チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#23パ・ドゥ・カトル/ヴァリアスィヨン1金の精」

2010年08月25日 00時40分16秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
[アッレーグロ(テンポ・ディ・ヴァルス)、3/4拍子、3♭(変ホ長調)]
ファゴット1管+第3トロンボーンとそのオクターヴ下のファゴット1管+コントラバスが、
***♪ドー・ーー・>ソー│<ドー・ーー・>ソー♪
という低音の伴奏をffで反復させ、
オーボエ2管+トランペット2管+そのオクターヴ下のクラリネット2管+トロンボーン2管が、
***♪●●・ソー・ーー│●●・ソー・ーー♪/***♪●●・ミー・ーー│●●・ミー・ーー♪
とffで重ねるのに乗じて、
フルート2管+両翼vnとそのオクターヴ下の
コルノ・イングレーゼ+ヴィオーラ+チェロが、
***♪ドー・ーー・ーー│<レー・ーー・>シー│
  <ドー・ーー・ーー│<レー・ーー・>シー│
  <ミー・ーー・>ドー│<ファー・>ミー・>レー│
  <ミー・>レー・>ドー│<レー・>ドー・>シー♪
という主題をffで奏する。主題はそのまま確保され、さらに、
推移せずにホルン4管のユニゾンに受け継がれる。そして、
***♪●ソ・<ラ>ソ・>ファッ>ミッ│
  <ソ>ファ・>ミ<ファ・>♯ドッ<レッ│
  <ファ>ミ・>レ>(N)ド・>シッ<ドッ│
  <ミ>レ・>♯ド<レ・>ラッ<シッ│<ドッ♪
というフレイズが両翼vnの3度重ね、次いで、
ヴィオーラとチェロの3度重ね、で奏されて、
***♪●ミ・>レ<ミ・>ド<ミ│レ<ミ・>ド<ミ・>レ<ミ│>ド♪
が反復されて、終いは、
***♪ドー・<ミー・<ソー│<ドー・●●・●●(フェルマータ)♪
と閉められる。わずか65小節の曲とはいえ、
チャイコフスキーとしてはめずらしく、
平行調への転調さえなくいっさい転調せずに、
終始変ホ長調で押し通す。
金(Au)はその輝きだけが魅力的なのではない。
展延性に富み、熱や電気をよく伝導させる。が、なにより、
標準電極電位が高く(+1.520V)、腐食しにくい、つまり、
溶けにくい金属であることに、最大の価値がある。その性質を
チャイコフスキーは「調性不変」で示したのかもしれない。

【cf】金はハロゲン系溶媒(たとえばヨードチンキ)、シアン系溶媒、王水には溶ける。
王水=HNO3(濃硝酸)+3HCl(濃塩酸)←→NOCl(塩化ニトロシル)+Cl2(塩素)+2H2O(水)
Au(金)+NOCl+Cl2+HCl→H[AuCl4](テトラクロロ金酸という錯体)+NO(一酸化窒素)↑

自然界で金は3価をとることが多い。なるほど、
この「金の精のヴァリアスィヨン」は3拍子のワルツなのである。
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