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『おきらくピンポンWii』紹介ページ
おそらくユーザーがあまり手を出さないだろうということと、「中規模メーカーが、500円でどれだけのものができるものなのか?」というクリエーター視点の関心もあったので、買ってみました。『おきらくピンポンWii』です。
●簡単だけど、そこそこ本格的な卓球ゲーム
『Wii sports』のテニスが卓球になったと思ってもらうと、そこそこ間違いはないかと思います。完成度の話となるとまた別ですが(笑)
プレイヤーの移動は自動で行われます。Wiiリモコンを振ると、ラケットを振ります。
打った玉の起動は、振るタイミングによって決まっていて、早めに振ると卓球台の対角線上に玉が飛んでいき、遅めに振ると反対になります。もちろん、早すぎたり遅すぎると空振るのは言うまでもないですが(笑)
また、ボールが遠かったり、打ち返せたけどタイミングが遅すぎた場合は「体勢を崩した状態」になってしまいます。その時は、Wiiリモコンを振ることで体勢を立て直します。
逆に相手が「体勢を崩した状態」になった場合、こちら側には!マークが出ます。ここで玉を打ち返すときに「Wiiリモコンを振って玉を打ち返すタイミングでAボタンを押す」と、スーパーショットが打てます。超早いです。
もちろん、こちらが体勢を崩した場合は、相手に!マークが出るので注意!
あ、ちなみにこのゲームは右利きプレイにしか対応してません。ご了承あれ。
●3種類のミニゲームがありますが…
今作は1人プレイと対戦プレイの他に、卓球のミニゲームが3種類用意されています。
・まとあてピンポン
相手コートのどこかに赤いマークが表示されています。そこにできるだけ近いところに打ち返しましょう。1回玉を返すごとにポイントが入り、1000ポイントに達するまでの時間が記録になります。
赤いところに玉を返すと1回で50点。そこから遠いところに返すほど得点が低くなります。ボールを落とすと100点の減点になるので注意。
個人的には、このミニゲーム自体は正直イマイチなんですが、面白いのは「相手が絶対に返してくれる」ところです。言うなれば、長いラリーが続けられるので、その点ではまあ楽しめるかなと思ったりします。
・スリリングピンポン
ルールは普通の卓球ですが、ラリーした数が得点になります。先に99点取ったほうが勝ちです。
何か『マリオテニスGC』にもこんなルールがあったような記憶がありますが、このルールは面白いです。ただ、対戦で遊べないのが…すごく残念。
(ミニゲームは1人用プレイです)
・打ち分けピンポン
相手コートの右半分にリンゴ、左半分にみかんが描かれています。上から落ちてくるリンゴとみかんを、それぞれ正しいほうに打ち分けてください。連続で成功すると獲得する得点が増えていきます。
制限時間が設けられており、その時間内に稼いだ得点が記録になります。
これはちょっと…リンゴがみかんが上から落ちてくるので、距離感がイマイチ分かりません。そこそこ慣れればいけなくもないですが、バックハンドとかも入ってくるので、けっこう難しいです。
●500円ということなら…納得なのだろうか?
まあ、そこそこの3Dグラフィックを使っていますし、卓球ゲームとしては一応成り立っているのでいいんじゃないですか?
ただ、不満点はいろいろと。
まず、キャラクターが全4人で、男の子、女の子、パパ、ママです。キャラによる能力の変化がないのは別にいいとしましても、ボイスが棒読み過ぎます。まあこれは、設定でボイスをOFFにもできるので、よしとします。
ちなみに設定では、言語を英語に変えることができます。無駄にそこを頑張られてましても(笑)
あと、ゲームとしてのワンアクセントとして「体勢が崩れる」とか「スーパーショット」を導入したんだと思いますが、あのスーパーショット…常人は絶対に返せません。(演出が入るのでタイミングもワンテンポずれるし)私も一度も返したことがありません。
それに、そこそこいい方向に打ち返すと大抵は体勢を崩せてしまうので、CPU相手ではラリーが続かない…。対人戦でも続きそうにありませんが。そういう意味で「まとあてピンポン」はラリーが続けられて、玉が早くなってくるとけっこう面白くなってくるわけです。
あと、やり込み要素は皆無です。一人用モードは自分が選んだキャラクター以外の3人のキャラクターと対戦して、クリアしたら一枚絵が出て終わり。CPUの強さも変えられません。
ミニゲームは記録が保存されてランキングが3位まで付くのでやり込み要素と言えばやり込み要素なんですが…ランキングが、ミニゲームにチャレンジした後の結果の時にしか見れないというのは、いくらなんでもどうかと思いました。
昔、私がよく買ってた『SHOCK PRICE 500』というパソコン用ゲームを思い出しました。500円で打っているCD-ROMのゲームで、2人で対戦できるものはありませんでしたが、中には非常に光ったゲームもあったりしました。
まあ…それを考えたら、500円だったらこんなもんだろうな、とは思ったりします。もっとも、先日紹介した『ことばのパズル もじぴったんWii』が2倍の価格(1,000円)だと考えても、その差は雲泥ですが(笑)
本当に「おきらく」レベルのものなので、まず1人でしか遊ばないという人には絶対向いていません。きっと、「もう500円出してあげるから、もう少しはマシなものを遊ばせてくれよ」ってことになるでしょう。
対人戦になれば、そこそこ楽しめるのではないかと思います。が、過剰な期待は禁物です。あくまで「500円」ですから。