今日はチャイコフスキーの誕生日であるが、
今年は、「神曲」で知られる
Dante Alighieri(ダーンテ・アリギエーリ、1265-1321)
の生誕750年の年である。誕生日は
5月から6月にかけての間と推定されてるが、
特定もダンテいもされてない。
"La Divina Commedia(ラ・ディヴィナ・コッメーディア=神曲)"は
キリスト教の神聖なる数「3」を基調とした長編叙事詩である。
1876年の夏期休暇、「ロシア報知」のリポーターとして
バイロイトのこけら落としに向かう途中、
ヴィーンだの地中海リゾート地だのに遊山する間、
汽車の中で読書してたダンテの「神曲」の
「煉獄篇」第5歌に描かれてる
"Francesca da Rimini(フランチェースカ・ダ・リーミニ=リーミニのフランチェスカ)"
とその間男Paolo(パーオロ)との道を踏み外した恋と
死(パーオロの兄である亭主に二人とも刺殺される)にインスパイアされた
チャイコフスキーが、ヴァーグナーを観劇したのちに
これを題材とした幻想曲を一気に書きあげた。
その悲恋自体もさることながら、同時期のバレエ作品
「白鳥の湖」に代表されるように
「旧教」と「新教」の対立という題材に固執したチャイコフスキーにとって、
ダンテ時代のフィレンツェにおける
「教皇派」と「皇帝派」との対立・抗争を現実になぞらえて描いてる
「神曲」にはことさらに強く惹かれたものと思われる。
チャイコフスキーの幻想曲「フランチェースカ・ダ・リーミニ」は、
おおきく3部から構成されてる。その第2部は、
パーオロとフランチェースカの道ならぬラヴ・アフェアを描いてるとされてる。
その主題は実質「ホ長調」で両翼vnのオクターヴ・ユニゾンによって奏でられる。
♪ミ<ファ│
<ソーー<シ・>ラー>♯ソ<ラ│
<シーー<レ・>ドー>シ<ド│
<ファーー>ミ・>レー>♯ド<レ│
<ソーー>ファ・ミー>♯レ<ミ│
【<♭シ>ラ>ソ(3連)・>ファ>ミ>レ(3連)│
<♭ラ>ソ>ファ(3連)】・>ミ>レ>ド>シ│
>ラ<ミミ>♭ミ・♭ミーー>♭ラ│
♭ラ<♭ミ♭ミ>レ・レーー>ド│
(シ>ラ<シ)<(ド<レ<ミ<ファ<ソ)・<ラ<シーー>ラ│
ラ>ソ<ド>シ・ラーー>ソ│
ソ>ファ<シ>ラ・>ソーー>ファ│
ファ>ミ<ファ<ソ・<♭シ>ラ>ソ>ファ│
>ミ>レ<ミ<ファ・<♭ラ>ソ>ファ>ミ♪
ダンテが仕込んだ「3」の意を汲んで、
チャイコフスキーはこの「アモーレ」な主題の中に、
4分音符の【「3連符」を「3連続」】させてるのである。
その向こうで1管のホルンがオッブリガード的な和声の一端を吹く。
♪ミーーー・>♭ミーーー│>レー>♭ラー・<Nラーーー│
ラー>♭ラー・<Nラーーー│<♭シー>ラー・<♭シーーー│
<♯ドーーー・<レーーー│>シーーー・<ドーーー│
ドーーー・ーーーー│>シーーー・ーー<ドー│
>ラーーー・<ドーーー│ーーーー・<♯ドーーー│
<レーーー・>シーーー│>♭シーーー・>ラーーー│
>♭ラーーー・>ソーーー♪
これがまたじつに効果的であり、
道ならぬ欲情ながらもやむにやまれぬ
生物の本能に抗えなかった二人の感情にシンクロさせ、
ヒトの感情を感動に打ち振るわせるのである。
(この感動的にして巧妙なチャイコフスキーの和声とオーケストレイションが
よく示された「愛のテーマ」の冒頭箇所を、
音楽作成ソフトSibeliusで制作したものを
サウンドクラウドにアップしました。
https://soundcloud.com/kamomenoiwao_15/tchaikovsky-francesca-da-rimini-the-love-theme )
今年は、「神曲」で知られる
