愛媛大の女性部員、1回戦で涙「本気の野球はこれで終わり」
デイリースポーツ 6月9日(火)12時37分配信
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愛媛大・市川沙来外野手=東京ドーム(撮影・佐々木彰尚)
「全日本大学野球選手権・1回戦、京都学園大6-3愛媛大」(9日、東京ド)
愛媛大が京都学園大に3-6で敗れた。同大の野球部員でこの日はボールボーイなど補助員を務めた市川沙来外野手(4年・岡山一宮高)は「雰囲気はとても良かったです。一番、いい野球ができた」と達成感をにじませた。
小学3年から兄の影響を受けて、地元の少年野球チームで野球を始めた。中学時代はバスケ部に所属したが、野球への思いを断ち切れなかった。高校入学時には「甘くないぞ!!」と兄や両親に反対されながらも野球部に入部。1年夏までマネジャーを務め、新チームから選手として練習に励んだ。
現在は女子野球という道があるものの「女子のクラブチームも考えたんですが、練習は週一回。移動とかも大変です。自分は毎日でも野球がやりたかった。大学には毎日やれる環境が整っている」と、愛媛大進学と同時に野球部の門をたたいた。
紅一点の存在ながら「いい仲間に出会えました。いい意味でも悪い意味でも普通に接してくれた」と市川。7年ぶりの出場となる大学選手権で当初はベンチ入りメンバーに入っていたが、直前の登録変更で外れた。リーグ戦の出場経験はないが、今年春に行われた松山大との練習試合では左翼を守った。
就職活動などのため、今大会を最後に野球部を引退することを決めていた市川。「ギリギリのフライを捕れたときの喜びとか、バットのシンに当たった打球を打てたときの快感とか。でも本気でやる野球はこれで終わり」とすがすがしい表情を浮かべた。
野球の夢は将来、家庭を持った際に子供へと受け継がれる。「子供にも野球?やらせたいです!」と目を輝かせた。
愛媛大の女子選手 最初で最後の全国舞台…補助員で試合見守る
スポニチアネックス 6月9日(火)12時36分配信
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<京都学園大・愛媛大>7回、青木球審(右)に球を届ける愛媛大ボールボーイを務める市川沙来外野手
◇全日本大学野球選手権1回戦 愛媛大3─6京都学園大(2015年6月9日 東京ドーム)
愛媛大の女子選手・市川沙来外野手(4年)が補助員として全国の舞台に立った。過去をさかのぼっても、全日本大学選手権で女子選手が登場するのは異例のケース。ボールボーイならぬボールガールとして、ベンチ横で試合の行方を見守った。
チームは逆転負けを喫して初戦敗退となったが「先制点が取れたし、勝てるかなと思ったけど…でも愛大らしい野球ができたと思う」。
岡山県生まれで小3から学童野球を始め、中学時代はバスケ部に所属。それでも「どうしても野球がやりたい」と岡山一宮で硬式野球部に入部し、男子選手と一緒に汗を流した。愛媛大進学時、県内の女子クラブチームも選択肢にあったが「毎日練習したい」と大学野球部に入部。リーグ戦はベンチ入りしたものの出場はなく、今春で引退。今大会が最後の試合となった。
現在、就職活動中で卒業と同時に競技からも引退するという。「仲間に恵まれた。分け隔てなく接してくれました。やっぱりユニホームを着て公式戦に出たかったけど、リーグ戦のベンチに入れただけでも奇跡です」と振り返った。
大島知樹監督は「努力家だし、練習も男子と同じメニューをこなしていたけど弱音を吐かなかった。引退してしまうのは残念だけど本当によく4年間頑張ってくれた」と引退を惜しみながら、これまでの歩みをたたえた。
【全日本大学選手権】愛媛大女子部員・市川沙来、異例ベンチ入り 逆転負けで野球引退
スポーツ報知 6月9日(火)13時37分配信
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補助員としてベンチ入りした愛媛大・市川沙来(左)
◆報知新聞社後援 第64回全日本大学野球選手権第2日 ▽1回戦 京都学園大6―3愛媛大(9日・東京ドーム)
勝利の女神の願いは、惜しくもかなわなかった。愛媛大の市川沙来(さら)外野手(4年)=岡山一宮=は、補助員として女子では異例のベンチ入り。ナインを盛り上げ、初回に1点先行したが、逆転負けを喫した。卒業後は野球を辞めて一般就職するため、この日の終戦で引退。「ドームの雰囲気もよくて、一番いい野球ができた」とすがすがしい表情だった。
小学3年時に2歳上の兄の影響で、地元・岡山市内の軟式チーム「桃丘サンダース」で野球を始めた。中学ではバスケットボール部に所属したが、高校で硬式野球部に。初めはマネジャーだったが、2年夏から部員として汗を流した。
大学では公式戦の出場はなし。それでも、160センチ、55キロの小柄な体格で奮闘。「練習でギリギリでフライを捕れたり、バットの芯でいい打球が飛んだりしたときは、快感です」。オープン戦では、左翼の守備に就き、鋭い当たりの二ゴロを放つこともあった。今春リーグ戦ではメンバー入りしたが、最近は就職活動のため、練習に参加できず。今大会直前の登録変更で外れたが、ボールボーイとしてベンチ入り。「愛大らしい野球ができてよかった」と前を向いた。
大島知樹監督(29)は「スイングも入学時と比べたら、かなり鋭くなった。冬の練習では走るメニューが多くなり、どうしても男子とは差が出るけど、決して弱音を吐かずに食らいついていた。女子部員はウチでは初めて。更衣室がなくてトイレで着替えたり、彼女なりに苦労はしたと思う」とねぎらった。
市川の趣味はお菓子作りで、昨年のバレンタインには同級生の部員に、徹夜で手作りしたチーズケーキ、生チョコを振る舞った。「体力がついていかないときも、声をかけてもらった。いい仲間に会えました」と周囲の支えに感謝。「本格的な野球の夢は終わり。これからは楽しむ野球ができたら」。背中に「SARA」と入ったユニホームに、笑顔で別れを告げた。