チビのおしゃべり日記

お星さまになったチビへ
どんぐり母ちゃんが語りかけます。
ねえ、チビ・・・聞こえる?

手術当日。愛らしいカバーと共に・・・。

2017年05月13日 | 日記
手術を翌日に控え、主治医が数名の医師とスタッフを伴って病室へ入って来ました。
ここに居る全員が明日の手術に立ち会うようです。

『どんぐりさん、気分はどうですか?
今夜はシッカリ睡眠をとって下さいね。明日は一緒に頑張りましょう!』

そして翌日の手術開始時間が、午後1時から午前9時に変更になったことを告げると
緊張してる私を気遣うように、軽く肩を叩き静かに病室を出ていきました。
     *********************
手術前日の夕食は、魚の照り焼きと柔らかく煮込んだ野菜の煮物です。
デザートには、消化の良いプリンが添えられてました。

術後は、しばらく食事が出来ないと聞いてましたので、
前日からの食事も含め、その夜も残さずシッカリ完食。

その後、夜の8時以降は食べ物は勿論、水一滴も口に入れる事は一切出来ません。

全身麻酔の場合、胃腸の動きも止まってしまう為、
胃の中を空っぽにする必要が有るからです。
     **************************
そして手術当日の朝を迎えました。
どんぐり父ちゃんは、手術の2時間前には病室に入ってきてました。
緊張してるからでしょう。夕べは眠れなかった様子で硬い表情をしています。

手術一時間前になると準備の為、処置室へ連れて行かれました。
そこで手術着に着替え、医療用の弾性ストッキングを履かされました。
両親指の先だけすっぽりと空いてます。
術後の血栓を防ぐ事と、指の動きや皮膚色を確認するためのようです。

一人の看護師さんが何枚かの布を私の目の前へ持ってきました。
『どんぐりさん、可愛いでしょう。気に入った方を選んでください』
目の前に差し出されたのは、可愛い動物の写真がプリントされたカバーでした。

『可愛い~♪ ゴマちゃんにします!』
生まれたばかりの真っ白なゴマフアザラシの写真がプリントされてました。

最初は枕カバーかと思ってましたが直ぐに違う事に気づきました。

術後は、何日か集中治療室へ入れられ絶対安静を強いられます。
歩く事は勿論、起き上がる事も出来ません。

尿はビニールのオシッコ袋に貯めます。
その為、手術室へ行く前に尿道に管を通しオシッコ袋を装着されました。

そうです!愛らしいゴマちゃんのプリントは、オシッコ袋のカバーだったのです。

ゴマちゃんの可愛いプリント生地なら、他に色々喜ばれる用途があったでしょう。
例えば、幼稚園児の手提げ袋にしたり、小学生の上履き入れ・・・等々。
『ゴマちゃ~ん』っと言って小さな子供は大喜びするはずです。

まさかゴマちゃんだってオシッコ袋のカバーにされるとは思っても見なかったでしょう。
心なしかゴマちゃんの顔が悲しそうなに見えてきました。

そして準備が終わり病室に戻ると、どんぐり父ちゃんと数名の看護師が
車椅子を用意して待っていました。

これから、いよいよ手術室へ向かいます。

どんぐり母ちゃんの膝の上には、可愛いゴマちゃんのお洋服を身にまとった
オシッコ袋が満足そうに鎮座しています。

手術室へ向かう間は膝掛けで覆われていますが、万が一ずれてしまった場合、
他の人にオシッコ袋が見えないようにする為のカバーだったのです。

どんぐり父ちゃんには、手術室へ向かうエレベーターの中で
少しだけゴマちゃんカバーを見せてあげました。

『おお~可愛いね。手術の後に使う枕か?』

どんぐり母ちゃんは、ゴマちゃんカバーを優しく撫でてあげました。

そして、エレベーターは『中央放射線治療室』のある階で止まりました。

最新の画像もっと見る