チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「ラッパ吹達は3度ファンファーレを鳴らす?」

2006年02月16日 02時06分09秒 | chiuso着ぐるみ割り人形を噛む
>やすのぶさん、
コメント、ありがとうございます

<少子化問題と、ある種の子供には
 絶大なる不幸が訪れるようになってしまいました>
▲離婚というのも、ある種の子どもに大いなる不幸をもたらすもの、
ですね。そして、再婚ともなれば継父母とのやっかいな問題も生じる。
まぁ、夫婦喧嘩は犬もミッシェル・クワンの事態ほどに、
予定調和で済んでるうちがハナですね。

<ト書きでは、ファンファーレが鳴って3人登場します。
 老伯爵と彼の妻および彼の娘。娘は単数。La fille>
▲ご指摘、ありがとうございます。おっしゃるとおりですね。
そのようなコント仕立てになってたことを忘れてました。
ドーチて見落としてしまったんでしょう。やはり、
外国語のひとつもできないといけませんね。

<『眠り』のパドゥシスには、同列の6人が登場するので、
 ここでもパドゥシスと銘打っている以上、
  あまりに奇抜なものも考えられないとは思います>
▲で、森田本の「台本訳」やスコアのト書きを見てみると、どこにも
「6人」とか「パ・ドゥ・スィス」とか書かれてないんですね。
<パドゥシスと銘打って>あるのは、コンテンツの#19の箇所と、
#19の扉ページの「#19」の下の括弧書き、だけですね。
……あるいは……
#19はやはり「パ・ドゥ・スィス」で、やすのぶさんが触れられた、
(ブロード版では、繰り返しの場所違いにより5回鳴るように
解釈可能ですが、もしそのようにしたら、音楽の流れは不自然です)
が気になります。ですが、「ヤフー時代」での
そこのご説明を私は忘れてしまったので、
(*)お手数ですが、いま一度、こちらでご披露くだされば幸甚です。

<さすがチャイコフスキー。和音の性格に合わせた使い方はぴか一ですね。
 四六主和音→繋留→属和音・・・・これ最強!!>
▲「くるみ」#14「アダージョ」の主主題
♪ド>シ>ラ>ソ>ファ>ミ>レ>ド♪
を「予告」した#7終いの、♪(ド<レ<♯レ<ミ)<
ド>【シ】>【ラ】│>ソ>ファ│>【ミ】>『レ』│>ド♪
における、
「四六主和音→属9(第3音省略)→属7(第5音省略)→主和音」
という和声も強烈です(属音が持続バスで、最後の主和音で移動)。
この「節」のうち、【】の音は非和声音で、
第5音がない属7には、『レ』が後打ちされて充たされる、
という「仕組み」です。涙があふれてしまう箇所です。

<一度ピアノを叩いて確認してください。
 「属七」を介して2つの主和音を叩いたとき、
  長のときは長、短のときは短であるべきで、交差は非常に不快です。
   ピカルディーは曲尾にのみ許されるその不快さを逆手に取った用法です>
▲「短→長」だと、オワズ(oise)ケをそれまで食らってて、
かならずや最後にご褒美をクレルモン(clermont)と思ってたのが
実現されたみたいですし、むしろ、
「短→長」のほうがタンチョウツルっと移行できて、
私の脳にはまったく不快には感じないのです。が、一般的には、
やすのぶさんがおっしゃるとおりですね。トキに、
Y染色体はほとんど交差しませんが、X染色体の半分弱は容易に交差します。
これを我々エセ遺伝の東研究屋のあいだでは、
「岡田可愛と半分弱のX攻撃」と呼んでます。サインはV(属和音)です。
ナポレオンはアミアンの和約の成果で終身統領に収まったわけですが、
聴くヒトを不快にするほど音をはずしがちな鈴木アミ案なピカルディのほうは、
曲尾でしか存在しえない、のですね。ご教示、ありがとうございます。

<ちなみに短調の第4度音はレですが、『悲愴』はレで始まりますね>
▲チャイコフスキーの「短調の節における『第【6】音』ファ開始」は、
forzaのf、古典力学のf(=ma,m:質量;a;加速度)、
という「シール(強いる)」を「貼った」ものだと思ってました。
なるほど、『悲愴』はレで始まるのですね。ご教示、ありがとうございます。
ジュリー・アンドルーズに言わせれば、レイは「陽光」。日照りつづきで、
レイに始まりレイに終わってれば、「怒りの武道交響曲」となったはずですね。

<で、ナポリの六ですね>
▲(**)恐縮ですが、そこのところ、もう少しつまびらかにご教示ください。

<ここで強烈に音楽を変えているのは、観衆にそのことを知らしめるため
 ですね。だから観衆はヘ短調の音楽を期待するのです>
▲なるほど。ご教示、ありがとうございます。

