私は文芸評論家,斎藤美奈子さんの評論の大ファン。
12月から,朝日新聞から東京新聞に変えて一番の楽しみは,
斎藤さんのコラムだった。
(と,言いたい。実はあまり意識していなかった
でも,斎藤さんの評論は読むと,まず必ず納得してしまう!)
◆失言暴言大賞(東京新聞 2015.12.2)
東京新聞の斎藤美奈子さんのコラム「本音のコラム」より抜粋させていただきます。
今回はソフトな感じがするが,忘れてしまってはいけないものばかり。
1.字面に拘泥
衆院憲法審査会で憲法学者3人が安保関連法案を違憲と判断
↓
高村正彦自民党副総裁の発言
「憲法学者は九条二項の字面に拘泥する」
↓
斎藤さん
学者が字面に拘泥せず何に拘泥する?
2.たくさん
170名の憲法学者による法案反対声明に対して。
↓
菅義偉官房長官
「(合憲とする)憲法学者はたくさんいる」
↓
斎藤さん
「たくさん」の内実は3人だけというお粗末。
3.憲法を法案に
中谷元・防衛相
「現在の憲法をいかにこの法案に適応させていけばいいのか」
↓
斎藤さん
「てにをは」を取り違えただけで,こんなに意味が変わるという見本。
(本心だったんじゃない?)
4.法的安定性
礒崎陽輔首相補佐官
安保法案の合憲性について「法的安定性は関係ない」
↓
斎藤さん
自分が何を言ったのかわかっていたのかな。
5.利己的考え
自民党の武藤貴也衆院議員
SEALDsの活動に対して「『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心,極端な利己的考え」
↓
斎藤さん
民主主義のイロハをご存じなかったようで。
斎藤さん
こういう発言を経て成立した法律。爆ですよ,ほんと。
<由良理人のその日暮らし日記>というブログをたまたま見ると,
斎藤さんの以下の「本音のコラム」が紹介されていた。
(由良理人さん,すみません。勝手に引用させていただきました)
1901年に出版された、幸徳秋水「二十世紀の怪物 帝国主義」の、光文社古典新訳文庫の現代語訳(山田博雄訳)を紹介していっての結びの言葉がこれだ。
「秋水は主張する。政治家が軍備拡張に走る動機は『自国民の保護』なんかじゃない。『その動機とは、一種の熱狂、意味のない誇り、好戦的な愛国心であり、それがすべてである』。ほらね、まったくいまの政治家みたい」 (2015.7.29のコラム)
<スポーツ・遊び・体・人間>というブログでは,
“中立って何”が書かれていた。
(スポーツ・遊び・体・人間さん,すみません。勝手に引用させていただきました)
「二十一日のNHK午後七時のニュースが『”政治的中立への配慮”が相次ぐ』と題して講演会や展示会に対する自治体の対応を報じていた」
「この件が暗に発するメッセージは『政治的な意見を持ってはいかんよ』『政府に楯突く意見などもってのほか』という言論統制が平気でまかり通っている現実だろう。
笑っちゃうのは,この種の『配慮』には熱心な自治体が,選挙になると急に投票を呼びかけるバカバカしさだ。『政治的に中立』で,どうやって誰かひとりに投票するのさ。このように建前と本音を使い分けるダブルスタンダードが人々の政治離れを助長する。投票率が低いと嘆く資格はないよ。」(2014.4.23のコラム)
いや,まったくその通り!!