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もんく [とある南端港街の住人になった人]

「本当の定規」の本当って何だ?

こう言うものがある。

定規で測った長さは本当に正しい? コクヨ「本当の定規」は理屈好きなら“買い”な秀作だった!

「この理屈はすばらしい」なんて書いてある。それで納得してすばらしいなんて思ってしまう人はきっと多いと思う。

いや、全然すばらしくない。はっきり言って、こんなの作るヤツはアホだと言いたい。黒と白の境界線、太さの無い線で示される位置が本当の長さを示す位置だと? いい加減にして欲しい。これを考えて人は数学と工学を混同している。


では例として100mmと言う長さを示すポイントはどこか?と言う問いがあるとする。普通の、100mmのところに黒い線が描いてある定規で測ると100mmのところにある黒い線のあたりが100mmだと考えられる。黒い線は太さがあって特定の1点がわからない。何と無く不正確な気がする。

このコクヨの本当の定規で測るとバッチリある1点が示される。気持ち的には満足だろう。が、普通の定規と本当の定規、どちらが正確に100mmの位置を示しているかと言うと、これは大方の予想を裏切って普通の定規の方だ。


これが頭の中での理想的空間での事でれば本当の定規が正確と言っても良いが、実際の物理的な空間の中で自分で手に持って測るとすると、普通の定規の方がよほど正確なのだ。

実際に100mmを測る時、100mmの位置は定規の示す100mmを中心にその両端の99mmと101mmの間のどこかなのだ。確からしさは100mmを中心に片側へ寄るほど低くなってくる。つまりメモリ線の中心"あたり"が一番100mmに近くて離れるとだんだん100mmじゃないかもしれない位置と言う事になる。

100mmは実際のこの空間では1点じゃなくて、あの"あたり"でしか無いのだ。

と言う事は、本当の定規で100mmとなっている1点を指し示すと不正確なポイントをここだと断定してしまう事になる。ほんのちょっとズレたポイントはもう100mmとは言えなくなってしまうし、100mmの点を境に短い側と長い側を区別してしまう。それこそ本当はその両端はどっちも100mmと言えるはずの場所なのにである。


ちょっとわかりにくいだろうか?

高校生位だと化学か物理で実験をしてグラフを描くと思う。グラフを描く前に実験をして値をノートに記入する。その値を元にX軸Y軸の描いてあるグラフにプロットする。プロットする時にどんな印をつけるかと言うと、少し大きめの丸とか四角とか。値は1点なのに点はちょっと大きめに描く。本当の定規の考え方からすると示すポイントが大きすぎて正確ではないと思うだろう。けれど、グラフの点は点ではいけなくて大きめの丸が正解だ。

これは測定自体に誤差を含むと認めるからで、逆に言うと誤差の無い測定は不可能だし、もしそんな測定をしたと主張するのであればその測定自体が信用できないと考えざるを得ない。無理な事は無理と言うべきなのだ。

定規の目盛もそれと同じ事だ。



もし自分で定規を作るとしたらどうだろう? 100mmのポイントと99mmのポイントと98mm......32mm、31mm....8mm、7mmmそれらすべてのポイントを正しくその位置だと自信持って言える定規が作れるだろうか? これはもう考えただけで無理だ。まずもって定規と言う物理的な「物」を何かで作るとして熱による(周囲の温度とか人が触れた場合)伸縮をどうするか? 機械加工で作るとしてその加工機械の工作精度はどの程度か? どう考えても無理だろう。

と考えると、"本当の"っていったい何だ?と言うことになる。


と、まあ、こんな物に1000円も出す位なら中国製の100円位で手に入る定規を買っても普通はあまり問題ない。なぜならほとんどの場合定規で長さを計るってのはその程度の確度で測れさへすれば良いからそれを使うってのが大前提なのだから。それ以上を望むなら最初から定規なんで使わないでもっと良い測定機で測る。
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