早出だったんです
で、ずっと動きっぱなしで
なんだかんだと片付けが終わって
ようやく一息つけると思った3時半ぐらい
倉庫のいつものお昼寝ゾーンに…
…
ん??
俺のサンダルの左右が紐でくくられてる
まるで小鉢クンのやりそうないたずらじゃないか
こういうどうでもいいいたずらをするんだよな
もしも来たとして、辞めた会社の誰もいない倉庫に勝手に入るだろうか…
そこまで常識外れじゃないと信じているぞ。
でも、小鉢クンじゃなかったら誰がこんないたずらをするだろうか
誰も思い浮かばない…
う~ん…とにかく疲れたんで少し横になりたい
ちょっと横になってスマホをいじってたら眠気が少しやってきた
ああ、このまま少し寝たら気持ちいいだろうな
って思ってたら、倉庫の前に車が停まった音がした
常務かな…何か倉庫に取りに来たかな
専務だったら別にいいけど、働き者の常務が来たら
寝てらんないな…
なんて思ってたら倉庫の入り口が開いて誰か入ってきた
『おう!!』
小鉢クンだった…
さっきまでサンダルにいたずらしたの小鉢クンじゃないかとか思ってたのに
本当に現れるとビックリだ
『お~どうした』
『元気でやってる?どう?』
相変わらずどうでもいいような、全然気になってないけど聞いてるだけの言い方だ
『まぁ、何とかやってるよ』
腹の中では、「お前が居なくても」って言葉をつけて。
『アンガスさんはどう?ヤル気満々で振り回されてない?』
最後の最後、喧嘩みたいな気まずい感じで辞めて行ったから気になってんだな
『ん~まぁ、ぼちぼち』
どういう風に答えていいのか悩む。
もう、新しい形でスタートしてるから
今までの感じと同じ風に思われても困るし
上手くいい感じでやってるとしか言いようがないけど
自分が居なくなって困ってるって姿を感じたかったんだろうね。きっと。
そういうところだよ。器が小さくて小鉢なのは。
社会保険の手続きの書類がどうのこうので来たらしい
新しい職場の話も色々としていた
まるで子供が初めて学校に行った時みたいに。
自分の子供なら、そうかそうか、ふぅん。って聞けるんだけど
何だろうか。このどうでもいいわ感。
倉庫を出て、会社の建物の方へ小鉢クンは向かって行った。
このまま倉庫でごろ寝をしていたら
用事が済んでまた倉庫に来るんだろうなと思い
俺も会社に入って行った。
彼はお菓子置き場に向かって行って、当たり前のようにお菓子を漁っていた。
先月までは君が勤めていた会社かもしれないけれど、もう違うんだぞ…
…
新しい職場どうよ
とか、誰も聞いてくれないのが寂しかったのか
いつもより変におどけていた様に見えた。
早く用事を済ませて帰った方がいいよ。
円満退社だと思ってるのは君だけだぞ。
帰り際
『近いうちに飯でも!』と言われたけれど
俺は社交辞令的に
『そだね~』と返事をした
ロコソラーレのそれとは大きくトーンが違っていた。
もぐもぐタイムは無いと思うぞ。冷たいかもしれないけれど。
疲れたところに
上乗せの疲れがやってきた感じ
うん…無事に帰れよ。
アンガスがいないからしばらく雑談したいようだったけど
ま、元気そうで何より。です。はい。
あ、アンガスって書いて思い出した
明日のお仕事の連絡をしなくちゃだった。
小鉢クンの事でモヤモヤしてる場合じゃねぇわ。
明日の仕事の方が大事だわ。