Dante Alighieri(ダーンテ・アリギエーリ、1265-1321)
の生誕750年の年である。誕生日は
5月から6月にかけての間と推定されてるが、
特定もダンテいもされてない。
"La Divina Commedia(ラ・ディヴィナ・コッメーディア=神曲)"は
キリスト教の神聖なる数「3」を基調とした長編叙事詩である。
1876年の夏期休暇、「ロシア報知」のリポーターとして
バイロイトのこけら落としに向かう途中、
ヴィーンだの地中海リゾート地だのに遊山する間、
汽車の中で読書してたダンテの「神曲」の
「煉獄篇」第5歌に描かれてる
"Francesca da Rimini(フランチェースカ・ダ・リーミニ=リーミニのフランチェスカ)"
とその間男Paolo(パーオロ)との道を踏み外した恋と
死(パーオロの兄である亭主に二人とも刺殺される)にインスパイアされた
チャイコフスキーが、ヴァーグナーを観劇したのちに
これを題材とした幻想曲を一気に書きあげた。
その悲恋自体もさることながら、同時期のバレエ作品
「白鳥の湖」に代表されるように
「旧教」と「新教」の対立という題材に固執したチャイコフスキーにとって、
ダンテ時代のフィレンツェにおける
「教皇派」と「皇帝派」との対立・抗争を現実になぞらえて描いてる
「神曲」にはことさらに強く惹かれたものと思われる。
チャイコフスキーの幻想曲「フランチェースカ・ダ・リーミニ」は、
おおきく3部から構成されてる。その第2部は、
パーオロとフランチェースカの道ならぬラヴ・アフェアを描いてるとされてる。
その主題は実質「ホ長調」で両翼vnのオクターヴ・ユニゾンによって奏でられる。
♪ミ<ファ│
<ソーー<シ・>ラー>♯ソ<ラ│
<シーー<レ・>ドー>シ<ド│
<ファーー>ミ・>レー>♯ド<レ│
<ソーー>ファ・ミー>♯レ<ミ│
【<♭シ>ラ>ソ(3連)・>ファ>ミ>レ(3連)│
<♭ラ>ソ>ファ(3連)】・>ミ>レ>ド>シ│
>ラ<ミミ>♭ミ・♭ミーー>♭ラ│
♭ラ<♭ミ♭ミ>レ・レーー>ド│
(シ>ラ<シ)<(ド<レ<ミ<ファ<ソ)・<ラ<シーー>ラ│
ラ>ソ<ド>シ・ラーー>ソ│
ソ>ファ<シ>ラ・>ソーー>ファ│
ファ>ミ<ファ<ソ・<♭シ>ラ>ソ>ファ│
>ミ>レ<ミ<ファ・<♭ラ>ソ>ファ>ミ♪
ダンテが仕込んだ「3」の意を汲んで、
チャイコフスキーはこの「アモーレ」な主題の中に、
4分音符の【「3連符」を「3連続」】させてるのである。
その向こうで1管のホルンがオッブリガード的な和声の一端を吹く。
♪ミーーー・>♭ミーーー│>レー>♭ラー・<Nラーーー│
ラー>♭ラー・<Nラーーー│<♭シー>ラー・<♭シーーー│
<♯ドーーー・<レーーー│>シーーー・<ドーーー│
ドーーー・ーーーー│>シーーー・ーー<ドー│
>ラーーー・<ドーーー│ーーーー・<♯ドーーー│
<レーーー・>シーーー│>♭シーーー・>ラーーー│
>♭ラーーー・>ソーーー♪
これがまたじつに効果的であり、
道ならぬ欲情ながらもやむにやまれぬ
生物の本能に抗えなかった二人の感情にシンクロさせ、
ヒトの感情を感動に打ち振るわせるのである。
(この感動的にして巧妙なチャイコフスキーの和声とオーケストレイションが
よく示された「愛のテーマ」の冒頭箇所を、
音楽作成ソフトSibeliusで制作したものを
サウンドクラウドにアップしました。
https://soundcloud.com/kamomenoiwao_15/tchaikovsky-francesca-da-rimini-the-love-theme )
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