洋服を縫わない縫製工房

ミシンを使って、洋服以外で、できることは何でも挑戦!
薄物から、厚物、金属?関わったものを紹介します。

ランチア フルヴィアの張替え

2024年05月05日 | ものづくり

漫画、サーキットの狼を読んでいた人にとってはランチアと言えば

ストラトスを思い浮かぶ人が多いかと思います。

今回の張替えは、ストラトス以前、1970年以前のフルヴィアクーペ

のシートです。ヘッドレストが無いだけでなく、ボリューム感のある

変わった作りのシートです。 

特に、背の方はメインとコーナーに隙間があり、抜けています

まとめはタッカー&糊付けです。

写真では判り難いのですが、パイピングはミシンで芯をテープで仮縫いして

止めるのでなく、ホッチキスで仮止めしてありました。

今回は、合皮レザーのシートですが、本革の半裁を持ち込みでの依頼です。

パイピングと用尺の関係で、持ち込みの革に合う合皮はこちらで用意しました。

もちろん私はパイピングテープはミシンで仮縫いします

スソ部分のまとめも今どきの樹脂ハンガーでまとめました。

座の方はパンフレームですが、今どきのパンフレームと

ちょっと違う・・・・

どこが違うかと言うと、モールドウレタンが違うようです。

今の時代は、カバーの引き込み用の鋼線をウレタン発泡時に内包して

あるのですが、これはパンフレームにカバー引き込みワイヤーを

引っ掛ける爪パーツをスポット溶接してあります。

錆びて、欠損している箇所もありましたが小さな穴を開けて

針金で引っ張ります。

メインウレタン部を張り、それからコーナー部のウレタンをセットして

コーナー&マチ部をかぶせます。

乗り降りでヘタっているコーナー部ウレタンを底増ししました

マチの張りは元の接着材から、樹脂ハンガーに変更しました。

こうする事で、張り直しが容易になり、ウレタン補修がやり直せます。

メインの縦キルトは高密度8㎜ウレタンを使用しました。

座って体が当たる部分のみ、預かった革、ぎりぎり足りました(汗)

左座席のウレタンのヘタリが大きく、右シートよりシワが・・

合皮部分もドンピシャって訳にはいきませんでしたが

特に違和感が無いようでホッとしました。

ちょっと明るくなり過ぎたようで、後部席の古さが気になるようでした(苦笑)

50年前の車輛なので、どこかで張替えを行っているようで、接着とか、タッカーとか、量産車では

考えられない張り方のシートでした。

 

しかし・・・

左右のシートで、同じフレーム部位なのに、丸パイプと角パイプと異なっている箇所がありました。

どちらかのシートを乗せ換えでもしたのかなぁ・・・・

今回も、勉強させていただきました


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