドウとチーズをワインと供に出すことが多いのですが、

たった一房のブドウでも、足付きのお皿に乗せることで特別感を出すことが出来ます。

写真の手前左側にチーズが盛られる予定なのですが、

バーテンダーがお使いに行ったきり、戻って参りませんので未完成の写真となりました。

チーズを買うのに何時間掛かっているのでしょうか?

足の部分は、ロクロではなく「ひも作り」と呼ばれる手作り感溢れる作り方で仕上げました。

グルグルと縄を巻き上げた様なデザインの所々に隙間を空けてあるのですが、これは水抜きです。

コンポートの足は、通常コップを伏せた様な形になっていますが、洗う時に水が溜まります。

これを逆さにして水切りする際に、手が滑ったりして事故が起きますので、

出来るだけ扱い易いものをと考えて作りました。

こんな風に遊び心を持ってデザイン出来るのも、装飾の要素の高いコンポートならではです。

また別の日には、タイ料理でお客様をお招きしましたので、

東南アジアの大好きな果物、マンゴスチンを乗せました。

まるで木で出来た様な素朴で愛らしい姿は、テーブルのセンターピースとしてぴったりです。

お食事中は、このアートな姿を存分に堪能し、頃合いを見計らって食べ易く剥いてお出しします。

剥いた姿も、お花が咲いたみたいに可愛らしいですね~

本当に私は大好きです。マンゴスチン。

 

コンポートに乗せるものを悩む必要等有りません。

フルーツでも、おせんべいでも、野菜スティックでも、さきイカだって。

なんでもない素朴なものを、少しだけ特別に見せてくれるのがコンポートなのです。

食べ物だけでなく、ドレッサーに置いて日常使いのジュエリーや時計を並べておいたり、

色や香りや形の違うキャンドルをコーディネートしてキャンドルホルダーにしたり、

小さなオアシスをセットして、お料理を盛りつけるようにお花をアレンジしたり。。。

 

お気に入りのコンポートを見つけたら、どうか仲良くなってあげて下さい。

仕舞い込まずに、休む間もなく色々な出番を作ってあげて下さいね。

コンポートは暮らしを楽しく豊かにしてくれる器です。

 

あらら・・・・どうしましたか?

誰か来ましたよ~ ガレージが開きました。

 

どうやらバーテンダーが戻って来た様です。

冷えた白ワインを空けてディナーをスタート致しましょう。

 

では





最新の画像もっと見る