「ポーチュラカとスベリヒユとマツバボタン」シリーズの第6回目(改)です。9月20日に投稿した「マツバボタンの雄しべ・触れると自ら動く!?」は削除しておきました。
今回はポーチュラカとマツバボタンの雄しべが人知れず涙ぐましい努力をしているかもしれないというお話。スベリヒユだって頑張ってはいますが花が小さすぎて観察しにくいため今回はお休みしてもらいます。
動きがあるものはやはり動画の方がわかりやすい・・ということでマツバボタンの雄しべが動く動画をYouTubeにあっぷしておきました。懲りもせずつまらない動画を作ってしまった・・・ブログの方はチャプターの静止画で説明したいと思います。
まずはポーチュラカを観察していると・・
ヒメハナバチがポーチュラカの花に訪れていました。虫が雄しべに触れると雄しべが自ら動くというのですよ。でもヒメハナバチの戯れが激しくてね。雄しべが自ら動いているのか蜂が動かしているのかよくわからん。
ということで、人為的に雄しべに触れてみることにしました。ヒメハナバチ(種類は不明)は花粉を集めるのが好きみたいです。
選手交代でマツバボタンです。まずは触れる前の写真。次に触れようとした写真・・
こんな感じに花の上側の雄しべをさら〜って爪楊枝の先で軽く触れました。すると・・
この写真のように雄しべが触れた方向に「むにょ〜〜」って動いたのですよ。変な擬態語が出ちった・・静止画で説明するのって大変。
そんでもって・・
約4分半後には雄しべは元の位置まで戻りましたとさ。めでたしめでたし・・この写真は載せなくてもよかった?
次に雄しべに強く触れた時、連続して何回くらい反応を繰り返せるのかを調べました。あの・・これから似たような写真が連続しますけれどびっくりしないでください。
まずは1回目。刺激後10秒程度の時、雄しべが最大に動いた時のチャプターです。この後4分半ほどかけて元の位置に戻ります。
そして2回目 同じく雄しべが最大に動いた時のチャプター。注目点は奥側の花弁です。1回目の時と比べると水分を失ってやや萎れた感じがあります。動画を見ると、雄しべが元の位置に戻るのに合わせて花弁も萎れていく印象がありました。雄しべが元に戻る時には花弁に貯めてある水分が利用されているのかもしれません。
3回目から、雄しべの動き方が明らかに小さくなりました。花弁のしおれ方についてはさらに強まっています。
4回目以降は3回目の時とほぼ同じような感じでした。すなわち、雄しべが動き方は小さい一方、動いた分については数分のうちに元の位置に戻っていました。この写真は7回目のものです。連続7回繰り返して雄しべの動きが完全にストップすることはなく、観察は終わりにしました。
雄しべに触れると自ら動く意義について。雄しべが動くことで訪花昆虫に託す花粉を多くして結実量を増やすとする見解があります。しかし、投稿したYouTubeのポーチュラカとヒメハナバチに見るようにあのクラスの蜂が頻繁に来ればこんな涙ぐましい努力は不要でしょう。蜂の行動量が十分大きいので少しばかり動いたところで大同小異で意味ありません。一方でそれとは別の視点もあります。植物側の本来の目的は自家受粉を避けることで雄しべが雌しべから離れる動きに過ぎないというもの。特に花弁が閉じる前後で雄しべが雌しべに接触しないようにテンションをかけているが、花弁が開いている時も雄しべの感覚の鋭敏さが保たれているので、虫が触れただけで結果的に動いてしまうという見解。雄しべの感度が上がるのは花弁が閉じる前後らしくそのような推測が成り立つそうです。
いずれにしても小さなことからコツコツと・・どんな境遇だったとしても小さのことでも頑張っていることが大切なのかも・・です・・と無理やり終わりにして締めてみた。
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