『影の塔』
対応ハード : Wii
開発・発売元 : ハドソン
発売日 : 2010/07/22
希望小売価格 : 6,090円(税込)
ジャンル : 影謎解きアクションゲーム
プレイ人数 : 1人(セーブデータ4つ)
操作スタイル : ヌンチャクスタイル
CERO : A(全年齢対象)
参考データ--------------------------
購入価格:4,745円(新品)
実績:シナリオクリア
難易度:ふつう
達成度:81.0%
クリアまでのプレイ時間:約10時間
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●自分を取り戻すため、「影」は塔を登り続ける
今作は、影となった少年を操作して、映りこんだ影の上を進んでいくという新しいスタイルのアクションゲームです。
今回、2回目のインプレッションとなります。
●新たな発見
◆影と現実の「ゲート」
ステージ内には、黄色い土台のオブジェクトがいくつかありますが、最初のうちはこれを利用することはできません。
塔の頂上付近まで来ると、「番人の剣」という武器が手に入ります。
これを入手後、黄色い土台のオブジェクトに近づくと「ゲート」が出現します。
Bボタンを押すと、ゲートを通して「影の世界」から「現実の世界」へ移動することが出来ます。逆に戻る場合も、ゲート前でBボタンです。
・「影の世界」では2Dアクションでしたが「現実の世界」では3Dアクションとなります。移動は3D操作になりしゃがみができなくなります。他の操作は概ね同じです。
・「現実の世界」では、剣による攻撃、クロアゲハの操作、レバーの操作ができません。しかし敵も出現しません。
・「現実の世界」にいられる時間には限りがあります。時間を示すメーターが0になると、ダメージを受けて「ゲート」の入り口まで戻されます。白い魔法陣の上に乗れば時間が回復します。
●クリア後のおまけ?
シナリオクリア後、特定の操作をしながらセーブデータを再開すると、<ネタバレ注意!→>隠し武器「鬼斬り」<←ネタバレ注意!>が使用できます。
このおまけは、クリアしていないセーブデータでも利用することができます。
ちなみに…達成度を100%にするには、全ての「影の回廊」を攻略+ステージに散らばった全ての「メモリー」を回収する必要があるようです。
ラストステージ前には、序盤に戻ってくるルートが用意されていますので…フルコンプリートを目指してみたい人は、是非どうぞ。
私は…もう充分です(笑)
◆partygameの評価◆…78点(100点満点) 前回比…-7点
長くプレイしていると、「地味」なのが響いてきます
アイデアもいいですし、影の世界ならではの謎解きも面白いんですが…やっぱりどうしても、見た目においては少しツラいところがあります。
最初は新鮮さを感じる雰囲気ですが、慣れてくると、とにかく静かで黙々とプレイしていく感じになるので、いかんせんテンションが持続しにくかったです。BGMも効果音も雰囲気も、意図して「もの静か」なものに統一し、結果として雰囲気はよく表現されていますが、やっぱり…地味なんですよね。
仕方ないとは思いつつも、例えば地味であってもそれを凌駕できる大きな魅力があれば良かったかもしれません。しかし、謎解きは見た目的に似たパターンが多かったですし、結局ボスと言えるボスは「あいつ」だけでした。
ストーリーも、何だかんだで結局はとってつけた内容でした。なぜ少年がこういう役目になったのか?最初に出てきたあの鎧の兵士は結局何だったのか?など、語られない部分が多いです。まあ、想像してくださいってことかもしれませんが。
ラスボスも思ったよりは苦労せず、さらりとエンディングを迎えたって感じです。一応ハッピーエンド?ですが。
あともう1つ、テンションが持続しにくかったのが…基本、塔を昇り切ることが目標だったハズなんですが、実はその先には、まだいくつもの関門が待っていました。
それで、「まだ終わりじゃないの?」「あ、まだなの?」となっていくうちに、なんだか冗長に感じるようになってしまいました。それこそ、ストーリーもわりと曖昧な表現で進んでいくため、どこがゴールなのか?どこが最終決戦なのか?が明確には分からず、なんか手探りでいつゴールなのかも分からないゲームを進めていたって感じでした。
もう少し、うまいことユーザーを引っ張っていける方法が欲しかったですね。
その他について。
・私はそこまで気になりませんでしたが、視点とか壁のデザインなどによっては、プレイヤーなどの影が見えにくいことがありました。特に、影なんだけどアタリ判定のないものもあったりし、基本的には「ハッキリ見える影」が乗れる影なので何となく分かりはするものの…分かりづらかったです。まあ、それも世界観の表現を重視したための弊害だと思いますが。
・「影の回廊」の仕掛けである「視点の回転」。仕掛け自体のアイデアはすごく良いと思ったんですが、どちらを押したらどちらに回るかが、最後まで結局よく分かりませんでした。あと、一方に回してみてダメだったらもう一方に回す…みたいに、行き当たりばったりでも何とかなってしまうことが多かったです。そこは、失敗したらダメージを受けるなどの緊張感が欲しかったです。
・難易度は、慣れないうちはちょっと難しいかもしれませんが、慣れてくる&体力の上限が増えてくると途端に簡単になってきます。もちろん、それでも油断しすぎればゲームオーバーになってしまうので、ゲームバランスはそれほど悪くないとは思いました。
・ファーストインプレッションで指摘した「操作の統一感の問題」については、プレイしていくうちに慣れました(笑)
色々文句を書いてしまいましたが、影と現実を行き来して謎を解いていくアクションゲームとしては、概ね充分な完成度であるとは思います。また、世界観の表現を大事にするという開発スタッフの意図も感じられました。あとは、もう一味何かスパイスが効いていれば良かったのにな…という感じです。
見た目が地味なのと、あとは価格相応に感じるか?が問題ですかね…。たぶんですが、このタイトルもすぐに安くなる気がするので、興味のあるかたは頃合を見て楽しんでいただければと思います。…いや、別に今すぐ購入してもいいですが、見た目が地味なのと相まってあまり価格相応には感じないでしょう。
とはいえ、苦しいこのご時世にパッケージタイトルでアイデア勝負のタイトルを発売したことは、個人的に評価したいです。個人的には最近あまりいい印象のなかったハドソンでしたが、久々に良いと思えました。
…売れてないから、続編はないでしょうけど。
関連記事:
Wii『影の塔』 ファーストインプレッション(2010/07/22)
その他のタイトルの評価は、こちらからどうぞ
決して悪くはないのですが「切れ味」に欠けるというか。終始、”どんより”した雰囲気で続いていくので、遊んでいるこちら側も少し”どんより”したテンションになってしまうところが、あるように思います。
今は無きハドソンの、貴重な完全新作。
よろしければ、最後まで楽しんでみてくださいね。
自分は、最近、このゲームをプレイしています。
なんか地味っていうか、物静かっていうか
いいゲームかどうか、わからなくなっちゃいました。
実際にいろんな人の評価を見て、判断したいと思います。
とても気持ちのいい解説です
(うまく表現できなくてすみません)