前回にて、異常な世界に似つかわしくない、まるで普通の世界の普通の家庭のように
暖かく灯りを灯した「竹内家」へ到達した竹内多聞センセイ。
ステージはいい所で切れてしまいましたが、きちんとその後についてデモが用意されていました。
第3日目 23時56分
障子を開けて、懐かしい実家へ入っていくセンセイ。
すると部屋には、幼い頃に災害で自分をかばって亡くなった筈の両親が。。。
(27年前、先代美耶子による儀式失敗により村が異界へ引きずり込まれた。現実世界では
それが災害による村消失となっている)
優しく微笑み、センセイを見つめる両親。
元宮田であるところの新生・求道師が宇理炎を使った際、こっそり逃げ出した2人がいましたがそれが多聞の両親だったという事が明らかになります。
二人の足元にすがりつき泣き崩れる多聞。
優しく受け入れる両親。
とてもいいシーンで、今までのつらいあれこれを見てきた身としてはちょっとウルッときてしまいます。
が、忘れてはいけないのはこのゲームSIRENのキャッチフレーズ。
「どうあがいても、絶望」
以前も少し触れましたが、竹内センセイは半端な屍人化が進んでおり、そのせいでまともな
人間である依子が恐ろしい姿に見えた。。。という事実があります。
という事は、今センセイの目に映っている優しい両親の笑顔、これはまともな人間から見ると。。。
しかし27年という年月は長過ぎ、屍人としての幸せに心を奪われたセンセイは泣きじゃくるのでした。
センセイが涙の再会をする数時間前。
須田くんは屍人の巣の水鏡にてこれまた感動の再会を果たしていました。
もちろん相手は美耶子嬢。。。ですが、彼女は水鏡に映る須田くんの後ろに立っており
その姿は水鏡越しに見えるのみです。
本当に心から嬉しそうな笑顔で「美耶子、ここにいたのか」と語りかける須田くん。
その言葉に、「私はずっと恭也のそばにいるよ」と笑顔で答える美耶子嬢。
美耶子嬢に「ねえ、こっちに来て」と言われて戸惑う須田くん。
その手を取って水鏡に当てる美耶子嬢。
すると須田くんの体がその中へ沈んで行き。。。
決意に満ちた須田くんが顔を上げると、そこはいんふぇるの。
そこは常世の世界のひとつであり、他の次元との境界線が存在しています。
須田くんの視線の先には、全ての始まり・元凶である八尾比沙子その人が。
普通の人間は決して来られないこの場所に須田くんが来た事で、自分の悲願を挫いたのが
彼だと気づいた八尾さんは激昂。
いよいよ、いよいよ最後の決戦の時が訪れました。
さて。ここでさっさとラスボス戦へと行きたいところなのですが、最後の最後までウザいあの男が
立ちはだかってきます。
自分の婚約者の妹に横恋慕のシケたヤツ、その名は神代淳。
ここまで来る間にあまりに色々ありすぎて、その存在すら忘れていました。
しかもしっかり屍人化してるし。ダセェw
コイツをまず黙らせねばなりません。
そしてようやく、真打ち・堕辰子戦です。
コツを書きたいところなのですが、コイツに関しては倒せたのがまぐれだと思っているので
(倒したのは旦那だが)何も言えないというのが本当の所です。残念です。
とにかくあきらめず、自分なりのリズムを作って攻撃しかないような。。。
何歩移動したらこっち向いて宇理炎!というようなリズムを自分の中で掴めれば、きっといけます。
ゲームのエンディングは自らがやり尽くしてこその感動があると思うので、
もし途中で挫折してしまった等でまだ見ていない方がいるのであれば、ぜひプレイして欲しいです。
きっと感動すること請け合い!
