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元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

Wii『スーパーロボット大戦NEO』 ファーストインプレッション

2009年10月30日 17時22分11秒 | 【旧】購入・レビュー話


スーパーロボット大戦NEO
対応ハード : Wii
発売元 : バンダイナムコゲームズ
開発 : バンプレスト
発売日 : 2006/10/29
希望小売価格 :8,379円(税込)
ジャンル : シミュレーションRPG
プレイ人数 : 1人
CERO : A(全年齢対象)

※約10時間ほどプレイして、第9話まで進めてのインプレッションです。


●Wiiで、新たな形のスパロボが開幕!
今作は、様々なプラットフォームで発売されてきた『スーパーロボット大戦』シリーズの最新作です。
Wiiでは初のシリーズ作品で、3Dマップを生かした様々な新システムが特徴です。


●新システムを紹介
◆マス目がなくなったマップ
マス目の呪縛から解き放たれた3Dマップ。その中を、ユニットたちは縦横無尽に移動できます。移動範囲、攻撃範囲は円状で示されます。移動時には、移動後に消費するENが分かる他、射程1がどれくらいの大きさかを示す点線の円が表示されるようです。目安にしましょう。射程と移動の数値は、同じ大きさで示されます。(射程3の武器の攻撃範囲と、移動3のユニットの移動範囲は全く同じ)

◆移動について
当然ですが、他のユニットがいる範囲に止まることはできません。また、地上のユニットの場合は建物の上に乗ることも、段差となる斜面に止まることもできません。(飛行ユニットは、その影響を受けません)

◆シームレスバトル
弱めの攻撃の場合は、通常の戦闘デモではなく「シームレスバトル」という戦闘デモになります。通常は演出重視という感じですが、シームレスバトルではマップをそのままに演出を行う仕組みになっています。
とても快適になったかというと…前口上はあったりするので、あまり変わりなし。ただ、基本的に戦闘デモの始めと終わりのつながりは非常に綺麗にできていると思いました。

◆包囲システム
攻撃する敵ユニットの周りに、囲むように味方ユニットがいる場合に発生し、攻撃力・命中率が上昇します。計算は以下の様に行われます。

・包囲…攻撃する敵の上下左右にユニットがいる場合、1つのユニットにつき攻撃力が10%アップします。ただし、同じ方向に2つ以上ユニット以上がいても、1つとしてカウントされます。全方向にいると40%アップですね。
・挟撃…的ユニットの上下、もしくは左右にユニットがいる場合、攻撃力が30%アップ+命中率が20%アップします。

つまり、全方向を包囲すると、包囲4つ+挟撃2つで攻撃力が100%アップに!命中率は40%アップ…と言いたいところですが、全方位の場合は50%アップするようです。
HPが高かったり回避率が高いボスクラスのユニット攻略には、包囲システムが欠かせません。うまくいけば「必中」いらずですし。
ただ、言うまでもないですが、この包囲システムは敵の攻撃でも発生しますよ。

◆突破攻撃
特殊な武器の1つで、今いる地点から別の地点まで移動し、その間にいる全ての敵ユニットを攻撃できるという武器です。使用時には、移動するポイントを選択します。もちろん、止まれないところには移動できませんし、突破攻撃を無効化する敵をいるみたいです。
援護攻撃では使用できません。

◆押し出し攻撃
特殊な武器の1つで、攻撃した敵を後ろに強制移動させることができます。強制移動することで、相手の反撃時の武器が射程外になって反撃不能になるメリットがあったりします。また、移動した先に障害物があったり段差があったり、移動できないポイントがあった場合、追加ダメージを与えることが出来ます。
援護攻撃では使用できません。また、この武器を使用した場合は援護攻撃を受けられません。

◆曲射攻撃
特殊な武器の1つです。通常は、攻撃を行うユニットと攻撃する敵ユニットとの間に障害物があると、攻撃できません。が、曲射攻撃は障害物を越えて攻撃することができます。

◆その他、武器の主な特殊能力
・対空…空中のユニットに対して強さを発揮します。
・対地…地上のユニットに対して強さを発揮します。
・フリーズ…一定の確率で、敵の能力を下げます。
・ファイア…一定の確率で、追加ダメージを与えます。
・ロックオン…敵の援護防御を無効にします。
・ヒット&アウェイ…攻撃後に移動力が残っていれば、移動できます。
・スタン…一定確率で、反撃不能にします。
・エスケープ…武器使用時に回避能力が上がります。
・ガードアーム…武器使用時に防御能力が上がります。


●従来のスパロボユーザーが気になるであろう、細かい変更点の数々
を、ピックアップ。

◆作品の雰囲気について
本編スパロボのちょっと銃好感のある印象と違い、今作は全体的にかなり華やか?な印象です。参戦作品がそういう作品ばかりということもありますし、全体的な画面デザインやBGM・効果音が、重厚な感じではなく透明感のある感じに変化したのが大きいかと思います。効果音も、これまでのスパロボシリーズで統一してきたものとは別物という割り切りぶり。

