parismaris's days*

心休まる半日

何でもない日に、スマホに入ったひとつのメッセージ。
「ぱりまりちゃん、生きてるー?」
30年の付き合いがある、親友からでした。


私たちは学校で、ふたつのクラブ活動をともにする同級生として出逢って以来、付き合いを途切れさせたことは只の一度もありませんが、そう頻繁に連絡を取ったり、会ったりするわけでもありません。

それはオトナになる以前、出逢った当初からそうで、互いに『個』を大切にするタイプだからでしょうか、良くも悪くも群れるような付き合いをすることはありませんでした。

それでも私たちはずっと、まぎれもない親友で。
顔を合わせればいつだって心置きなく話すし、互い配慮は欠かさないけれど余計な遠慮は一切しないし、互いが互いの『最も信頼のおける他人』だという認識も同じ。

そして何より、彼女も私もお互いのすべてがとても好き。

その好意と信頼とが変わることなく年月とともに積み重なった最近では、互いに「自分の一部みたいな気がしてきた…」と呟きあうことも多々(笑)

連絡は密に取らずとも、いつだって『昨日も会った』ような気持ちでいられるのが私たちの関係です。


――その親友からの、久しぶりのメッセージ。
既読にしたその手で「うん、元気だよ。 そっちは?」と返せば、すぐに「元気!」と返ってきました。

それはよかった、と思いながら、彼女やその家族の近況を訪ねる文章を綴っていたら。
私がそれを送信する前に、「……でもな、なんか淋しいねん」とトーンダウンした文字が飛び込んできました。

いつだって早口でまくしたてるように話す彼女に似合わぬ、妙にアンニュイなその言葉に、思わず苦笑い。
その笑みのまま「せやね、秋やしね」と少しおちゃらけて返すと、間髪を入れずに「ほんまに淋しいねんて!!」と甘えた怒りを含んだ言葉が返ってきました。


彼女らしい飾り気のないその反応に、私はスマホ画面に向かって盛大に笑ってしまいました。
が、同時に彼女の本気の『淋しい』気持ちが伝わってもきたので、爆笑してしまったことは隠して(笑)「ほな会おか」とすぐに返信。

すると「うん! 会いたい!! 夏の旅行のおみやげも渡したいし!」と言ってまた元気になった彼女と、そのまま日時のすり合わせのためのメッセージを何往復も交換し。
「ほな、〇日にね」と締めの言葉を送ると、「……なんかごめん。 たいした理由もないのに会いたいって言って…」と、再びの彼女のトーンダウン。

また私は笑ってしまいましたが、「私らが会うのに理由はいらへんでしょ」とだけ返しました。


そう、理由なんていらないのです。
彼女は「旅行のおみやげも渡したいし」なんて言葉も添えていましたが、ほんとうはそんな口実も必要ない。

会いたいから会う。
顔が浮かんだから電話する。
ただそれだけの、最も単純でちからの抜けた関係こそが私たちなのだから。





そうして会ってランチして。
わが家に場を移して、夕方までおしゃべり三昧。
(話していたのは8割がた彼女のほうでしたが、これもまぁいつものこと・笑)

夏の家族旅行のおみやげに、甘じょっぱくておいしい、珍しいお菓子もいただきました。


あっという間にお開きの時間になって、車を出す彼女を見送っていたら。
運転席でハンドルを握りしめた笑顔がガラスの下りた窓越しに睨んできて、「…そういえばさぁ、会いたいって言うの、いつもうちからやん!」といきなりの抗議が。

思わず「え。 そうだっけ?」と返すと、「そうやわ! たまにはそっちから会おうって誘ってや! だいたいさぁ、この前に会ったのって新年会んときやで? 何か月会ってなかったと思ってるん?!」と怒られてしまいました。

「えー…いやまぁ、そんなに会ってなかったとは思ってへんかったし」と思ったままを答えると、「そうやけど! 私も昨日も会ったような気ぃはするけど! でもたまにはぱりまりちゃんから会いたいって言ってきて!!」と、親友殿は猛抗議。

私は胸の内で「…これってどこのカップルの痴話喧嘩やのん」と苦笑いしながらも、彼女の抗議ももっともなことではあったので、「ハイ、ゴメンナサイ。 次回ハ必ズ私カラ連絡シマス」と謝ることしかできませんでした。


そんな私に至極満足げな笑みを残して、運転席から突き出した片手を振りながら彼女は帰って行きました。
その笑顔と態度からは、『なんか淋しいねん』なんて言っていたアンニュイな気配はすっかり消えていて、ほっとするやら可笑しいやらで。
出逢った当初から変わらぬ彼女らしさが嬉しくて、とても心休まる半日でした。


心のブレーキをかけずに言いたいこと言って、しゃべりたいだけしゃべって、許されるだけ甘えて。
それができるのも、信頼と愛情に裏打ちされた、最高に気の置けない友達同士だから。

30年間ずっと、そしてきっとこれからも、彼女は私のかけがえのない親友です。
おばあちゃんになっても、よろしくね。



コメント一覧

parismaris
らいらさんへ*

んふふ*
普段の私はこのとおりの、言葉もイントネーションもコテコテの上方言葉です(笑)

方言っていいですよね。
若いころはどうにも垢抜けない気がして標準語を意識したこともありますが(笑)、素直な感情を伝えるにはお国言葉が最適で、いつしかコテコテな自分も好きになりました。

親友とは進学で別れて以来それぞれ全く異なる人生を歩んでいますが(おとなになってからの人生における共通点がほぼない)、なぜか今なお一番の友達です。

だから…たぶんこれからも、友達。
老女になって聞く彼女の早口マシンガントークが今から楽しみです(笑)
らいら
おほほ〜

そこここに漂う?お国の言葉が良いですね!(ぱりまりちゃん、口語ええなぁ笑)

お友だちちゃんの気持ちも、
ぱりまりちゃんの気持ちもわかるな♪


いいお友達がいていいな(*^^*)
大丈夫。
先は長いんだからクルマで行き来できる距離なら
まだまだ当分遊べるわよ〜
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