もんく [とある南端港街の住人になった人]

映画「CINDERELLA MAN」 -ミルクのために

今朝のNHKニュースを見ていたら高校が子供手当てによって実質無料化されるようだ。しかし既に低所得のために授業料が無料となっている人は10%いて(そんなにいると言うのも驚きだけれど)、逆にその人たちには手当ての恩恵は無いとの事。ニュースで伝えるニュアンスではそちらの方が問題視されていて、子供が進学を希望しているのにこれでは困ると言ったようなインタビューも流されていた。

そう言うのを見ると、これまた逆に子供手当ては本当に効果を発揮するものかと変に思ってしまう。家庭の支出が減る分が消費に回るから経済にとってどうこうと言うのではなくて、自分のところに利益を引っ張ってこようと言うような発想しか無いところに有利な条件を与えても税金や資源をどんどん食いつぶしてしまうだけで全体には何も分け与えることが無いのではないかと、漠然と心配になるからだ。

何のための教育かと問われて多くの人は自分の将来のためだと答えると思う。そしてより良い収入のためだと答えるだろう。多く人のキャリア志向はだいたいそこまでで、大きなパイを切り取る方法論だ。

夏頃のマレーシアの英字新聞に、ある大学長が「大きなパイを切り取るために勉強せよ」と大見出しで書いていたけれど、その結果奨学金をもらって学位を取った学生はより多くの収入を得るために海外に出てしまう問題も引き起こしている。日本だったらそうはしないだろうけれども、天下りだったり賄賂だったりでやはり似たようなものだろう。

要するに自分の分け前のために勉強すると思っている学生に有利な教育環境やお金を注ぎ込んでも社会全体としては何もならないだろうと思う。教育がパーソナルな云わば飯の種にされているだけで、本当の意味で社会のシステムの一部とはならないのだろうなあと思えてしまうのだ。大きな家に住んでも、大きな車を持っても、銀行に預金がたんまり有っても、決してヒーローにはならないのだろうと思うのだ。

この映画の主人公ブラドックはお金のためではヒーローにならなかったけれども、子供のミルクのために、そして多くの人の期待に応えるために全盛期を過ぎてヒーローになることができた。大きなパイを切り取る事ができる人はそれを多くの人に分け与える方法を先に学ぶべきなのかと思う。



英語の勉強には向きません。
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