ぺるちえ覚書

兎追いしかの山… 懐かしい古里の思い出や家族のこと、日々の感想を、和文と仏文で綴ります。

美容室を巡る冒険

2020-05-28 17:07:59 | 日記/覚え書き
ロックダウン解除で久しぶりに美容室へ行ってきました! 
3ヶ月近くどこもお店を閉めていたから、お客さんが殺到。 予約が取れたのが昨日でした。 それも今回初めて行く、近所の美容室〜

実はこちらでは安心して任せられる町の美容師さんを見つけるのがなかなか至難の技。 技術も値段も高い高級有名店なら別でしょうが、こちらのアヴェレージなヘアサロンで日本人女性の髪を切らせて合格点を取れる美容師さんは、在仏歴ン十年の私の経験から言っても、まあ三人に一人くらいかな?と思います。 フランス人の髪質に慣れているこちらの平均的な美容師さんにとっては、カットの誤魔化しが全然きかない日本人の直毛と髪質は、か・な・り・難しいようです。 その上、美容師さんにこちらの希望を伝えるコミュニケーションの問題もあるので、パリに住んでいる日本人の知り合いの多くはあえて冒険せずに、慣れていて信頼のできる日本人経営の美容室や出張美容師さんにお願いする、とよく聞きます。 

なのですが、 私が普段使いの美容室に求めるのは家から近くてサクッと便利に行けること、基本的なカット技術がOKであること、そしてリーズナブルなお値段であること、の三つのみ。 ともかく近いのが一番。 髪はまた伸びるし多少の冒険もOK!なタイプなので、わざわざ毎回パリの日本人美容師さんにお願いするほどの事もないかな… と。 

しかし冒険にリスクは付きもの。 そしてパリ市から郊外のクールブヴォワ市に10年ほど前に引っ越して来てからと言うのも、この美容室を巡る冒険のリスク(危険度)はいっそう高まったと言わざるを得ません。。。 

クールブヴォワ市はパリの中心からメトロで西に30分ほどにある、なーんにもない小さな町。 パリの隣にありながら美容室に限らず、本当にもう「なぜ?」と涙が出るほどの文化的不毛地帯なのです。 家から歩いて行ける範囲には、展覧会やコンサートは言うに及ばず、気の利いたレストランやバー、カフェのひとつもない "un désert culturel" (文化沙漠)。 実は長年住んだパリを離れたくなかった私、引っ越し前には夫と喧嘩になったくらい(泣)。 特筆できるのは、むかし作家セリーヌが町医者として診療所を開いていたことと、知る人ぞ知るクラッシック・カーの修理工場(ガレージ)が家の目の前にあること!くらい。(笑)  なんでそんな町に住んでいるの?なのですが、そりゃあ市内では手の届かない空間と庭があるからです。 あとテニス・クラブも近い(笑)。  "On ne peut pas tout avoir!" 

で、美容室ですが。。。 

パリ市内にいた頃は近所に数軒、気に入った美容師さんのいる安心して行ける美容室がありました。 それが引っ越して来てからは、まあ見つからないこと!(涙) 何軒か試した美容室も、シャンプー中に耳に水が入っても気にしない、なんてのが普通のレベル。 もっとヒドイと美容師さんがシャンプーしている間中、ずっと隣の同僚と仕事と関係のない無駄話しで笑っていたりする…(汗)。 

まあ、問題がシャンプーだけならまだよいのですが。。。

引っ越して来てからしばらくして、家から自転車で10分ほどの距離にある某フランチャイズのヘアサロンに、「この人ならOK」と思える美容師さんをやっと一人見つけたことがありました。 ああ、よかった〜!と、しばらくの間は安心して彼女のお世話になっていたのですが。。。  

そのヘア・サロンは予約を取らないシステムだったので電話も入れずに、ある日、またそろそろカットしてもらおうとチリリーンと自転車に乗っていつもの美容師さんの元へ。 受付で彼女の名前を言うと、先月辞めてしまったと言うではないですか!(涙) しょうがなく代わりに担当になったのは、その日初めて見る若い黒人女性の美容師さん。 手足のあちこちに怪しげな刺青があって「もしかして昨日は明け方まで遊んでたの?」と尋ねたくなるような、目がまだ半分あちら側にいる雰囲気の見るからに、かーなーりー、危ない感じの人。 でも前の担当者は辞めてしまっているし、外見だけで「この人はイヤだ」とも言えず(人種差別に捉えられる恐れ)…。 シャンプー後、鏡台の前に座らされてカンネンして待っていると… 彼女のマイ・ポーチと思われるヨレッとした道具入れから取り出すハサミや櫛も(え、それキレイ? 使うの?)…なんだかとても怪しげではないですか。 もうすっごい不安に。(涙) 

そして恐れていた通り。。。

彼女は私の髪をカットしながら、なぜか整髪剤?を大量に私の頭にすり込み続けるのです(黒人特有の縮毛を伸ばすテクニックだったのか?)。 どうも彼女のカット技術では髪形が決まらず、どうにもならなくなって整髪剤で無理やり形を整えようとしていた気配が…(汗)。 もう不安を通り越して、気持ち悪く不愉快に。 さすがの私も我慢に耐えかねて、「整髪剤を洗い落としてください」と、有無を言わさぬ厳しいトーンで言い、シャンプーをやり直してもらうことに。 ともかくブローをして貰い、早々にお仕舞いに。 カットは家に帰って自分で手直しして多少はどうにかフォロー。。。

当然それ以来、そのヘアサロンには戻っていません。
美容室を巡る冒険の見事なほどの失敗談でした。

ちなみに、昨日行った近所の新しい美容室はシンプルですが明るくて清潔。 担当してくれた美容師さんも清潔感のある感じのよいカワイイ女性でした。 ロックダウン中に自分で切ろうとして、無残なザンギリ・狼カット風(昭和〜 笑)になっていた私の頭を見た彼女、「あら〜」と新型コロナ予防対策のマスク越しに苦笑。 「そうなんです、やめておけばよかった!」 と、こちらもマスク越しに言ったら、「。。。皆さん、ご自分でどうにか凌いでられましたからね〜」とやさしく慰められ…(笑)。 今のところ、美容室のお客さんも美容師さんもマスク着用が義務。 カットするのにマスクが邪魔じゃないですか?と聞いたら、もう慣れたから大丈夫ですよ!とのこと。 ザクッと思いきり10cmほど短かくしてもらい、カットにグラデーションを少しつけた、肩につくセミロングでキレイに整えて貰えました。 しばらくはこの美容室にお世話になれそうです。 (よかった〜)

Fabio Salsa - Hairdresser Courbevoie
http://www.fabiosalsa.com/salon-3307/coiffeur/60-boulevard-de-la-paix-92400-courbevoie-becon

早くまた日本のヘアサロンでゆっくり癒されたい〜。 
次はいつ行けるかしら。。。? 

早く世界中の新型コロナ騒動が収まることを心から祈りつつ。
皆さま、どうぞご自愛下さい。