<観衆にピカルディーを期待するような要素はありません。
 ピカルディーは最後にチャイコフスキーが強要するのです。ここでは単に、
  予想外れのぬるま湯。それをチャイコフスキーは狙ったのでしょう>
▲繰り返し、ご教示、ありがとうございます。

<このことはまた検討していかなければなりませんね>
▲このブログでの「くるみ・シリーズ」もひと段落つきましたので、
せっかく、やすのぶさんが書き込んでくださってるので、
晩年ものチクルスを一時中断して、「白鳥湖・シリーズ」に
いたそうと思います。次回、「得意」の「ジョソウ」から、
始めさせていただきます。ただ、お商売のほうが
これから3月上旬ほどまでの間、ちょっと忙しくなりますので、
来週月曜日(前日のケイバのG1競走の結果)以外は、
私の書き込みは週一くらい(時間があいたとき……不定期)
の間隔になってしまうと思います。とりあえずは、
恐縮ですが、(*)と(**)、よろしくお願いいたします。

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『白鳥』No.17 (やすのぶ)
2006-02-17 18:10:13
▲で、森田本の「台本訳」やスコアのト書きを見てみると、どこにも「6人」とか「パ・ドゥ・スィス」とか書かれてないんですね。

<パドゥシスと銘打って>あるのは、コンテンツの#19の箇所と、#19の扉ページの「#19」の下の括弧書き、だけですね。



@御意。依頼書があれば、より明白になるとは思いますが、たぶん『白鳥』では、後の2曲のような依頼書は作られず、チャイコフスキーが、与えられた不本意な台本に基づいて作曲したものと思います。(そのため、初演ではナンバーをめちゃめちゃいじられたのでしょう)



ちなみに小倉本では《6人の王女が踊る踊り》と説明されています。しかし、王女というのはおかしい。小倉氏の単なる思い付きでしょう。婚約候補者たちは、王女なんかではなく、ジークフリート家近隣の貴族の娘たちですから。前回示した登場の場面の台本にそう明示されています。小倉説は、諸国の踊りを、余興と見ずに、候補者たちの踊りとする、後世の変な演出に毒された誤解にもとづいた、妄想と断罪してよいでしょう。《6人の候補者が踊る踊り》ならば、議論の余地も出てくるのですが・・・・・



さらに小倉氏は、中身の各曲の音楽の解説をそれぞれしながら、誰がどう踊るかということを全く説明していません。



内容が謎なのは、後世の人たちが(初演当時からでもあるが)、この曲をもてあまし、カットし続けてきたからでしょう。

そういったことから、ブルメイステルが、これをどう扱ったかは気にかかるところです。



(*)お手数ですが、いま一度、こちらでご披露くだされば幸甚です。



@練習番号【16】(カーマス版50ページ)にブロード版には繰り返し記号が無いということです。したがって、52ページの1番カッコへ入ったとき曲頭へ戻らざるを得ないようになっているのです。そうすると、ファンファーレはこの#17で5回鳴り響くことになります。

しかし、それには重大な欠陥が存在します。1番カッコの最後の音がEsであることです。これは【16】のFに向かうための音であって、曲頭のファンファーレのEsに向かうためにはDでなければなりません(2番カッコの最後の音のように)。

ですから、このことはたんなるブロード版の誤植としか考えられません。
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S機能 (やすのぶ)
2006-02-17 23:03:54
▲「四六主和音→属9(第3音省略)→属7(第5音省略)→主和音」

という和声も強烈です(属音が持続バスで、最後の主和音で移動)。



@「四六主和音→属音上のIIの和音→属7(第5音省略)→主和音」

とも考えられます。どちらと取るべきかは、その和音が【D機能(属9)】なのか【S機能(II)】なのかによって決まります。どちらだと思いますか?



▲涙があふれてしまう箇所です。



@御意。このあと、戦争に勝って、勇躍お菓子の城へ向かうような音楽には到底思えませんね。やはり、すごく《死の影》が濃いです。



▲なるほど、『悲愴』はレで始まるのですね。



@ロ短調と見るか下属調のホ短調と見るか難しいですね。短調の下属というのはなにかあやふやな感じがします(下属和音なのか下属調なのか)。

ここでは、主音のオスティナートがあるので、下属和音的ではないかなと思うのですが、いかがでしょうか?

とにかく、ベートーヴェンの「第9」属和音=属調的出だしの向こうを張ったやり口だと思いますね。



<で、ナポリの六ですね>

▲(**)恐縮ですが、そこのところ、もう少しつまびらかにご教示ください。



@これは(最後の部分の和音の連続交替)、読み間違いですね。ナポリなら♭ソが必要ですね。これは同主短調(ヘ短調)の下属和音の付加6度付きとでも考えたらよい和音ですね。申し訳ありませんでした。



▲「白鳥湖・シリーズ」にいたそうと思います。次回、「得意」の「ジョソウ」から、始めさせていただきます。



@それはありがたいですね。期待しています。



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