洋服を縫わない縫製工房

ミシンを使って、洋服以外で、できることは何でも挑戦!
薄物から、厚物、金属?関わったものを紹介します。

「地域の産業をつないでいく活動」のお手伝い

2023年02月20日 | ものづくり

一昨年の秋に、同じような張替えを行いました。

そして昨年、富士山レーダードーム館の張替えを行いました。

今回は一昨年の様に富士吉田市立小学校の図書館の椅子を地元の生地を使っての張替えです。

このレザー張りの椅子39脚と他に、以前に張り替えたものと同じ6角形の物が2台です。

今回はたくさんあるので、3人の男性陣で手分けして取り掛かります。

簡単な作業の様で、一番大変なのはタッカー針を抜いてカバーをはがす作業が

大変です。こんな椅子でも単純に数えても1脚で200針位、打ち込んであります。

今回の椅子の背当てパーツは、背面が、このようなパイピングになっています。

一見、どのように張って?かぶせているのか? わかりません。

これは塩ビレザーの素材の特性を利用してメイン部分をタッカーで張った後

パイピング風に製作した背面を熱溶着してありました。

今回は織物なので接着はできません。

そこで、木板に薄いウレタンを貼っただけの背板に合わせた型紙を製作し、

つぶれない木板に、かぶすことの出来る開口部にファスナーを縫い付けたカバーで

対応することにしました。

木枠固定のサイドピンの所までファスナーを回り込むようにして端末を隠します。

そして組付ける際に木枠に対してスライダーが邪魔なのでスライダーは抜いてしまいます。

スライダーを抜いたファスナーの端末が踊って、はみ出ない用に4mm針タッカーで

固定します。

こういうウレタンの沈みのない小さい物は裁断、縫製の、ごまかしは出来ないし

今回の生地はコシも無く、ハサミカットだと毛羽も発生して、縫製ポイントも

正確に裁断できないし、39個に品質のバラつきがあると大変なので裁断は、すべて

レーザーカットで行いました。

上部の固定ビス穴は、最小で済むようハンダコテで、後工程で空けます。

座面に関しては見えない所とは言え、板に対して浮いているのは私の趣味で無いので

浮きの少ない張りに変更しました。

一枚布を巻いて張るのって結構、癖が出ます(苦笑)

根気のいる作業です。

ここまでくれば、楽しい組み立て作業です。

約束の先週末引き渡しまでに余裕をもって仕上げることができました

6角形のスツール・・・正直な話「変な色の組み合わせだなぁ~」って思っていました(苦笑)

引き取りの時に話を伺いました

「樹海に横たわっているコケの生えた切り株」をイメージしてあるそうです。

富士吉田市役所の方(?)がトラックで引き取りに来てくれました。

そして、窓口の同行してくれた特定非営利活動法人かえる舎の方から写真が

届きました。

ずいぶん雰囲気が変わったと思います。

実は、実物を見て「この椅子、欲しい~ 」って人、数人いました(笑)

今回の生地は、自身も同校の卒業生でもある渡邊織物さんで織ったものだそうです。

渡邊さんとは別件でもお付き合いがあり、山梨県織物整理株式会社の事もうかがいました。

整理と言えば、「必要な物と不要な物を分別して処分する事」と認識していましたが

織りあがった生地を、洗ったり、シワを取ったり、撥水加工したり、巻き直したり・・・

「整える」工程を、整理業として織物産業で欠かせない事だと教えていただきました。

これからも協力して何か作ることができたら楽しいなぁ~と思っています


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