自転車を替えた日は

近畿地方に大雨をもたらした台風が過ぎ去った。

長男が生まれてから、11年間愛用した子供のせ自転車「アンジェリーノ」。
今日は特別な思いで、雨上がりの町へとペダルをこぐ。

このところ、毎回タイヤの空気が抜けてしまい、空気入れのお世話になりっぱなし。
修理に修理を重ね、しのいできたけれど、今回は結構な修理費用がかかりそうだ。
車体が重い（27キロ）ということもきつかった。
子供を乗せるという目的も必要がなくなった今、近所の坂道を上るためには軽い自転車がいいに越したことは無い。

もう潮時かな。
何度も間止んだ末、結論を出した。

知り合いの自転車やさんへ出発。
到着までにタイヤの空気は持つだろうか。

なんとか到着。

お店にはピカピカの車体が待っていた。

後ろに
アンジェリーノ時代につけていたカゴをセットしてもらう。
色は前後違うけど、ぴったり。
これでスーパーのお買い物はバッチリ。

さよならする自転車のハンドルを撫で、ありがとうとつぶやく。
見慣れたカゴが、大好きだったこの形見をわけてもらったような気持ちになり、センチメンタルな気分も上向きに。

帰路は弾むようなタイヤの新車でサイクリング。
今度も車体は16キロだ。軽い軽い。

いつもは途中で断念した坂道を一気に駆け上がる。


これからどうぞよろしく。

新しい相棒のベルを鳴らしながら、心の中でそうつぶやいた。