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元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

映画「おおかみこどもの雨と雪」 インプレッション

2012年08月21日 11時55分44秒 | 【旧】購入・レビュー話


おおかみこどもの雨と雪
製作国 ―→ 2012年日本映画
上映時間 ―→ 1時間57分
配給 ―→ 東宝
映倫区分 ―→ G(全年齢対象)



■====== 簡単なご紹介 ======■



普通の人間である女性が、女手ひとつで狼人間である子供を育てていく、アニメ映画です。
『時をかける少女』『サマーウォーズ』を手がけた細田 守監督が、初めて脚本から手がけた作品だそうです。また、舞台は富山県の里山をモデルにしているそうですよ。


◆=== あらすじ ===◆

大学生の花(女性)は、ある1人の男性に一目ぼれ。恋に陥っていきますが、その男性は、ニホンオオカミの末裔である狼人間だったのです。
それを知ってもなお彼との生活を共にする花。そして、オオカミであることがバレてはいけないので、自力で2人の子供を産みます。

幸せいっぱいの毎日…と思っていた矢先、不幸が襲います。狼人間である彼の、突然の死。
花は、誰にも頼れない環境のなか、男の子の”雨”と、女の子の”雪”を、狼人間だとバレないよう育てていくことを決意します。そのために、もっとのびのびと生活でき、子供達に”どちらとして生きていくか?”を選択できる環境に、移り住むことになります。



■====== partygameの評価 ======■

=良い  =まあまあorちょっと気になる  ×=悪い

◆=== 参考データ ===◆
 見に行ったメンバー ―→ 私と両親
 前情報 ―→ 見ていません
 同監督のこれまでのシリーズ作品 ―→ 『サマーウォーズ』を見たことがあります


◆=== 演出や見た目について ===◆

○ ―→ 表現力は、充分だと思います。
アニメ絵で見せるところはしっかり見せ、一方でアニメ絵と一緒にしても浮かないような3DCGもあり。
子供達が疾走しているのを子供の視点で見せている場面なんかでは、なかなかの疾走感が描けていたと思います。人によっては酔うかもしれませんが(苦笑)

△ ―→ たまに、不自然なタイミングで映像がスパッとシャットダウンされるのが、気になりました。
何となくやりたい事は分かるんですが、間の取り方が中途半端に感じたり、そこは別にそうしなくても良いような…と思う場面もあったり。『サマーウォーズ』の時に、こんな表現使ってましたっけ?

△ ―→ 時折入る、リアリティな描写が目立ちます。
恋に落ちた両人が、いきなりベッドの上&裸で目覚めたり、死んでしまった彼(狼人間)の目が見開いていたりと、妙にリアリティな描写があるな~と思いました。雨&雪の物語になってもそういった描写がたまにあり、大人はともかく、子供には少々刺激が強いように思いました。
事実、私の1つか2つ後ろのほうでは女の子が、この描写のせいか「もう帰ろうよ~(泣)」って言ってました(苦笑)

△ ―→ そもそも、”耳のついた子供”という描写をどう思うか?ですかね。
私はまあご存知の通りのゲームユーザーなので、こんな表現なんて散々見てきましたが、一般的にこういう表現って、どうなんだろう?って思いました。
完全にファンタジーと割り切っているならともかく、今回はリアルな物語のなかに唯一”狼人間”というファンタジーが入り込んでいるので。リアルなのにリアルじゃない。リアルじゃないのにリアル。人によっては、生理的に合わないって人もいるかもしれませんね。
ま、予告編なりポスターなり見れば分かることなので、その時点で合わない人は合わないと分かるでしょうけど。


◆=== 人物と物語について ===◆

○ ―→ 最初から最後まで、分かりやすいテーマを貫いたという感じです。
いわゆる母親としての大変さ。ましてや子供は狼人間。ただでさえ今の世の中、普通の子供であっても虐待だの何だのあったりするなか、普通の子供以上に難しい面のある子供を育てることが、どんなに大変か。その一片でも見ることはできたように思います。

○ ―→ 1人1人の立ち位置も明確で、分かりやすかったかな~と思います。
子育ての苦労に度々直面する花。それを受け、雨と雪は成長しながらそれぞれ思う道を選択していきます。
それを支える人たち。あるいは学校の友達。かっこいいと思うキャラや、うざったいと思うキャラ。登場する割合の差はあれど、各人物が滞りなく引き立っていたと思いました。
ここがちゃんとしているので、終盤には色々と感動できる場面がありました。

△ ―→ 驚ける展開は少ないです。
描写的な意味で驚くことは少々ありますが、物語自体は、わりと無難な印象。
どちらかというと”しみじみ”と楽しんで欲しい感じです。



■====== まとめ ======■

子育てに”狼人間”というファンタジーな要素が入っていますが、内容はわりと直球って感じで楽しめました。
狼人間ゆえに、普通の子供以上に子育てが大変であるという点はありますが、それ以外については終始、子育ての苦労と行く末を描いているという、比較的分かりやすい内容の映画になっているかと思います。

『サマーウォーズ』の時は、仮想コミュニティみたいなのがあったりと、いかにもそっち向けの人を狙った作りって感じがしましたが、今回はおそらく、もっと幅広い層。もっというなら親子とかに見に来て欲しいと思って作ったんだろうな~と感じます。
しかし、子供からすればちょっと刺激的な描写で怖いという印象を持ってしまいそうですし、大人からするといわゆる”ネコミミ”的な描写が受け付けるかどうか?という問題がありそうで、幅広い層を狙うには”つじつまの合わなさ”があるように思い、そこが個人的にちょっと気になりました。
ましてや、オオカミ自体がどうしても”怖い”という印象がありますし、その怖さを助長させるような表現もありますし。”狼人間”という設定を、できることなら同じ役目を果たせる他の設定にしたほうが良かったかもね、と思うところはありました。

なので、怖いものがさほど苦手でなくて、あまり幼すぎないお子さん(小学生の高学年くらいからかな?)をお持ちであれば、ご家族で見に行っても良いんじゃないでしょうか。
子育てという表現を、子供は”感謝”の思いで。大人は”懐かしい”思いで見ていただけでしょう。きっと。

万人向け ← ○○○●○○○○○○ → マニア向け
真面目 ← ○○●○○○○○○○ → ギャグ
ストーリー重視 ← ○○○●○○○○○○ → ビジュアル重視


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