納車の話を。
…
10時半の約束だったので
ちょうどその頃にお店の方へ行きました
ホンダのお店の駐車場に車を停めると
奥の方に、N-BOXが停まっておりました
『…アレだな。』
N-BOXには、ノーマルとカスタムがあり
予算の都合も勿論あったのだけれど
丸い目玉ライトが可愛かったので、ノーマルをチョイス
そして、色も可愛い色をチョイス
…だから、駐車場に車を停めてそのN-BOXを見た瞬間に思ったのは
『可愛い…』だった
そして、その後に俺を襲った感情は
『え…あの可愛い車に俺が乗るのか…？』だった
…
にわかには信じてもらえないだろうが
俺は、試乗もせずにN-BOXを決めた
担当の営業さんが
『是非、試乗なさってください』
と、言っても頑なに断った
その理由は
ペットショップで可愛い犬を見つけて
店員さんがやって来て
『どうですか？抱っこしてみますか？』
って言われて
店員さんの事を抱っこしちゃって
俺の腕枕で寝てる店員さんを見ながら煙草をふかしたりしちゃったりなんかして
『また会ってくれるの？』
って聞かれて
『んじゃ俺の都合に合わせてくれる？』
なんつって。
『アタシの事、馬鹿にしないでよ。都合のいい女だなんてごめんだわ！！』
って何の話コレ。（君次第
…
なんかね、試乗した事で
ペットショップで抱っこして情が湧くみたいな効果を狙ってんじゃねぇの？
って思っちゃったんだよね
そんな作戦に乗りますかっての！！
って思って断ってるうちに
どんどんN-BOXがすきになっちゃって
もう今更『試乗させて下さい』とも言えなくなり
何だかんだでご成約まで運転せずに来ちゃった。
コンテちゃんを降りる時に小さい声でありがとうを言って降りた
センチメンタルが爆発しそうだった。
…
駐車場には若い男性スタッフがいて
『いらっしゃいませ。本日、ご納車ですよね。どうぞ。』
…いや、初めましてなのよ君。
どうして俺が納車だって知ってんのさ。
ちょっと感動しちゃったわ。
感動してると担当の営業さんも出迎えて下さった
『お待ちしておりました。どうぞ中へ。』
…
車の説明を受ける
今まで乗って来た車は10年以上も昔の車だから
説明を聞くたびにプチ感動が襲う
鍵を持った状態でスタートボタンを押してエンジンをかける
…カミさんの車がそうだ。うん。それは分かる。
運転している最中にエンジンを切らないといけない状態になったら…の、説明を受ける
『え？どうして走ってる最中にエンジンを切るんですか？』
…
どうやら外国の方で、足元に敷いていたマットがめくれていて
アクセルを踏んだ時に踏みっぱなしの状態になり
止めようにも止められずに事故に…みたいな事があったのだそうだ
今までの車だったら鍵を戻してエンジンを強制的に切る事が出来たが
ボタンを押してエンジンをかける車だと、こういう風に操作して止めるんですよ…
的な説明を受ける
なるほど、なるほど。
なんか、知らない事を知れる喜びみたいなやつ。
…で、そういうのをいっぱい聞いていると
教えられたことが頭に入りながら、どんどんこぼれていく感覚に。
『なんか、一気に覚えられそうにありません…』
『大丈夫です。一応、説明義務があるんです…』
なるほど、そういうのもあるのね…知りませんでした。
俺という人間は
常に自分を俯瞰で見るドローンがあって
頭の周りをグルグルと飛びながら
若干、冷めた感じで自分を見ているシステムがある。
納車だ納車だ、わっしょい♪わっしょい♪
ってなって浮かれている自分と
それを冷ややかな目で見ているであろう受付のお姉さん達を想像してみる。
『あのオッサン、嬉しいのか何なのか、喋り過ぎだろ』
って陰口を叩かれているハズ。
そう思うから、余計に嬉しそうな雰囲気なんか出せない。
担当さんの説明を
『へぇ～』『ほぉ～』『そうなんですね～』
の感じで大人しく聞いているのだ
きっと正解。コレが正しいんだ。
一通りの説明を受けて
今度は外へ出て、実車を前にしながらの説明も受ける
やっぱりそうだ…さっき俺が可愛すぎるって思った車が俺の車だった。
…
『なんか…可愛すぎでしたね…あはは』
『そうですか？いや、男性の方でも大丈夫ピッタリですよ』
そう言うしかねぇよね。もう変更できないのだから。
乗ってみてビックリしたのは
内装が白っぽい。
超可愛い。
ネットで見た時には落ち着いた色合いのベージュ的なのを思ってたけど
白っぽい部分は、完全に白だった。
こげ茶色と、白の2色で内装はまとめられてる感じ。
助手席に座ったらこんな。
車の色が分からないように
ペスに隠してもらった。（オス、6歳、雑種、好きなオモチャは野球のボール
…
ね？色飛びするぐらい白いでしょ。
眩しいの。とっても。俺みたいに。（やかましいわ
…
実車を目の前にした説明を終えて
またお店の中へ…
説明を受けたかどうかのチェックシートを渡されてチェックをしてサインを。
『これで、以上になります。ありがとうございました。…あ、ちょっと待ってくださいね』
そう言って担当の営業さんがお店の奥に引っ込んで行った
あ…あれでしょ
N-BOXって書いているティッシュとか
N-BOXの形をしているクッションだとか
そういう販促グッズみたいのを取りに行ったんでしょ、どうせ。
…
間もなく作業服を着た男性と
カウンターに座っていた女の子を連れて
営業さんが戻って来た
『工場長の○○です。私がいない時に担当してくれる○○です。』
ご丁寧に名刺を頂いた
『本来であれば店長もご挨拶をするんですが、ちょっと今日は席を外しておりまして。』
そう言っている担当さんの手には可愛い花束が。
それを女性スタッフにサッと渡して
その女の子が俺に『これからもよろしくお願いいたします』って渡してくれた。
…
納車で、花束くれるん？？
何このサプライズ。
街の中で女の子がリコーダーを吹いたら
どんどん楽器を持った人が集まってきて
大演奏になっていくようなさ…
俺、フラッシュモブ嫌いやねん！！
サプライズとかされてちょっと照れてる自分をドローンで見るの嫌いやねん！！
どういう顔してんのよ俺、どんな顔してんのさ俺！！
もう、赤面しちゃうからやめてケロ！！！
…
花束を頂いて
耳まで真っ赤にしたコワモテのおじさんがお店を出る
真新しい車に乗って
ぎこちない顔をして、ぎこちない手つきでエンジンをかける
全部がぎこちない
スタッフの方たちがお見送りしてくれてる
やめてけれぇぇぇぇ
もう、ほっといてよ～～
そっとしてぇぇぇ（死
そういう訳で
今日から新しい車になりました
安全運転を心がけて
大事に乗って行こうと思います
コワモテの顔も車に合わせて可愛くなりたいですっ
車の装備とか、そういうのは
あとでご紹介できたらしようかな…どうしようかな。
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