漫画、サーキットの狼を読んでいた人にとってはランチアと言えば
ストラトスを思い浮かぶ人が多いかと思います。
今回の張替えは、ストラトス以前、1970年以前のフルヴィアクーペ
のシートです。ヘッドレストが無いだけでなく、ボリューム感のある
変わった作りのシートです。
特に、背の方はメインとコーナーに隙間があり、抜けています
まとめはタッカー&糊付けです。
写真では判り難いのですが、パイピングはミシンで芯をテープで仮縫いして
止めるのでなく、ホッチキスで仮止めしてありました。
今回は、合皮レザーのシートですが、本革の半裁を持ち込みでの依頼です。
パイピングと用尺の関係で、持ち込みの革に合う合皮はこちらで用意しました。
もちろん私はパイピングテープはミシンで仮縫いします
スソ部分のまとめも今どきの樹脂ハンガーでまとめました。
座の方はパンフレームですが、今どきのパンフレームと
ちょっと違う・・・・
どこが違うかと言うと、モールドウレタンが違うようです。
今の時代は、カバーの引き込み用の鋼線をウレタン発泡時に内包して
あるのですが、これはパンフレームにカバー引き込みワイヤーを
引っ掛ける爪パーツをスポット溶接してあります。
錆びて、欠損している箇所もありましたが小さな穴を開けて
針金で引っ張ります。
メインウレタン部を張り、それからコーナー部のウレタンをセットして
コーナー&マチ部をかぶせます。
乗り降りでヘタっているコーナー部ウレタンを底増ししました
マチの張りは元の接着材から、樹脂ハンガーに変更しました。
こうする事で、張り直しが容易になり、ウレタン補修がやり直せます。
メインの縦キルトは高密度8㎜ウレタンを使用しました。
座って体が当たる部分のみ、預かった革、ぎりぎり足りました(汗)
左座席のウレタンのヘタリが大きく、右シートよりシワが・・
合皮部分もドンピシャって訳にはいきませんでしたが
特に違和感が無いようでホッとしました。
ちょっと明るくなり過ぎたようで、後部席の古さが気になるようでした(苦笑)
50年前の車輛なので、どこかで張替えを行っているようで、接着とか、タッカーとか、量産車では
考えられない張り方のシートでした。
しかし・・・
左右のシートで、同じフレーム部位なのに、丸パイプと角パイプと異なっている箇所がありました。
どちらかのシートを乗せ換えでもしたのかなぁ・・・・
今回も、勉強させていただきました
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます