チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「百人一首の数学と魔方陣cipher/その5・【わが】」

2010年08月26日 02時02分25秒 | 暗号ノ米マデイッテテブチキラル
昨年末、大掃除をして昔の本、
「百人一首の魔方陣(太田明著/徳間書店刊)」
を見つけて、それに触発されて、この
「百人一首の数学と魔方陣cipher」スィリーズを
書き始めた。が、同著者は、この4月に、
「百人一首の暗号(太田明著/学研パブリッシング刊)」
として、新たに書き直したものを上梓してた。ともあれ、
同人による、藤原定家が残した「10次魔方陣」なるものは、

008 007 095 096 004 003 099 100 084 009

010 019 081 080 022 023 077 076 026 091

011 074 028 029 071 070 032 033 067 090

089 066 036 037 063 062 040 041 059 012

088 043 057 056 046 047 053 052 050 013

087 051 049 048 054 055 045 044 058 014

086 042 060 061 039 038 064 065 035 015

016 034 068 069 031 030 072 073 027 085

018 075 025 024 078 079 021 020 082 083

092 094 006 005 097 098 002 001 017 093

だという。
どの横行を足しても505、どの縦列を足しても505、
対角ふたつの和もそれぞれ505、
となるのである。

ところで、
この百首の中で、
【わが】という語が入ってるものは、

[初句]
008=わがいほは
092=わがそでは
[二句]
041=わがなはまだき
[三句]
040=わがこひは
[四句]
001=わがころもでは
009=わがみよにふる
015=わがころもでに
023=わがみひとつの
086=わがなみだかな
095=わがたつそまに
[五句]
096=わがみなりけり

と、計【11】首ある。ちなみに、この
【11】という数字は、
「百人一首」と「百人秀歌」とで、
歌番が変わらないワカの数である。それはともかく、
上記「10次魔方陣」にその11首の歌番を
[を附してみた。

[08 007 [95 [96 004 003 099 100 084 [09

010 019 081 080 022 [23 077 076 026 091

011 074 028 029 071 070 032 033 067 090

089 066 036 037 063 062 [40 [41 059 012

088 043 057 056 046 047 053 052 050 013

087 051 049 048 054 055 045 044 058 014

[86 042 060 061 039 038 064 065 035 [15

016 034 068 069 031 030 072 073 027 085

018 075 025 024 078 079 021 020 082 083

[92 094 006 005 097 098 002 [01 017 093

「魔方陣」の「4隅」のうち、3つまでもが、
【わが】という語が入ったワカである。ただ一首、
10行10列の093のワカだけが、【わが】という語を含まない。

#093=鎌倉右大臣(=源実朝)
[世の中は、常にもがもな。渚漕ぐ、あまの小舟の、綱手かなしも]

実朝の歌には【わが】が入ってるものがないわけではない。たとえば、

[わが恋は、百島めぐり、浜千鳥。ゆくへもしらぬ、かたに鳴くなり]
[わが心、いかにせよとか。山吹の、うつろふ花に、嵐たつらむ]

とくに、後者は定家の父俊成(方陣では実朝のすぐ上083)の、
[わが心、いかにせよとて、ほととぎす、雲間の月の、影に鳴くらむ]
を本歌としてるものである。なぜ、
実朝の【わが】が入った歌を採らなかったのか、
井川遥女史と堀内敬子女史の顔を判別できない程度の
拙脳なる私にはワカるはずもない。が、
この歌を採ってないということは、
「実朝は093でかつ10行10列であることが必要ではあるが、
【わが】が入った歌ではいけない」
ということは確からしい。
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