もう、何年も前の事です。
当時小学生だった息子と娘を連れて
春休みを利用して、北海道に流氷を見に行きました。
もう3月の終わりです。
年によっては、この時期にも見られる事があるらしいのですが
見られないのを覚悟の上で出かけました。
今でこそ、気ままな一人旅ですが、
その頃は子どもたちのために、キタキツネ牧場を見たり
牛の乳搾り体験などを盛り込んだバスツアーでした。
さて、流氷をみるツアーの日。
網走の海岸には、もう泥まみれになった流氷の残骸が
淋しく残っているだけ。
それでも、沖まで行けば流氷に会えるかもしれないと
多くの乗客の夢と希望を乗せて
流氷船「オーロラ号」は、海に出ました。
知床半島を横に見ながら
船は沖へと進んでいきます。
しかし、そう寒くない晩冬の静かな海には
流氷の姿は見えてきません。
「残念ながら、ここまで船を進めても
流氷は確認できません。港に引き返します」
船内アナウンスが流れると
乗客たちのため息と、子どもたちの残念そうな顔。
船を降りるときに、流氷が見られなかった時の残念賞?
流氷をかき分けて進むオーロラ号の写真のついた
テレフォンカードをいただきました。
今や、テレフォンカードも使えない時代になってしまった。
それでも、旅は旅。
温泉に入ったり、バイキングの晩ご飯を楽しんだりしました。
翌日は、知床半島の観光に出かけました。
バスガイドさんの紹介でバスに乗り込んできたのは
いかにも、自然を愛するおじさんという風貌の
ネーチャーガイドさん。
つる姫は、こういう人を嫌いじゃないのです。
普段は、ハメ外さないようにしていますが
きっとお酒が好きで
飲んで話すと、大自然の蘊蓄で盛り上がる
友人の一人にしたいタイプのおじさんです。
向こうは嫌だっていうかもしれないけど 笑
さて、話は逸れましたが
バスがウトロに向かう途中
大鷲やえぞ鹿と遭遇。
子どもたちが目を輝かせて生き物たちを見ている姿に
小さい子が動物好きなのはどうしてだろう、と改めて思ったりしました。
ネーチャーガイドさんの話も、とても興味深く
つる姫も、こういうお仕事がしたいなって、その時は思いましたが
そうなるには、長い年月が必要。
思いつきのつる姫は今や、いらっしゃいませの人 笑
ウトロについて、あんまり美味しくない昼ごはんを食べ
お土産を買うために賑わうおばさん達をしり目に
つる姫母子は外に出て、海や山を見ていました。
遠くでネーチャーガイドさんが
長いレンズのついたカメラを三脚に取り付けて、沖の方を見ています。
そして、後ろ姿が静かに色めき立っているように見えました。
直感的に何かを感じたつる姫、子どもたちを連れて
そちらに向かいました。
「何が見えるんですか?」
「流氷の蜃気楼が見えています」
怖ろしいほどクールに答えるガイドさん。
「えええええ!!!!???シンキロウ?」
つる姫は、さっそくのぞかせてもらいます。
すると、はるか沖に
もこもこと、積み上げたような流氷の蜃気楼。
まるで、空に昇って行くかのようです
よくわからない子どもたちにも、一生懸命説明して
流氷の蜃気楼を見せました。
本物の流氷は、季節に行けば見れる事が多いかもしれませんが
蜃気楼なんて、滅多に見れるものではありません。
ツアーに参加した中で、これを見れたのは
お土産買いに盛り上がるおばさんたち以外
ネーチャーガイドさんと
つる姫たち親子と、後二人のおばさんふたり連れだけでした。
もしガイドがつる姫だったら・・・
買い物に夢中のおばさん達に大きな声で、
蜃気楼がみえてますよ~~!!と教えてあげたでしょうか。
あのガイドさんと、つる姫の価値観は
多分似ていたのだろうな、って今にして思います。
この頃つる姫は、子どもたちと3人でいろんな所に行きました。
もう一度北海道に行って、今度は本物の流氷をみたし
屋久島にも行きました。
母子でシェアしたい場所がいくつかありました。
普通ならディズニーランド?
もちろんディズニーランドにも
ユニバーサルスタジオにも行きましたよ。
しかも、ロサンゼルスの!
それは、母子じゃなくて家族4人の旅でしたけどね。
つる姫が子どもたちと旅をして、一番嬉しかったのは
子どもたちがいつの間にか、自分の荷物は自分でちゃんと整理して
ご飯を食べる時もバスの中でも、
人に迷惑にならないように行動できるようになっていた事でした。
少ないお小遣いを配分して、あちこちでお土産を買うと言う
計算もできました。
当たり前の事なのでしょうが、
一緒に旅して改めて気付いたものです。
こんな子どもたちの成長を見ながら
素敵な旅が出来たつる姫だからこそ
今のハチャメチャな一人旅ができるのだと思うのです。
あの、天に昇りそうな流氷。
今でも心に焼き付いています。
今日の素晴らしい写真は、もちろんイメージです。
蜃気楼の写真は残念ながらありません。
あるけど、見せない 爆
フィルムの写真で、ほとんど何が写ってるか分からないからです。
素敵な一日になりますように。
感謝をこめて つる姫