店頭に並んでいたガーベラが帯化していました。帯化とは植物の奇形の一種です。見た目が下の写真のようで売れ残り気味だったのかもしれません。もっと色鮮やかで花の大きなガーベラも売ってはいたのですが、変わったもの好きなわたしとしては ついこちらを選んでしまったという・・
正常な花が3個くっついたようになって「L字型」に見えます。帯化したものはピンクの花弁ですが、次に上がってきた花は白でした。色変わりする品種でもあるのでしょうか?その点も興味深いところです。
茎と萼の様子。写真右の正常なものに比べて茎も太め。花がL字型だから、がくもそれに応じて三角錐を逆さにしたような形になっていました。この性質は2番目に上がってきた花が正常だったことから遺伝的に決まっているわけではないということ。帯化は成長点の分裂に異常が出ることで発生するとされていて、その原因はさまざまあるようです。微生物が原因のこともあれば害虫による食害が帯化を引き起こすこともあるそうです。ネット上の情報では、ガーベラの帯化はしばしば見られるといいます。ガーベラ特有の原因って何なのでしょうか?品種によっても起こりやすさに違いがあるみたいですが、よく分かりませんでした。
園芸植物だけでなく野草でも帯化は起きるのでその紹介・・
これはメドハギといいます。マメ科ハギ属の多年草です。この写真でど〜んと横に伸びているのが帯化したメドハギです。それ以外のほっそりとした茎を持ったものが正常のものです。この写真は10月中旬の撮影で花はほとんど終わっていました。
帯状の茎にポツポツついているのはまだ若い豆果です。同じマメ科でエニシダ属のエニシダでは帯化したものをいけばなに使うそうですよ。いけばな界隈では帯化のことを石化(せっか)といっているようです。
帯化の原因が、他の生物による刺激だけということであれば形質が維持されることはないはずです。しかし、多肉植物のゴーラムが花月(カゲツ)の帯化した品種として確立されているようなので、帯化の原因は植物側にもあり得るということでしょうね。それが何なのかは知りませんけれども・・。多肉植物やサボテン界では帯化のことを綴化(てっか) と言っているようです。
花月は「金のなる木」という名でも知られており正式な和名はフチベニベンケイだそうです。葉っぱの縁が赤く色づくからその和名になったのですね。ゴーラムでもその性質が受け継がれており、写真のように縁が赤くなります。花月の大株では花が咲くこともあるからゴーラムも大きく育てれば咲くのかな。咲かせてみたいな。
ゴーラムの独特な特徴は、というと葉の形。スプーンの先のような・・あるいは、ホーンのような とも言えるかな。あのパフパフっていう楽器の・・。地球上の植物にしてはあまりにも奇妙な形なので「宇宙の木」と呼ばれることもあります。この写真の鉢に宇宙人のフィギュアを置いたらおもしろいマン盆栽(注)になりそう。
注:マン盆栽は小さなフィギュアを添えた盆栽の一種でマンボミュージシャンのパラダイス山元氏が発案。マン(人・フィギュア)と盆栽を併せてマンボで言葉遊び。
【まとめ】
- 帯化とは、植物の奇形の一つで、茎や花が複数くっついて成長したような外見で帯状になること
- 帯化は植物の成長点の分裂に異常が生じることで起こるとされている
- 原因としては、微生物の感染や害虫の食害が挙げられる。その他、植物側にも帯化を起こす原因が形質として保持されることがある
- 一般には帯化と言われているが、サボテンや多肉植物方面では綴化、いけばな方面では石化と言われることが多く帯化に価値が見出されている場合もある
- 帯化は見た感じが正常とはかけ離れているので気色悪いのは否めない
【結論】
気色悪いと感じる人がいる一方、帯化に価値を見出す人もいる。だから他と違っていても気にすることはない。価値を分かってくれる人が必ずいるのだから。みんなちがって、みんないい。
【今後の予定】
- 今回ガーベラの購入株が色変わり品種なのかを見定める
- ゴーラムに花を咲かせる(そうとう先のことになりそう)
- 宇宙人のフィギュアを手に入れてゴーラムの横に立たせてみたい