結論から言えば、たしかに
主題そのままには出てこない。
チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」は全曲をとおして秀逸である。が、
なんといっても、ポピュラーなのは、
【ミドシラ】音型による冒頭のホルン4管のユニゾンの開始であり、
その【ミドシラ】音型の長調化音型に始まる序奏の主題である。
[3/4拍子、5♭(変ニ長調)]
***♪●【ソ>・ミ>レ、│>ドー】、・<ミー・ーレ、│<ファー・ー>ミ、・>シ<ド、│
>ラー、・<レー・ー<ミ、│>ラー・ー、<レ・>シ>ラ、│
>『ソー、・<レー・ー<ミ、│<ソー・ー』>レ、・レ<ミ、│
<ソー・ー>ミ、・<ラ>ソ、│>レー・ー、>シ、>ラ、・>ソ、>ファ、>レ、│
>ド、●・<ミー・ーレ、│<ファー・ー>ミ、・>シ<ド、│
>ラー、・<レー・ー<ミ、│<ソー・ー>ファ、・>ミ<ファ、│
>ミ、>シ・<ミ、>♯ド・<レ、>ラ│<レ、>シ・<(N)ド、>ミ・<ラ<シ、│
>ソ、<ラ、・<シ、<ド、・<レ、<ミ、│>レ<ミ、・>ラー・ー<シ、│<ド、●・♪
【ミ>ド>シ>ラ】短(調)化←→長(調)化【ソ>ミ>レ>ド】
この【長化音型】はモーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番」
第1楽章の第2主題の主要動機である。いっぽう、
【短化音型】はチャイコフスキー自身の「ピアノ協奏曲第1番」と作曲時期が近い
「交響曲第3番」第1楽章の第2主題の主要動機である。
ともあれ、
上記のチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」(第1楽章)序奏の主題は、
主題の形そのままには二度と出てこない。が、
第1楽章第2主題(ヘ短調)がクラリネットで提示され、
独奏pfで確保される箇所は、こうである。
***♪ファー、・>♯ドー・・ーー・<レー、│<ラー、・>ミー・・ーー・<ファー、│
<ドー・>シー、・・<レー、・>ドー、│>シー・>ラー、・・>ソー・>レー、│
<ミー(このミ=cがラと置き換えられ、
as-c-d-f-cというトリスタン和音からハ短調に転調)、
・ラー、・・<【ミー・>ドー│>シー・>ラー】、・・>♯ソー・ーー│
ーー、・♯ソー、・・<【ミー・>ドー│>シー・>ラー】、・・>♯ソー・ーー│
ーー、・♯ソー、・・<【ミー・>ドー│>シー・>ラー】、・・>ソー・>ファー│
>【ミー・>ドー、・・>シー・>ラー】、│<ドー・ーー・・ーー・>シー、│>ラー♪
4度も【ミ>ド>シ>ラ】を繰り出す執拗さである。
他方、
チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」第3楽章の「3つめ」の主題は、
[3/4拍子、5♭(変ニ長調)……提示時]
***♪ソー・<ラー・>ソー、│【ソ】ー・ーー、・>【ミ】<ファ、│
>ミ<ソ、・>【レ】ー、・レ<ミ、│>【ド】ー、・>ラ<ド、・>ソー、♪
であるが、これは、ヘミオラになってる。
(仮想3/2拍子)
***♪ソー・<ラー>ソー、│【ソ】ーーー、・>【ミ】<ファ、>ミ<ソ、・>【レ】ー、レ<ミ、│
>【ド】ー、>ラ<ド、・>ソー、♪
拍の頭が【ソ>ミ>レ>ド】になってるのである。
ところで、
チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」の第2楽章の始め、
この楽章の主要主題がフルート1管のソロによって吹かれる。6/8拍子。
***♪ソーー・>レー<『ミ』、│<ソーー・ーーー、│>ド>シ>ラ、・<レーレ、│>ソーー・ーーー、♪
が、この音型はこの提示のときだけで、独奏ピアノによる主題確保以下あとはすべて、
***♪ソーー・>レー<『ラ』、│>ソーー・ーーー、│>ド>シ>ラ、・<レーレ、│>ソーー・ーーー、♪
なのである。なぜかという疑問がたまに提起される。が、
誰も解き明かしてはくれない。もちろん、
伊集院静と岸部一徳の顔を見分けれない拙脳なる私に、
解るはずもない。が、推測はできる。
チャイコフスキーは第1楽章序奏の主題を「二度と回帰させない」ように見せて、
実は第1楽章主部にもあとの二つの楽章にもちりばめてたのだ、と。
***♪<レ・>シ>ラ、│>『ソー、・<レー・ー<ミ、│
<ソー・ー』>レ、・レ<ミ、│<ソー・ー>ミ、・<ラ>ソ、│>レー・ー♪
→
[6/8拍子、5♭(変ニ長調)]
***♪『ソーー・>レー<ミ、│<ソーー・ーーー』、│>ド>シ>ラ、・<レーレ、│>ソーー・ーーー、♪
「ピアノ協奏曲第1番」終楽章の第3楽章の結尾部で、
チャイコフスキーは「3つめ」の主題をフルート2管+独奏ピアノ+弦楽4部のユニゾンで
ffで奏させる。しかし、調性はこの協奏曲の主調である
変ロ短調(5♭)の平行調変ニ長調ではなく、同主調の変ロ長調(2♭)である。
主題そのままには出てこない。
チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」は全曲をとおして秀逸である。が、
なんといっても、ポピュラーなのは、
【ミドシラ】音型による冒頭のホルン4管のユニゾンの開始であり、
その【ミドシラ】音型の長調化音型に始まる序奏の主題である。
[3/4拍子、5♭(変ニ長調)]
***♪●【ソ>・ミ>レ、│>ドー】、・<ミー・ーレ、│<ファー・ー>ミ、・>シ<ド、│
>ラー、・<レー・ー<ミ、│>ラー・ー、<レ・>シ>ラ、│
>『ソー、・<レー・ー<ミ、│<ソー・ー』>レ、・レ<ミ、│
<ソー・ー>ミ、・<ラ>ソ、│>レー・ー、>シ、>ラ、・>ソ、>ファ、>レ、│
>ド、●・<ミー・ーレ、│<ファー・ー>ミ、・>シ<ド、│
>ラー、・<レー・ー<ミ、│<ソー・ー>ファ、・>ミ<ファ、│
>ミ、>シ・<ミ、>♯ド・<レ、>ラ│<レ、>シ・<(N)ド、>ミ・<ラ<シ、│
>ソ、<ラ、・<シ、<ド、・<レ、<ミ、│>レ<ミ、・>ラー・ー<シ、│<ド、●・♪
【ミ>ド>シ>ラ】短(調)化←→長(調)化【ソ>ミ>レ>ド】
この【長化音型】はモーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番」
第1楽章の第2主題の主要動機である。いっぽう、
【短化音型】はチャイコフスキー自身の「ピアノ協奏曲第1番」と作曲時期が近い
「交響曲第3番」第1楽章の第2主題の主要動機である。
ともあれ、
上記のチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」(第1楽章)序奏の主題は、
主題の形そのままには二度と出てこない。が、
第1楽章第2主題(ヘ短調)がクラリネットで提示され、
独奏pfで確保される箇所は、こうである。
***♪ファー、・>♯ドー・・ーー・<レー、│<ラー、・>ミー・・ーー・<ファー、│
<ドー・>シー、・・<レー、・>ドー、│>シー・>ラー、・・>ソー・>レー、│
<ミー(このミ=cがラと置き換えられ、
as-c-d-f-cというトリスタン和音からハ短調に転調)、
・ラー、・・<【ミー・>ドー│>シー・>ラー】、・・>♯ソー・ーー│
ーー、・♯ソー、・・<【ミー・>ドー│>シー・>ラー】、・・>♯ソー・ーー│
ーー、・♯ソー、・・<【ミー・>ドー│>シー・>ラー】、・・>ソー・>ファー│
>【ミー・>ドー、・・>シー・>ラー】、│<ドー・ーー・・ーー・>シー、│>ラー♪
4度も【ミ>ド>シ>ラ】を繰り出す執拗さである。
他方、
チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」第3楽章の「3つめ」の主題は、
[3/4拍子、5♭(変ニ長調)……提示時]
***♪ソー・<ラー・>ソー、│【ソ】ー・ーー、・>【ミ】<ファ、│
>ミ<ソ、・>【レ】ー、・レ<ミ、│>【ド】ー、・>ラ<ド、・>ソー、♪
であるが、これは、ヘミオラになってる。
(仮想3/2拍子)
***♪ソー・<ラー>ソー、│【ソ】ーーー、・>【ミ】<ファ、>ミ<ソ、・>【レ】ー、レ<ミ、│
>【ド】ー、>ラ<ド、・>ソー、♪
拍の頭が【ソ>ミ>レ>ド】になってるのである。
ところで、
チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」の第2楽章の始め、
この楽章の主要主題がフルート1管のソロによって吹かれる。6/8拍子。
***♪ソーー・>レー<『ミ』、│<ソーー・ーーー、│>ド>シ>ラ、・<レーレ、│>ソーー・ーーー、♪
が、この音型はこの提示のときだけで、独奏ピアノによる主題確保以下あとはすべて、
***♪ソーー・>レー<『ラ』、│>ソーー・ーーー、│>ド>シ>ラ、・<レーレ、│>ソーー・ーーー、♪
なのである。なぜかという疑問がたまに提起される。が、
誰も解き明かしてはくれない。もちろん、
伊集院静と岸部一徳の顔を見分けれない拙脳なる私に、
解るはずもない。が、推測はできる。
チャイコフスキーは第1楽章序奏の主題を「二度と回帰させない」ように見せて、
実は第1楽章主部にもあとの二つの楽章にもちりばめてたのだ、と。
***♪<レ・>シ>ラ、│>『ソー、・<レー・ー<ミ、│
<ソー・ー』>レ、・レ<ミ、│<ソー・ー>ミ、・<ラ>ソ、│>レー・ー♪
→
[6/8拍子、5♭(変ニ長調)]
***♪『ソーー・>レー<ミ、│<ソーー・ーーー』、│>ド>シ>ラ、・<レーレ、│>ソーー・ーーー、♪
「ピアノ協奏曲第1番」終楽章の第3楽章の結尾部で、
チャイコフスキーは「3つめ」の主題をフルート2管+独奏ピアノ+弦楽4部のユニゾンで
ffで奏させる。しかし、調性はこの協奏曲の主調である
変ロ短調(5♭)の平行調変ニ長調ではなく、同主調の変ロ長調(2♭)である。
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