第二の職場のお仕事の日は
ダーシーにお手伝いに来てもらっている
ダーシーはウチの会社のOB
超大先輩である
しかし、耳が遠く
補聴器をしているのだけれど、それもほぼ意味が無い
俺との仕事はアイコンタクトやらサインやらで
別に耳が遠くても一切関係なく進めることが出来るんだけれど
問題はお客さんに話しかけられたときである
お客さんに話しかけられたときに耳が遠いのはネックで
『すいません、私、耳が遠いので…』って断ってから
俺を呼ぶ感じ
…ちょっとお客さんには迷惑をお掛けしている部分がある
そこでライオンさんが出勤出来る時は
ライオンさんにダーシーと一緒に第二の職場に行ってもらって
ダーシーの不自由な部分をサポートしていただきながら
第二の職場での動き方も覚えていただいて(とはいえライオンさんもプロですけども
ダーシーがお休みだとか、来られないと言う時には
ライオンさんが来てお手伝いできるようにお勉強中なのであります。
この、ライオンさんがお手伝いに来ることをダーシーはこんな風に思っています。
『俺のアルバイトの仕事が無くなる。俺は近々お払い箱になる。』
俺にも気にしているようで
『そろそろ俺も用無しになるんだな…』なんてこぼしたりするんです
ま、でも、ダーシーほど俺と息が合った仕事を出来る人はいないと思うけれど。
でね?今日はライオンさんが一緒に第二の職場に行った日だったんです。
だからダーシーは気分があんまりよろしくなかったんだと思う。
決してライオンさんに対して悪い態度を取ったりすることは無いんだけど。
…で。
第二の職場でのお仕事が終わるとダーシーは第二の職場の喫煙所で一服をしてから帰るんだけど
ライオンさんも喫煙者だから三人でそこで話をしてたんだよね(ちなみに俺は禁煙がずっと続いております
喫煙所は建物の外にあって
灰皿の近くを大きいアリが歩いてたんです
こんな食べ物もないところを…って思いながら俺が見てるのに気づいたダーシーは
あろうことか、アリを一匹ずつ踏み始めた
『え~やめて』って言うんだけど聞こえてないから
『コリャ!まてコリャ!』って
次々に踏みつぶしていく
腕の所をツンツンってして、ダメだよって首を振って見せたけど
それを見たら余計にやるんだよね
…
70過ぎの爺さんがさ、そんなことをやるなんてガッカリだった
きっと面白くないっていう気持ちがあって
それを表したのかもしれないけど
でも…やだよ、そういうの。
俺なんか歩きながら間違えて踏まないように
気を付けたりしてるのに
で、気をつけないで踏んじゃってるのもあるとは思って
それもやだなって思ってるぐらいなのに
あんな風にわざと狙って次々と潰して…なんか悲しかった。
家じゃどんなに優しいお爺ちゃんかもしれないけど
やっちゃダメだそんなこと。
アリンコなんか何にも悪いことしてないし、害虫でもないのに。
…
何だかそれを見て気持ちが沈みました…
ダーシーはどういう気持ちでやったのか聞きたいけど
聞けば聞くほどまたやるんだろう…ああいう人は。
…という
にゃびちゃんちょっぴり悲しいのお話でした…