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ふうたんがいて、ノワちゃんがいて

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冬の鷹(吉村昭) その1

2011-08-22 | 

Yさん、この間話したように、今日から本の内容を少しづつお伝えします。

これは、江戸時代、オランダ語の医学書『ターヘル・アナトミア』を翻訳して『解体新書』を成した前野良澤について書かれた本です。 

 

 良澤が生まれたのは、享保8年。7歳の時、福岡藩の江戸詰藩士だった父が亡くなり、母が良澤を残して他家へ嫁いでしまった。

天涯孤独の彼を引き取ったのは、母方の伯父であった。良澤は、将来伯父のような医家になりたいと思い、熱心に学び、

それが認められて、豊前国中津藩の藩医、前野家に養子として迎えられた。

 今、良澤は50歳に近い年齢となり、 美しい妻と3人の子に恵まれて、藩医として主君に仕え、これ以上何も望むものはないはずで

あったが、オランダ語を習得したいという熱い思いに駆られた。思いきって、藩主に願い出ると、洋学に興味を持つ藩主は、

オランダ語習得が西洋医術の研究につながるとして、長崎遊学を許可してくれたのであった。

 勇んで出かけた長崎であったが、100日という短い期間では、どれほどのオランダ語を学ぶこともできず途方に暮れた。

しかし、「長崎では、オランダ語に驚くだけで十分。勉学は江戸に戻ってからするべき」とオランダ通詞に励まされ、良澤は仏蘭辞書と

『ターヘル・アナトミア』という解剖書を手に入れて、江戸に戻った。

・・・・今日はここまでです。

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