チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「枕詞『草枕』考」

2008年07月06日 23時19分52秒 | ヘェ?ソウ?でチャオ和歌す
「かわいい子には足袋を履かせろ」
という諺があるとかないとか。
松たか子女史と井森みゆき女史の顔をタビタビまちガエル
不出来な脳の私ゆえ、定かではない。ともあれ、
素足に草鞋だけでは胼胝ができやすいから足袋を履かせたい、
というのが不眠でも子を思う親ごころである。かつて、
愚連・グールドなる荒唐重症無稽文化芸人がいたが、
同人は漱石の「草枕」が大好きだったとか。こんな御仁に
漱石がわかるのかとも思うが、本名グレン・「ゴウルド」ゆえ、
「ゴルト」ベルク・ヴァリアツィオーネンやら
本名「金」之助やらに、特別な共通項を見出したいと切望する
俗物だったのかもしれない。
「イイエ、にあれば、G(ゲー)にもるキーを、
 草枕、サビにしあれば、恣意のH(ハー)にmoll」(ありゃま)
「スノッブれど、色に出でにけり。
 我が故意は、モノや思ふと、人の問ふまで」(フラットの兼盛)
それはどうでも、「草枕」は、一般にはおもに
「旅」にかかる「枕詞」、とされてる。が……。
旅→度、→(足の)胼胝→多湖、→(枕を)結ふ→ゆふ→夕、
などに「派生」してるのである。冗談はさておき、
「我が恋は、まさかも悲し。草枕、多胡の入野の、オクも悲しも」(万葉集・東歌)
(拙大意:私の恋は現時点でもつらいことであるよ。でも、
     多胡の入野の奥が嶮しいように、私の恋の行く末もきっと
     胸が張り裂けるようなものになることだなあ)
「多胡の入野」は現在の群馬県多野郡吉井町で、高崎の南、富岡の東である。
ここには「碑」があり、国の特別史跡に指定されてるが、「胡」から
「渡来人」に関係するものとも考えられてるそうである。
百済からの渡来ならば、それはまさに海を越えた「旅」である。また、
「碑」といえば、多賀城碑。これは国の重要文化財である。
現在の宮城県仙台市の東端、宮城野区と多賀城市のあたりは、
征夷大将軍坂上田村麻呂が東征にやってきた頃は、海に面する
湖沼地だったようである。現在も「田子」という地名を残すが、
それはつまり「多湖」、という「頭の体操」なのである。さて、
多賀城とは、「蝦夷」討伐の軍事拠点である。よって、
徴兵され、この「道の奥」の地で戦死してった者も多かっただろう。
「草枕」にはそうした家族と離れた「死」のイメージが附随する。
「人もなき、空しき家は。草枕、旅にまさりて、苦しかりけり」(大伴旅人)
「たびと」とはおそらく「ニックネイム」なのであろうし、巷の
イメージとしては「酒・旅・放浪」などの浪漫的な詩人のように
イミッジくもなく勝手な想像を持たれてるようであるが、現実は
中央政権の中で勢力の一翼を担い、そのため政争に関わってた、
れっきとした「政治家」だったのである。しかも、
「征隼人持節大将軍」として九州に遠征するような
「武人」「軍人」でもあった。最後は、
大宰帥から大納言にまで昇進してるのである。が、その
太宰府で妻を亡くし、奈良に戻ったとき、
かつて妻が植えた梅をみて詠んだのが、上の歌である。
最近は週末にカエルことがあるかないかの横浜の実家には、かつて
父が植えた蝋梅の木々が、今は葉を緑に色づけてる。
「草枕、旅に物思ひ、我が聞けば、、
 夕かたまけて、鳴く蝦(かはづ)かも」(詠み人知らず)
(拙大意:旅先で、残してきた気になる人のことを思いめぐらして
     恋しさのあまり感傷に浸ってるといつのまにか
     夕暮れになってしまったようだ。すると、
     その時を待ってたかのように、
     牡鹿がツガイの牝を呼ぶ鳴き声に似た声で一斉に
     鳴きだしたカジカガエルなことであるよ)     
この歌には「草枕」から→「旅」、→「夕」と、二つに掛けられてるが、
ここで歌われてる「蝦」とはカジカガエルのことだそうである。
鳴き声が牡鹿に似ているので河鹿と言うのだそうである。ところで、
先ほどの「多胡」から塩ガマ、そして、海岸線をさらに東に進めば、
そこは「牡鹿」半島である。
私の雄たけびはいつも一通で、こだまして戻ってきたことはないのである。
名にからなにまでマクラ闇なのである。ときに、
本日の「みちのく」福島競馬の「ラジオNIKKEI賞」は、
「not alone」号の「蛯」名騎手が、
単勝6番人気ながら2着したことである。

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2 コメント

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かがやき (=輝き?、=加賀焼(九谷焼)?) (passionbbb)
2015-02-08 19:30:51
>コトタマ学さん、
ありがとうございます。

夢をだに 結びも果てず。草枕 仮寝の床の 夜半の嵐に
返信する
謹言 (コトタマ学)
2015-02-07 01:35:28
北陸へひとみ足掛け草枕かりねが夢い君とみつらむ
返信する

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