牛タンの街に薄日? 米国産牛肉輸入再開へ 仙台
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「仙台牛タンの灯が消えずに済みそうだ」。仙台市の老舗「旨味太助」の佐野八勇店主は5日、「輸入再開へ」のニュースに声を弾ませた。
米国産牛の輸入停止以来、代替のオーストラリア産が高騰し、仕入れ価格は停止前の5倍から10倍に跳ね上がった。仙台市内の牛タン店は6割近くが休廃業し、残った店もラム肉焼きやウナギ焼きなど苦肉の策でしのいでいる。
仙台牛たん振興会の大川原潔会長も「年内を乗り切れば何とかなりそう。そのめどが立った。早くお客さんを喜ばせたい」とホッとした様子だ。
再開しても、米国産牛タンの輸入量は停止前の5%にとどまる見込みだが、多くの専門店は「ゼロよりはいい」と受け止める。伊達の牛たん本舗(仙台市)の吉野工常務は「少しでも輸入再開となれば市場に在庫が放出され、仕入れ価格も下がるはず」と期待する。
牛肉の高騰に泣いてきた焼き肉店も、喜ぶ。5店舗を展開する「東山」(仙台市)の千田耕作常務は「原材料コストの上昇を価格に転嫁しないできた。ただ、仕入れ値が元に戻るのはずっと後だろう。方向性を示すのが遅すぎた」と言う。
一方で、米国産牛の安全性の確保が、米国の対策を前提にしていることもあり、消費者団体などからは不安と反発の声が上がる。仙台市消費者協会の小林達子会長は「あまりに急だ」と、調査会の判断を批判。「米国のBSE対策に不安がある。視点が食の安全でなく、米国寄りになっている」と疑問を投げかける。
こうした消費者の声に、焼き肉店「やき組」「あちち」を展開する京王ズ(仙台市)は、「顧客が米国牛にどう反応するか見極め、対応を決めたい」と慎重な姿勢だ。 2005年10月05日水曜日
05.10.06
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