◆操作について
・今回、ソフトリセット(一瞬でタイトル画面に戻る操作)ができないですよ~。思い切った削除ですね。絶対文句が出るでしょうが、開発者からするといわば「リセットゲームじゃねーぞ!」的な意図なんでしょうね(笑)
・音声や演出音は、鳴り終わるまで次の操作に移れない仕様になっています。例えば、イベントでボイスが流れている間は、Aボタンを押してもメッセージが送れないです。(A+Zボタンでメッセージをすっ飛ばしている場合は送れます)連打しても音声が途切れない反面、じれったくはなるでしょうね。
・ユニットの移動・攻撃を選択する時の「個別コマンド」のメニューが、リング式になっています。

◆援護システムについて
・援護攻撃、援護防御は全てのユニットが可能になっています。(それぞれ1ターン1回のみ)
・援護攻撃は、攻撃するユニットの一定範囲内にいるユニット、もしくは攻撃対象となっている敵ユニットの一定範囲内にいるユニットが可能です。(当然、攻撃が届かないとダメ)援護防御は、攻撃を受けるユニットの一定範囲内にいるユニットが可能です。

◆その他戦闘について
・「補給」コマンドは、移動後に使用できるうえに使用しても気力が減らなくなりました。ただし、ENは全快にはなりません。(一定量のみ回復)
・「修理」「補給」と同列のタイプで「魔法」というコマンドが存在します。HPを回復できるものや、能力を上げるものなど、様々なタイプがあります。
・敵から攻撃を受けた時の「回避」は、命中率半減ではなく、命中率30%ダウンになっています。

◆武器について
・武器に「弾数」という概念がなくなりました。つまり、全ての武器が無限に使えます。もちろんEN次第ですが。
・武器に「クリティカル補正」という概念がなくなりました。(ただし、特殊効果として付いていることはあります)
・マップ兵器は全て、敵のみへの攻撃になりました。全員がサイフラッシュ状態です。(従来は、ほとんどが味方も巻き込む)

◆装備について
「強化パーツ」ではなく「アイテム」という呼び名になっています。装備できる数は今回、比較的多めです。(4~5つ)
また、HP・EN回復系が、使用してもなくならないタイプになりました。わりと便利です。(もちろん、次のステージになるまでは使えませんよ)

◆精神コマンド絡みについて
・精神コマンドは敵ターンでも使用可能になりました。
・サポート系の精神コマンドに「範囲」という概念が加わりました。つまり「信頼」や「応援」を、すごく遠くのユニットに使うことができません。注意しましょう。
・精神コマンドにレベルの概念があり、レベルに応じて消費SPや能力の高さが変わります。また、上位のレベルを覚えても、下位のレベルで精神コマンドを使用することも可。(熱血Lv2を覚えても、熱血Lv1が使用可能)
・ターン開始時に、EN、SP、気力が一定値増えるようになりました。
・SPの初期値は、最大値ではありません。(20だったかな?)ターンを重ねてSPを増やしておけば、ボスクラスとの戦闘の頃には思いっきり精神コマンドを使える、的な流れです。

◆パラメータについて
運動性・装甲というパラメータがなくなり、代わりに「攻撃」「防御」「命中」「回避」というパラメータがあります。効果は…まあ、だいたいご想像の通りです。
数値は1~2桁で示され、ユニットが「防御」と「回避」の2つを、パイロットが4つ全てのパラメータを持っています。つまり「防御」「回避」はユニット+パイロットのパラメータとなります。
※初期値の参考
スーパー系ユニット…回避が大体1桁・防御は20前後
リアル系ユニット…回避は15前後・防御は10前後
攻撃・命中はキャラ次第なので、どれも似たような感じ(戦艦に乗っているキャラは攻撃が低めの模様)

◆敵の能力について
今回は、敵ユニットの能力を一部しか見ることが出来ません。
見れる内容は、HP・EN・SP・気力・攻撃・防御・命中・回避・サイズ・移動力です。特殊能力、武器の内容は全く分からないようになっています。
ついでで、今回は「偵察」コマンドもありませんよ。


◆partygameの評価◆…80点(100点満点)
従来のスパロボとは一線を画す、タイトル通りの新しいスパロボ

簡単に言うと、本編のスパロボはロボット作品の華麗な活躍を楽しむ「雰囲気作り」に重きを置いた作品。逆に今作は、シミュレーションRPGとしての要素が強い「ゲームとして楽しむ」点に重きを置いた作品、という感じです。

従来のスパロボにすっかり慣れ親しんでいるユーザーは、まず様々な変化に面食らうことでしょう。今までスパロボの常識や知識はほとんど通用しません。しかし、プレイしていってそれに1つ1つ慣れていき…全体像が把握できた時は「あっ!これはこれで全然いいじゃん!」と思えるハズです。マップをユニットたちが動き回る様や、マップから戦闘へつながる連動感は、2Dではなかなか得られない感覚です。
逆に言うと、理解するまでにたどり着かずに投げ出す人も多いでしょう。あるいは、理解したけど合わないという人も多いでしょう。本編以外のスパロボをスパロボと認めないような固着したユーザーは特に、です。

