
(画像はDVDのパッケージです)
先日テレビ初放映ということで、見ました「ブレイブストーリー」のインプレッションです。「妖怪大戦争」のテレビ放映の時と違い、一応ちゃんと最後まで見せてはくれたっぽいです。
アニメーションや2Dと3Dの掛け合わせは、GONZOの能力をいかんなく発揮できてはいると思います。アニメーションはなかなか細かいし、3Dとのマッチングも見事でした。一部違和感のある場面もありましたがw
キャストは殆どが俳優を起用ということで鼻っから否定的な評価をしている人も少なくなりませんでしたが、松たか子さんのワタルの声はけっこうイケてると思いますよ。他のキャストも及第点。個人的にはウエンツ君のミツルが若干違和感を感じる時ありましたが…w
ストーリー自体はというと…予想はしていましたが、かなり駆け足でしたね。2つめの宝玉が手に入ってから最後の宝玉を目指しているところまでをたかだか1分のダイジェストで済ませちゃてますし、突拍子もない場面の切り替わりや、ちょいと説明不足な点はただただありました。
キャラクターもなんかこうザーッと紹介していったという感じで、各キャラの役割というか個性がそんなに引き立っていなかったように思います。特に最後に出てくるオンバという化け物は、私はPSP版をプレイしていたので分かりましたが、何も知らない人が見たら「お前誰?」ということになりかねないかとw
というか、PSP版でもそこまであんまり説明されてませんけどねw
それと…中盤からはよかったんですが最初のほうはなんとなく「間」のとり方があまりうまくないという印象も受けました。何というか…アニメーションが早いというか、せわしないというか…。私は角川文庫出版の原作の上巻だけは読んでいたので、まあ飛ばしても問題ない点ではあったのかもしれませんが…なんだかやっぱり駆け足でしたかね。
そしてラスト。なぜ女神に会えなかったミツルの願いがかなったのか?という部分は想像で各自補ってください、という意図なんでしょうか?ゲームっぽいストーリーの強みは、想像を楽しめるところがあるのが他の映画と違うところでしょうかね?ただこれだと当然「最後が意味不明」と捕らえる人も多いでしょうけど。
やはり2時間ちょいの時間に収めようとすると、どうしても駆け足になってしまいますよね。それがせっかくのGONZOのクオリティを損なってます。まあ仕方ないと言っておきましょう。小説などで原作が存在する映画で、完璧に表現できている映画なんて見たことないので。
ただ、世界観は好きですね。ヘタすれば別の人物で新たなブレイブストーリーを構築できるわけですから。…まあゲーム化したのがまさにそれなんですけどw
何となく厳しい評価にしましたが、決して悪くはありません。見て損はないハズです。
これは…やはりPS2版をプレイしてみるべきなのかな?ゲームとしてストーリーを構築した場合、どれくらいのボリュームになるのか?それによっては、映画でブレイブストーリーの原作が表現しきれたのか?という点が分かってきます。というか…アナザーストーリーであるPSP版でもクリアに十数時間かかったんですから、2時間という映画の枠で表現し切るのはやはり厳しかったのかもしれません。ま、映画には映画の、小説には小説のいいところがあると割り切りましょう。
全体の内容としては確かに駆け足な感じを受けました。やはり長編の小説を映画一本の尺にまとめるのは難しいんですかね。さらにファンタジーな世界観だとその世界設定を語るなり見せるなりで伝える必要もありますから尚更大変でしょう。(まぁそれゆえの駆け足展開や説明不足なんでしょうけど)
声に関しては私も結構ありだと思います。部分的に気になるところは確かにありましたが(ミツルあたりは叫んだりするとどうしても違和感が)全然優秀ではないでしょうか
ただ大泉洋は声優経験があるとはいえさまになりすぎでしょう(笑)何か北海道の方言をしゃべったシーンがあったんですが、あれはアドリブでしょうか?
ちなみに最後の最後はご都合主義というんでしょうか?やや強引なオチともいえなくもないですが、一様、一般大衆や子供向けに作ったものでしょうから救われる最後がいいとは思います。原作でもそうなっているんですかね?
ところで自分も映画やゲームなんかでもあまり偏った評価をしないよう心がけてはいますが。基本的にオタクですし、3Dなどを勉強している分どうしても変なフィルターをかけて見てしまいがちですが。世間一般の人たちはきっとそういった細かいところを気にはしないんだろうなーと思うことがあります。たまに作品本来の評価以上に人気やブームが先行するものもありますし、世間一般という枠組みは案外ミーハーなのかもしれません。
何か最後は話が変わってしまいましたが、まぁ個人的には楽しめたので機会があったら原作もよんでみたいですね。
大泉さんは今作ではまさに「らしい」感じの西友でしたし、一方で「レイトン教授と不思議な町」では見事にダンディな声を演じていましたし。アノ人はけっこうやりますねw
オチは他のレビューを見る限りでは原作と全く違うらしいです。つまり最初のうちはそれなりに忠実に再現し、後になってくるとどんどん時間を切り詰めていかなくてはいけないと考えると、ドンドン本来のストーリーとかけ離れていったのかもしれません。私たちが作品を作った時だって、そういうことあったでしょ?(ぇw
実は後日、そのいわゆる世間一般の考え方という考えにちょっと絡んだお話をしようと思っていますが、私たちが考えていることって、実はほとんど当たってないのかもしれません。専門的知識を蓄えればその分野に関してはとても詳しくなれますしよく分析できるようになりますが、それゆえにその周りの知識や分析に、どうしても無意識な先入観が入り込んできてしまうことがあります。だからこそ、客観的な考えが大事なんだということだと思いますね。