寝床

　私の旅での寝床は軽自動車になります。それもワゴンの横、半分だけです。後の半分は日用品などの生活用品が占めています。
身長が１７６ｃｍの私を見てこんな所に寝れるのと何時も？を出されます。
ところが意外にも丁度良い長さで何時も気持ちの良い眠りを得ています。
よく寝られるねと訊ねられるのですがその時は家のベットよりも寝心地よいと答えています。そしてそれは本当のことでもあります。
その不思議さをつい考えてしまします。

「シックスセンス」と言う映画を見たことがあるでしょうか。
直訳すれば「六感」となりますか。日本語的には「霊感」なのだろうと思います。
最後の信実の意外性とそれまで緊張して見てきた人を愛という感動で胸を熱くさせて終らせた秀作と思っています。
主役はブルース・ウィリスですが本当の主役は子役のハーレイ・ショエル・オスメントだろうと思っています。
この主役の少年には霊感があり昼夜問をわず恐ろしい霊達が見えています。それをおかしく思った母親が心理学者役のブルース・ウィリスに依頼する所から物語が始まります。
その物語の中で少年は霊から逃れる為に部屋の中に毛布等を使って小さな小屋を作りイエス像等を置いてそこに籠もります。

　あの部屋のシーンを見て私も同じような小屋を作って遊んだことを思い出しました。勿論、霊とは関係ありませんが奇妙に落ち着く場所になるのです。ですから世界を問わず子供の心理に何か共通したものがあるのではないかと考えていまいます。
それと同じ心境に私の狭い車中はさせてくれたのかも知れないと推察しています。

　縄文時代の埋葬方法の中に屈葬と言う方法があります。その理由としては諸説ありますがその中には掘る手間が少なくて済むからとい言うのがあります。如何にも現代人らしい発想と思います。あれだけ複雑な土器や石器を作るのに時間を掛ける縄文人が手間を惜しむはずはありません。まして今よりもずっと信仰の厚かった人達がです。
それと勾玉と言う飾り石がありますね、あの形態に関しても諸説ありまして明確な答えはありません。
私は胎児説に同調しています。どの様な機会から知ったかは分かりませんが恐らく知っていたと考えています。

　私のかってな想像ですがどちらの場合も胎内帰りと申しますか人間にとっての一番に安住の場所だったからです。
狭くとも心休まる場所。それを絶えず人は追い求めているのではないでしょうか。

「立って半畳、寝て一畳」の心境を悟るにはまだまだ修行が足りない未熟者ですから、人生という旅が終わるまで求め続けるのしかないのでしょうか。