☆つる姫の星の燈火☆

#76 わがまま

我がままな人が得をする。

割とそう思って生きてきました。

 

私の父は、もともとマイペースな変人でしたが(この変人という言葉、私は結構ポジティブに捉えているのですよ)、身体を悪くして病院にかかるようになり、特養に入ってからも、結構我儘にふるまい、家族を振り回していました。

施設の皆さんには、嫌な想いをさせたこともあるでしょう。すいませんでした。

でも、もちろんそれも、いつもいつもの事ではなく、謙虚な言動をすることもありました。

しかし、こんな病人にはなりたくないと、その当時は元気だった私は、父の姿を反面教師にしました。

 

一方、わがままを通して、父は周りから助けや配慮をいただいていました。

身体が自由に動かない苦しみ、その程度は本人にしかわかりません。本当に辛かったと思う。

謙虚にしていれば、こころが先に壊れてしまったのかもしれません。

病院や介護の方は、それが仕事でもあり、受け止めてくださいましたが、内心腹も立っておられたでしょう。人間ですから。

 

ここからは、決して自分をよく見せるために書いているわけではない事を、ご承知ください。

自分自身が、心の臓の不具合で入院手術となった時、先生をはじめ、看護師や検査技師、リハビリ、お掃除やお食事を運んでくださる皆さんに、いつも謙虚にふるまっていました。

思いつく限り、わがままをいったことは一度もありません。

痛い時、苦しい時も、まさかと思うでしょうが、相手に冗談をいうような自分がいました。

わがままでも、謙虚でも、お医者さんたちは病気を治すために、最大の努力をしてくださっている。

 

でも・・・今にして思えば、せっかく病人なんだから、もう少しわがままでもよかったのかなって、馬鹿な事を想う事があります。

せっかく病人。これは不謹慎な表現かもしれませんが、私自身が病気になった身ですし、悪意はありません。

病気なんかしないのが一番いい事は、私もよくわかっていますので、その辺は忖度してください。

わがままっていうのは、相手に対する言動だと思いがちですが、実は、私のような人間も我儘、我侭なんです。

我慢するのが美徳だと思うことが、我儘なの。

時と場合によるのです。言葉にすれば、わがままを通した方がいい事もある。

 

こたろうを見てて思うのです。わんこと比べるのもあれですが(笑)

こたろうくんは、わがままぽんです。

でも、彼に「悪意」があるわけではないのです。

やれやれ、わがままむすこめ~~、と受け入れてくれる相手がいるのです。

私には、そんな相手はいません。

それは、自分の蒔いた種。

自分さえ我慢すれば、を積み重ねた、自業自得なのです。

相手に対してわがままを言えなかったじぶんのせい。

 

実は、まだお話できない身体上の問題が見つかってしまったのですが、まあ・・・大したことではないと思いますが、グレーという事で。

その件で、初めて訪れたクリニックで、久々に嫌な思いをしてしまいました。

そして、記憶にある限り、医者で初めてわがままを通しました。

あれはわがままというより、自分の意思表示がはっきりできたという事で、後で自分を褒めました。

そのことで、後からくよくよしましたが、そのことで、「わがまま」は、決して悪い事ばかりではないと、気づきました。

他者に対する無理難題ではなくて、自分の思いを通すことは大切だと。

それを相手がどう受け止めようが、関係ない。相手に対してより、私自身の我儘を通す。

この年になるまで、相手がどう思うかばかりを気にして生きてきたような私ですが、残りの人生くらい、わがままに生きたい。

自分の中の我儘、それを表に出してもいいのだ、と。

もちろん、ボケない限り(ボケませんが)周りへの配慮を欠く事は、私にはできませんが。

 

言葉にすればそれまでで、解釈も人それぞれですが、わがまま、というのは、決して悪い事ばかりではない。

ああしてくれこうしてくれ、と最後までわがままだった父が、教えてくれたことの一つかもしれません。

その父が亡くなって、来月で一年です。

去年のこの時期は、コロナで、県外から来る人は院内にも入れられず、最期も看取ることは許されないと言われ、悶々と過ごした日々でした。

 

どんな生き方をしてどんなふうに死んで行ったか…結局残ったものが思い出し、引き継いだり、切り捨てて命を繋いでいく。

それで思い出しましたが、今、アマゾンプライムビデオで、米倉涼子さん主演の「エンジェルフライト」というドラマを視聴しています。

決して失敗しない外科医、大門未知子を演じた米倉さんが、このドラマでは、死体を扱う役どころ。

私的には、最近の中では最高のドラマです。

重い内容で涙がたくさん出ますが、他のストレスも涙と一緒に放出できます。

亡くなった命に敬意を払うこと。亡くなってからその人の人生がわかることも。

このドラマでは、生と死について、とても考えさせられます。機会があれば観た方がいいです。

一ヶ月無料でお試しください。

 

臆病なのと謙虚なのは違うし、他者への配慮を欠かないわがままは、決して悪い事ではない。

わがままとすなおはの違いはなんでしょうか。

病気のデパートな近年の私は、これからは勇気を出してわがままに生きてみます。

どのみち、人間同士は同じ言動でも相手がどう受け止めるかのかけひきみたいなものですから。

 

それにしても、雨続き。

今日は傘をさしてでも、桜探しに行ってみようかなって思っています。

来年の桜が見れるという保証はどこにもないしね。

 

長くなりましたが、生と死も、我儘と謙虚も、対極にある言葉ではないと、私は思います。

*個人の見解です

雨の中の桜散歩。

 

何年か前の絵です。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。

感謝をこめて

つる姫


私の好きなものは笑顔。笑顔は世界を救うと信じるつる姫のブログです。

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