『サマーウォーズ』
監督・原作 : 細田守
脚本 : 奥寺佐渡子
キャラクターデザイン : 貞本義行
作画監督 : 青山浩行
アクション作画監督 : 西田達三
美術 : 武重洋二
音楽 : 松本晃彦
アニメーション制作 : マッドハウス
製作国 : 2009年日本映画
上映時間 : 114分
配給 : ワーナー・ブラザース映画
ちょいと遅いですが、見に行ってみましたです。
●巨大な仮想ネットワークサービスでの暴動を食い止めろ!
舞台は、現代風の日本。その世界では、生活に必要な全ての情報・媒体が揃う仮想ネットワークサービス「仮想世界 OZ(オズ)」が存在し、世界最高のセキュリティを誇るこのサービスを、世界で何十億という人間が利用しています。
今作の主人公である健二は、数学オリンピックの日本代表…になりそこねた人物。
ある夏、先輩である夏希が、90歳になるおばあちゃんの誕生日のため、4日間一緒に実家に帰って欲しいという「バイト」を頼まれます。ただのお手伝いかと思いきや…その真意は、おばあちゃんを喜ばせるために「彼氏のふり」をしてほしいというものでした。
まだ落ち着けないうちに1日が終わろうとしていた夜、健二に1通の不可解なメールが届きます。それを健二は解読して送り返しますが…翌日、なぜかテレビで健二が「仮想世界OZ」を大混乱させた犯罪者として報道されます。
そこから、「ある存在」によって「仮想世界OZ」を利用した、恐ろしい事態に発展していきます。
◆partygameの評価◆
けっこうな見ごたえ それでいてメリハリがきいています
一応、前情報ほとんどなしで見てみました。
まず印象として良かったのが、手書き風でジブリっぽい柔らかなデザインで描かれた現代世界と、フルCGで彩られる仮想世界の対比です。現代世界ではしっかりと登場人物の性格や生活風景を描き、仮想世界ではとにかく壮大さと派手さをぶちかますという感じです。
現代社会での、夏希の家族の生活風景が、けっこう細かく描かれていました。シーンにおいて、メインとなる人物が動いているだけという状況がほとんどなく、その周りの人物も細かいリアクションをしてくれているのが、何ともかゆいところに手が届いていて、クオリティの高さを感じました。ストーリーばかりが気になる人にとってはどうでもいいかもしれませんが、個人的には無駄と思うシーンがありませんでした。
仮想世界では、いかにもネットサービスっぽく、アバターだったりサービス内容だったりを前面に押し出し、くどくない程度にネットっぽさをしっかり表しています。
なかなか、こういう設定っていきなり出てくるとよく分からないということが多いですが…この作品では、一番最初にOZの内容をキッチリと抑えてくれるので、ほぼ問題なく理解できることと思います。
そして、登場人物がよく引き立っています。前半では、夏希の家の当主であるおばあちゃんが、年の功の力を発揮し活躍します。後半では、様々な人物が皆、協力して活躍します。
主人公ばかりが目立つ作品も多かったりしますし、ましてや主人公が最後に目立たなくなるなんて作品もあったりするものです。この作品では、全ての人間の生活風景が描かれていたこともありますし、様々な人物が、それぞれの「利点」でもって協力しあうというところが印象深かったです。逆に、邪魔になる登場人物もいたりして、それはそれでアクセントとして利いています。それでもって、最後はキッチリ主人公である健二が締めました。
1つ、ちょっと疑問が残った点としては…終盤に、舞台となる家は「ある原因」で物理的被害にみまわれます。しかし、その「原因」にしては、被害が少ないな…と思ったわけです。正直、家が吹っ飛んでもおかしくないと思ったんですが…。
ただ、その物理的被害と同時に「ある物体」が発生したんで、もしかしたらそれが要因で、被害が抑えられたのかもしれない…とも思っています。もしそうだったら私の知識不足ですし、そうでなかったとしてもまあ些細な疑問ではあります。
非常にメリハリがきいて、クオリティも高く、見ごたえのある作品でした。
放映開始からだいぶ経ちますので、そろそろ映画館で見れる機会が少なくなってきますが…興味のあるかたは、お見逃しのないほうがいいですよ。オススメです。