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もんく [とある南端港街の住人になった人]

台湾点描 その1

仕事以外で台湾に行くのは初めてでした。

通算して4年半も台湾にいたのだけれど、普通に観光するような時間感覚の中で台湾を見るのはなかなか新鮮でしたよ。今回から少しその旅行記をまとめてみます。


第一弾は最近ニュースでよく出てくる「台湾新幹線」です。

トラブル続きで何時開業するのか全くわからなかった台湾新幹線もやっとこの年始に開業に漕ぎ着けました。今回の旅での最初の目標はこの台湾新幹線に乗る事でした。何と言っても日本以外で初めて走る新幹線ですからねえ。

そうそう名前は新幹線ではなく高鐵(台灣高速鐵路の略称で「かおてぃ」のように発音)と言います。


1月26日。
台北の空港に降り立つとすぐそこに新幹線があるわけでは無いのでどこにあるか探さなければなりません。幸いにも空港から一番近い高鐵桃園駅までバスがありました。のでそこへ向かいます。20分もかからず到着しますが、この駅は在来線の桃園駅とは遠く、新たに開発された土地にあります。

駅の周りは商業地として開発する予定になっていて広大な空き地の中央にあって、こんな所に駅を作ってどうするつもり?と言いたくなるようです。まるで以前の新横浜のようです。駅だけは超モダンでカッコイイのですが、これが完全に車社会へ向かっている台湾の方向を変えるものになって欲しいとちょっと思いました。


駅に入ると自動券売機もあるのですが、これは在来線のそれと同じで何故かほとんど今日分のチケットが買えません。それで今日分のチケット販売窓口へ。しかしその前面に今週の空席情報が黒く色塗りされている張り紙が。

それによると今週分はほとんど真っ黒。つまり空席無し。一応係の人に聞くとやはり満席。では何のために係員はそこにいるのだ? 


まあ、そんな事もあるさと簡単にあきらめて他の場所へ移動して旅のプランを練り直そう(もともとプランなど無いが)。何故なら今月1月は開業記念で運賃半額なのだから仕方ない。話題性だけで乗ってみようと思うのが人情だ。

と、その時後ろから声をかけてくる男一人。何と明日のチケットをキャンセルに来た人で、こちらが残念がっているのを見て自分のを譲ってくれるとの事。ダフ屋かとも思ったけれど、そうじゃなかった。ちゃんと額面(半額)で良いと言う。


これにはびっくり、何て運が良い!
台湾の本当の魅力は小籠包や数ある古跡などでなく、やはり「人」だと再認識。世界で一番フレンドリーと言われる台湾人に改めて感謝感謝。


そうして入手したオレンジのチケットで乗った台湾新幹線の印象は......
やっぱり普通の新幹線でした。手すりが竹で出来ていないし、荷物置きに中華風デコレーションが無い、車掌さんもカンフースーツでなく、車内販売も普通のお菓子で點心(DimSum)や臭豆腐はない。何でFujiyaペコちゃん売ってるんだ! 車内は成田エクスプレスみたいな荷物置き場がある以外は日本の新幹線とちっとも違わないのでちょっと拍子抜け。期待しすぎたか。


後から聞いた情報によれば、台湾人にはこれが新鮮と言うか、やはりちょっと怖いと言う印象があるらしく、何と乗る人は保険に入るらしい。一人100元で死亡補償は1000万元が相場との事。100元の掛け金はちょっと安すぎるような気もするが、保険会社は事故が無いだろうと踏んでいるのだろうか。

あれだけトラブル続きで開業したのだから保険かけたくなる気持ちもわかる。そうそう、新幹線を当初運転するのは何故かフランス人だと聞いたけれど、これは確認できなかった。

それにしても新幹線は速い。以前空港から仕事場のある新竹(しんちゅう)まで高速道路を車で、それもかなりのスピードで走っても随分かかるなあと思っていたけれど、これに乗ると、あれ?こんな近かったっけ?と思ったほど。

そうだよなあ、だから日本でも地方の議員さんがオラが村に新幹線止めてなどと陳情に来ていたのだから。でも新幹線が止まると東京から人が来るんじゃなくて若者が皆東京に出ていってしまい、逆にゴーストタウンを作っちゃう事になっていたような気がする。台湾ではどうなるんだろうなあ。



2/7 ちょっとだけ改変しました。
2/7 再度訂正。半額は2月でなく1月中でした。
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