ということで、自分と比べるものでもありませんが、若冲と応挙の絵に感銘を受けて、どうにかこの思いを言葉にしようと思いつつ美術館を出ました。
比べるものではないけど、技とか想いはレベルが違っても、絵を描くという行為は同じ。
筆使いを間近で見るというのはやっぱりいいことだな。息使いまで感じられる。
どこを見ても手抜きなどない、当たり前ですが。
熱い思いを胸にふと上を見れば、曇っていた空は晴れ上がり、澄んだ青空と日差しがまぶしい初冬の京都に変わっていました。
さすが、日ごろの行い。
せっかくの京都なので、他にもオプションはあったのですが、今回は素晴らしい絵画の余韻を味わいたくて、やめました。
でも、相国寺には拝観。
以前来たような気もしますが、ここの法堂の天井には、有名な蟠龍図が描かれています。
狩野永徳の長男光信が、逆遠近法を使って描いたと言われ、またこの龍は鳴き龍とも呼ばれて、手をたたくと龍の鳴き声が聞こえる、というもの。
これはパンフレットですよ、堂内は撮影禁止。
下から見てこれですもの、実際の大きさは!
ここでしか鳴き声が聞こえないという場所に立って手をたたくと、確かにカサカサ?シャラシャラ?という音が降ります。
これがそうかな?と思ってもう一度叩くとやはり同じ音が帰ってきたので、龍は案外優しい声で鳴くんだなって思った。
案内人の方に尋ねました。
この絵は、下で描いてから、もちあげたんですか?と。
聞くは一時の恥ということもありますし、気になったら聞くこと。
下で描いて後で天井にあげるところもあるが、ここのは、櫓みたいなものを組んで、直接天井に描いたとか。
姿勢はきついし、その状態で全体のバランスがわかるなんて、ほんとすごいと思いましたよ。
あの高さの櫓を組むなんちゅうのも、昔の人はすぎょい。
その後、順路に従って歩いて、角を曲がると
思わずわあ!と声を上げるほど鮮やかな赤と黄色のもみじが。
角を曲がっていきなり飛び込んでくるこの景色には、後から来るどの方も、おおと声を上げておられました。
かどかどかどかど曲がり角!
こんなにも美しい黄色のもみじは見たことがないかも、と思うほど見事でした。
お庭を眺めて、さてこれからどうしようと考えます。
新幹線の時間は14時半位。この時点で後三時間弱。
こたろうのことが、ちょっと気になるし、繰り上げて早めに帰ろうかなと思い、すぐ近くの京都御苑を散策することに。
まあこれが、めちゃくちゃ広大な敷地。
後で調べたら新宿御苑の二倍以上あるそうな。
前を見ても後ろを見ても、先が見えないほど。
その昔は一つの町だったそうですから、頷けますね。
都が江戸に移って、ここに住んでた人たちも移動して行き、敷地だけそのまんま残ったっていうような。
脇に続く森を歩くと
様々な種類の木々の、様々な色づきが見られましたが、特に銀杏が見事できれいでした。
歴史を感じる巨木。
途中でベンチに座り、新幹線で食べた朝ごはんの残りのサンドイッチを頬張り、新幹線の予約変更に成功。
一時間早い便を取って電車で京都駅に戻り、お土産とお弁当と、もちろんビールを買って新幹線に乗り込みました。
これが、普段具合が悪いとくよくよしている私のすることです。
駅弁とビールはセットですよねえ、ご同輩。
はたから見ると普通に元気そうなおばさんなのでしょう。
京都滞在時間4時間。しかしながら、いつもの旅とは一味違い、ピンポイントでゆっくりたっぷりと楽しみました。
新幹線の往復が4時間、トータルで9時間半ほどのお出かけ。
さすがにこたろうくんの気が狂っておりました。
わんこの一日は人の4倍とか5倍とかの速さで過ぎるそうです。
人間にしたら一日以上待ちくたびれたことになります。
つる姫の弾丸日帰り京都、続きが長くなっちゃいましたが、もう少しエピソードがあるので、明日に続きます。
今日の言葉
終わりよければすべてよし
ご訪問頂きありがとうございます。
感謝をこめて
つる姫