それだけの苦労と時間がかかるゲームということもありますし、話も世界観もきっちり作り込まれて
ハマったプレイヤーを受け止める度量を持った作品だと思うので。
ぜひぜひ、エンディングまでプレイしてみてください。
最後に。ここまで見ていただいて、本当にありがとうございました。
ここまで書くのに数年かかったって、一体どんだけ時間かけてんだよって感じですが。
先ほども述べましたが、この「SIREN」というゲームは、本当に面白く作りこまれた良ゲーだと
確信しているので、もし少しでもその面白さが伝わったらいいなと思っております。
続編も出ており、それぞれを愛しておりますが、私はやはり一番苦労したこの一作目に
一番愛着を持っているようです。
アーカイブ一つ一つにもこだわりの作り込み、そして練られたエピソードと世界観。
今後もずっと私の中で「好きなゲーム」の筆頭に輝いていく事でしょう。
では最後にネタバレあります。今後の楽しみに取っておかれるという方は、これにて失礼致します。
全クリアされた際には、ぜひ下のネタバレ部分を共有させてくださいね!
本当にありがとうございました。楽しいプレイとクリアを!
さて。
「終わらない物語」であるこの「SIREN」。
というのも、堕辰子を須田くんが倒したものの、その首を持った八尾さんは次元の奈落へ。
祭壇と共に御神体(=堕辰子の首)が求められる全ての時代へ向かう存在となってしまいます。
本編でも光柱から現れたもう一人の自分から御神体を受け取った、というエピソードがありましたが
そうやって御神体が届けられてしまう以上、この物語は永遠に終わらないのです。
閉じられた世界、メビウスの輪のように、ぐるぐると回っており終わりが無いのです。
つまり、八尾比沙子その人が「虚母ろ主の輪」となってしまったのであります。
最新作でもその「終わりの始まり」が踏襲されていて、ちょっと嬉しかったです。
あれは一作目ファンにはたまらない作りになっていますね。ちょっとグロかったですが。
一作目の最後で、春海ちゃんが唯一現実世界への帰還を果たした事が判明しますが
その際に救助に当たっていたのが二作目でかなりのインパクトと存在感を見せ付けた
あの人であります。
そして、忘れてはいけない高遠センセイ。
クチビルゲ化したインパクトの事ではなく、最後の最後でまだ執念深く春海ちゃんに襲い掛かるロリコン校長@ヒトデでハゲ隠しに向かっていき、自分を犠牲にして春海ちゃんを守ったのでした。
センセイが自分を守ってくれた、と見届け「お母さん。。。」と呟く春海ちゃん。泣けます。
それにしてもしつっこいな、あのロリコンは!
とても生前は優しくていい校長先生だったなんて信じられません。
屍人になっても普段と変わらぬ日常を過ごしている面々を見てきた今では、
「あの校長、やっぱり腹の底では。。。」
と下司な勘ぐりをせずにいられません。
SIRENの二作目には春海ちゃんがちょろっと出てきますが、そのシーンが本編よりよっぽど怖い。。。
本編の春海ちゃんステージは、みなどことなくユーモラスな感じだったので
余計にそう感じるのかもしれませんが。
そしてウザくも愛すべきキャラ・依子。
彼女は屍人(というより泥人形チック。ずっと水底にいたから?)となった両親と感動の再会を
果たしている竹内センセイの元に障子を足で蹴り倒して登場、あろう事かセンセイのご両親をバットで殴り倒して(!)
「センセ~!家族ごっこしてる場合ですか?行きますよ!」
と多聞を引きずって行く。。。という最後までキャラを貫く、ある意味このゲーム一番の恐ろしいエンディングを持つ登場人物でした。
気持ちはわかるが、仮にも好きな人の両親を。。。漢(おとこ)だ。
しかも、それを通りすがりで見ているSDK(須田くん)。
最高にシュールです。
彼女はきっと現実世界に戻れない事なんてヘとも思わず、半屍人のセンセイを引きずりながら楽しく生き抜いていくに違いありません。
色々言ったけれど、終わってみれば、依子が一番好きかもしれん。
さて、そんなこんなで本当に終わりです。
皆さんにも赤い海や雨が、そして鳴り響くサイレンが垣間見られたでしょうか。
もし未プレイの方がいたら、ぜひ!プレイしてみてください。
本当に楽しいから!
2009年6月10日
pada01