お願い！ドクター

　母がお世話になっているドクターは



　いつも大きなマスクをされていて



　顔のほとんどが　見えない



　いつも　その大きなマスクの上から覗いている目を見ながら




　　マスクを外した姿を




　　　　かなり　美化して描いていた





　背は低くて　ずんぐりむっくりだけど



　きっと　このマスクを外すと　結構イケてるはず　







　深夜に携帯が鳴り　布団の中で電話をとると



　母の病状を知らせてくださるドクターの声　



　「　夜分にごめんなさい



　　　　もう　おやすみでしたか　」



　時計を見ると　もう　1時を回っている



　ドクターも私も　家族を起こさないようにという心使いから



　　ささやくような声で40分ほど話し　







　「では　おやすみなさい　



　　　しっかり　やすんでくださいね」


　



　低音の小声でささやかれると



　　なんだか　若いころ　恋愛していた頃を思い出した










　その　ドクターが　昨日



　　マスクをしていなかった





　　　そう　　



　　　　脱　マスク







　　　　　　　





　　　　　　　　　　　　


　　　　




　　　　　びっくりした　



　　　　　マスクをしていて欲しかった　




　　　人間って　



　　　　鼻と　口　の美力って


　　　　　強烈なんだって　わかった　




　　　お願い　　ドクター　



　　　　　私の前では




　　　　　　マスクをしていてください






　あ～～～～　ほんとに　びっくりしたぁ　


















　　　

「ボケあ」健在！

　今月から　衣替え



　移行期間の間は夏服で過ごした次男も


　今週からは　さすがに冬服に変えるとの事



　上着のボタンでもつけなおしておこうと思ったら


　上着が　どこを探しても


　　

ない

　　　　ない


ない

ないっ

　クリーニング屋さんに聞いたり


　母の家に紛れ込んでいるのではないかと探しに行ったり


　今日一日　制服の上着のことが　頭から離れなかった



　「ボケあ」に　聞いてみた


　「ねえねえ　制服の上着　ないんだけど


　　　　　　　　　見なかった」


　「あ、、あれね　あそこに丸めて置いてあったから



　　　　　　　　　捨てておいたよ　」






　　　　　　　




　明日　制服の上着　買いに行く



　　訳のわからない　出費






　卒業まであと半年なのに・・・






　　ピカピカの制服で　入学式は当たり前だけど



　　　ピカピカの制服で　卒業式だなんて



　　　　　聞いたことないよね・・・

私に出来ること

今回の母の一件で　私はたくさんの事を知り


　たくさんの方との出会いがあった


　いつもは通り過ぎていた病院のドクター


　近くの生協に行く途中にある　施設


　　地域包括センターという　初めて耳にした場所


　　一歩　前に進むと


　　　　すべてが新鮮な世界


　途方に暮れていた　私を助けてくれた方々に


　何か　私にできることはないかと考える余裕が出てきた



　　そして現在提案中なのは


　　　施設での　コンサート



　リトミックを取り入れての参加型コンサート



　　対象が子供ではないから　迷いはあるけれど



　　認知症の年寄りのみなさんは　子どもと同じ目をしている



　　今まで　レッスンで培ってきた経験を生かせるような気がする





　　音楽は世界共通の言葉であり


　　　老若男女　共通の言葉でもある


　　






　　　きっと　何か　出来るはず





　現在　ケアマネージャーさんと　相談しながら



　　今度は施設のボランティアスタッフとして　



　　参加させて頂くよう話を進めている



　




　わたしに出来ること



　　　　まだまだあるような気がしてきた

上手な時間の使い方

月曜日から木曜日、母は施設でお泊り



　私は　その間だけ　自由に自分の足で動くことが出来る



　その時間は　まさしく特上の幸せ



　今まで　当たり前だったこと


　　好きな時間に　ランチして　ショッピングして


　　美容院へ行って　映画を見て　コンサートへ行って


　　旅行に行って



　　自分に与えられた時間を



　　　自分だけの為に使って・・・





　でも・・・


　　　なんとなく　それが　当たり前になってきて


　　　　マンネリ化していたのを感じていた



　　贅沢に　なってしまっていたことに


　　　なんとなく気が付いていた




　　9月の悪夢のおかげで



　　　そんな　贅沢病にかかっていた私は



　　　　目を覚まさせられた




　　　きっと　誰かが　教えてくれたのだと思う





　　与えられた時間を　大切に使うようにと・・・

うさぎと小鳥と球と

「うさぎ　これはね、僕の大切なおもちゃだよ　いいでしょ」






　「ん　でも私は　やっぱり　にんじんが一番だわ　むしゃむしゃ」

「そう言わずに　一緒に遊ぼうよ～　ほら　うさぎ　行くよ～パスッ」








「お～～っ　すごいぞ　いきなりゴ～～～ル」






「よおし　今度は私から行くわよ～」

　「うさぎ　がんば　こっちよこっち」






「これも　一緒に　ぽ～～ん　お～っと　これはちょっと手ごわいぞ」







「ほら　うさぎ　もうひといき　がんばって　　こっちこっち」







「うっぅぅ　どうせ　わたしには　できないのよ・・もうしらないっ」

「まぁまぁ　そう　いじけないで」








「反省っ」