私自身も最初は、様々な部分を注意深く手探りでプレイしていました。説明書も最初からフル稼働でした(笑)何せ最初がそんな感じだったので、正直、最後までプレイできるんだろうか?という不安もありましたが…現時点まで進めてみると、いつものスパロボのように、先が気になり始めている自分がいたわけです。というか、初日にして6~7時間プレイしている時点で、充分ハマっているだろう、と(笑)
序盤から半端ないHPの敵が出てきて「おいおい…」と思っていましたが、包囲システムを上手く駆使していけば、序盤でも大ダメージをしっかりと与えることができるので、こう…まさにシミュレーションRPGならではの戦略ある楽しみを強く感じているわけです。しかも、あまりゴテゴテとしたシミュレーションRPGは好きじゃない私ですが、そんな私でもこれらのシステムは直感的に理解しやすく、楽しいと思えました。
油断していると敵に包囲されて、一瞬で撃墜されるなんてのもけっこうあったり(笑)

参戦作品については、いつも通り私は評価として加えません。人それぞれですし、そもそも私、知らないですし(笑)
ただ、説明でもありますが今回はどちらかというと子供が主人公の作品がほとんどで、かなり華やか…というか初々しいというか…そんな雰囲気を感じます。従来スパロボの酸いも甘いもかみ分けた参戦バランスもいいですが、こういうのもいいとは思いました。

その他、細かいところも見ると…敵ターンで精神コマンドが使える・移動時に消費ENが分かるなどの改善点もあれば、敵からの攻撃に対応する時に最終決定の直前まで進まないと相手のHPが表示されないとか、リング式の個別ユニットメニューは見た目重視という感じで操作性はイマイチだったり、改善すべき点も多いです。いかにも初路線の作品らしい感じです。
また、全体的に開発者が「魅せたい!」という意識が強かったんだろうな~という感じがあり、反面でテンポが微妙に悪くなっているのも感じはしました。いつも以上に1ステージにかかる時間が長いですし、音声がかっ飛ばせない点や、会話シーンでもMAPに切り替わって場所を示したり演出を見せたりする点など…。音声が途切れるのがイヤなのも分かりますが、飛ばしたい人も多いでしょうから、なんとも言いがたいところです。あと、その思いを感じる割には、音量のバランスがあまり良くないようにも思いました。(ボイスの音量が大きくて、BGMの音量が小さい)
会話シーンで度々マップに切り替わっては演出が入る点は、臨場感があるという面では良かったです。


本編のスパロボとは一線を画した、まさに「NEO」なスパロボです。表示内容や操作周りなどの細かい点で気になるところは少なくないですが…基本的には、これはこれで全然OKなスパロボです。
とにかく従来のスパロボと比較してしまうと、変化した点が非常に多いので…まずはそれに付いていけるかどうか?そして、理解した後にその戦略性のあるスパロボに馴染めるかどうか?が重要なところです。まあ…シミュレーションRPGのシステムとしては充分完成度は高いと思うので、楽しめるんじゃないかと思いますよ。無論、本編しか認めない固着ユーザーはお断りです。

シナリオクリアしたら、セカンドインプレッションを書きます。



※追記(2009/11/04 23:10)
参戦作品が好きで購入を検討されているかたのために、誰がメインストーリーありで、誰がオマケ参戦かを一通り書いておきます。
(自信がない作品については、「?」を付けます)

◆メインストーリーありの作品
絶対無敵ライジンオー
元気爆発ガンバルガー
熱血最強ゴウザウラー
新ゲッターロボ
獣神ライガー
覇王大系リューナイト
NG騎士ラムネ&40

◆メインストーリーなしの作品
完全勝利ダイテイオー?(参戦が、ダイテイオー・ダイリュウオーと、おそらく合体後?だと思われる計3体のみ)
マジンガーZ(マジンガーZ・ダイアナンAのみ、敵ユニットは一切なし)
グレードマジンガー(グレートマジンガー・ビューナスA・ボスボロットのみ、敵ユニットは一切なし)
疾風!アイアンリーガー?(メインっぽそうなユニットは出ているようですが…全7ユニット)
銀河疾風ブライガー(ブライガーのみ(もちろん変形は可能)、敵ユニットは一切なし)
戦国魔神ゴーショーグン(ゴーショーグンのみ、敵ユニットは一切なし、グッドサンダーも出ません)
機動武闘伝Gガンダム(味方はGガンダムのみ、敵としてデスアーミーなどのザコ敵は登場、マスターアジアは残念ながらいない模様)

◆ちなみに…
今回は、版権作品からの戦艦は1つもない模様です。
今作は、バンプレストオリジナル作品の戦艦をずっと使っていくことになるようです。
あくまで、今のところですが。
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1 コメント

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昨日アマゾンから届きました。 (ダイヤ)
2009-11-01 16:07:50
最初はこちらも今までのスパロボとシステムが違って一寸戸惑いましたが慣れました。
結構面白いのでこの路線続いていってほしいです。
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